| 概要
回答者のプロフィル
お米の購入について
お米購入の留意点
購入量とギフト
ギフトの利用と販売方法
お米販売の不満点
回答者の感想や意見
・主な意見まとめ
・戸辺米穀店の戸辺政光さんから
・自由意見抜粋
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| 戸辺米穀店の戸辺政光さんからの手紙(2000.5.29)
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今回の調査結果を見て、東京都江東区の(有)戸辺米穀店 戸辺政光さんから次のような感想を寄せていただきました。
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お米の購入に関する調査を読んで米屋としての感想を述べます。
まず始めに、この調査を行うとの電話をいただいた時に、調査結果は、私が1984年に行った米屋へ望むアンケート調査や東京都が行っている消費者モニターへのアンケート調査、そしてまた各々の所で行われたアンケート調査とほぼ同じ結果が出るだろうと思っていました。
ただ、ネットを利用した調査なので、この層の人たちのお米への関心は今まで調査をした層とどう違うのかと興味を抱きながら調査結果を拝読いたしました。近年出てきた「古代米、無洗米、店頭精米、通販、インターネット」等の活字が目を引きますが、お米の購入に関する調査結果は今昔の一般層、そして、これからのネット層に関わらず購入者としての意識はほとんど変わらないというのが私の正直な感想です。
なぜ変わらない結果になってしまうかは「お米の購入に関する調査」と題したアンケートですから仕方がないのですが、この手の質問ではお米を加工食品と同じように商品として捉えた内容になってしまうからです。ですから、Q3「お米購入の留意点」の調査結果は、いつも、安い米・美味しい米・銘柄米・安全な米という結果になるのです。
違ってきているのは、Q1「お米の購入先」ですが、残念なことにQ1の回答項目の中に「生協・農協・生産者直売」が抜けていたことです。
とはいうものの、他のアンケート調査からも米屋から購入する割合が15%以下になっているので「米屋は暗い・入りづらい・高い」という調査結果は厳しく受け止めます。
しかし、この結果は米屋ばかりではなく地元地域を支えてきた家族経営的な小売店全般にも言えることで、消費者がスーパーやコンビニなどオープン形式の販売店舗に向かっている背景を考えれば、小売店の努力不足、小売店に対するイメージの低下が小売店離れの要因になっていることを改めて肝に銘じなければならないと思いました。
感想を自由に書き込んだQ10のほうが顧客の声により近い声と考えます。けれど、この書き込みには「理想と本音の部分」がありますので、それぞれその鉾先がどこに向いているのかなどをしっかり読みとる必要があると思います。しかし、農家と同じように後継者の少ない小売店がこうした結果を受け決断し、資金を投入、店舗改装・業態変換を図ろうとしても今は状況が厳しくハードルは高すぎると思います。
また回答内容の傾向として、教えてほしいとか……してくれないという意見が多く、米屋は何のアドバイスもしていないように言われていますが、その逆で、試食を除けばそのほとんどにおいて米屋が「顧客のことを考える」ことは、何らかの対応をしていると思います。ですから、これからは勇気を出してお米屋さんに聞いてみてください。お願いします。
では、どこへの要望なのかと考えると、回答者が購入している場所で一番多いのはスーパーであることを考慮すれば、このアンケートの結果を求められる先はスーパーであると解釈するのが妥当ではないでしょうか。
しかし、ここで不思議に思うのは「なぜ直接聞かないの?」です。やはりオープン形式の店舗に並んでいる品を自由に選ぶ購入スタイルに慣れてしまったからでしょうか。
さらにもう一歩踏み込めば「なぜそんな基本的なことを知らないの?」です。
当店では、「お客様が“手にするお米”“食するご飯”」について、いつもこのように申し上げています。
1 私たちが手にするお米は、「“太陽”“水”“土”など自然からの恩恵」と「耕す人の力」により育み収穫されます。
2 お米を生産するその年その年の天候は異なり、それに伴い稲の生育状況も変わります。ですから、同じ産地に同じ品種を作付けしても収穫されるコメが前の年と比べ、同じ品質・同じ食味・同じ収量になるとは限りません。
3 さらに、コメは炊飯されて“ご飯”となりますが、同じコメをいつも同じに炊いていたとしても水加減などに微妙な差が生じます。したがって、炊きあがりのご飯も2の収穫されるコメ同様、いつも全く同じになるとは限りません。
4 そして、ご飯の味。
一般的には“香り・甘み・つや・粘り・やわらかさ等”で評価されますが、人間の舌は個性豊かで人によって好みが違うため、いちがいにこれがベストとは言い切れないのです。
5 では、自分の好みに合うようお米を炊くにはどうすればよいのかと言えば、1〜4のことを理解し、炊飯器まかせでお米を炊くのえはなく、水加減を調整するなどして自分の好みに合うようチョットした工夫をしてください。それがお米を美味しく炊く一番のコツなのです。
6 もう一つお聞きいただけるなら、
お茶碗に盛られたご飯の向こうに田んぼがあり、お百姓さんがいることを、そして田んぼはお米を生産することだけではなく、お百姓仕事を通じて豊かな自然環境を生み出していることもわかってください。お願いします。
と……。
なぜなら、これらはつまり「お米」や「農」へ向き合うための基本ですから……。
したがって、このことを理解していれば工業製品と同じ発想からの意見や要望はそんなに出ないと思うのです。
けれど、立場を変え、見方を変えてみると“企業・流通側(売り手)からすれば一般人はこうした基本は知らなくてよい”のです。
企業・流通側(売り手)が求める一般人は、売り手から発信する商品情報に一喜一憂し、自分のお気に入りを購入していくそんな消費者を望んでいるのですから……。
だから、農産物の価格が頭打ちとなり、農家の生活が苦しくなろうとも、後継者が育たなくなろうともそんなことはお構いなし、企業・流通側は売り手の論理を一方的に農業側へ押しつけて来るのです。話が飛んでしまいましたが、こう考えるのはうがった考えでしょうか?……。
時代にマッチした売り方を考え、モノ(米)を売るのが米屋仕事のすべてではないと思います。どういう時代になろうが、生消の間に立つ者としては、“農が生み出す自然環境への多面的関わり”や“食”や“いのち”のことを考え、伝え、はたまた交流や体験の場を設けながら双方にとって一番良い方法を築いていくのが米屋の役割と思います。
双方にとって一番良い方法を築いていくのが米屋の役割と思います。
それには市場世界の概念を超えたヒトとヒトの心が通う関係づくりが大切と考えます。 |
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