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団員の一言1996-97
温州ミカンにがん予防の効果!
1日1〜2個のミカンが、がん予防に効果がある。

 98年5月13日に農水省・果樹試験場と京都府立医科大学などの研究グループが発表した朗報が、ミカン産地を元気づけています。

 市場でも販売時にのぼりで「がん予防効果」をアピールするものを見かけるようになりました。これらの写真は川崎市の果物店、DOS君提供です。

 そろそろミカンが本格シーズンに入ります。ミカンの何が、がんに効くの?という人のために、香川短期大学学長、北川博敏先生の了承を得て『果物月報』98年7月号より転載(一部省略あり)します。ことしはミカンをバンバン食べてください!

市場で見かける産地の幟(のぼり)やパンフレット、箱などでも「発がん予防効果」をPR(DOS君撮影)。

JA熊本果実連のリーフレットにも「1日1個の健康。がんの予防にみかんが見直されています」(豊福、肥のあけぼの)、「1日1〜2個で発がん予防 健康家族」(熊本みかん)とPRされています。新聞記事のコピーも刷り込まれています!

まじめな愛媛みかん 1日1〜2個で
健康管理(宇和グループの赤箱です)

JA熊本果実連

JA佐賀経済連

JA長崎経済連


- 温州ミカンに強力な発がん抑制物質 -

by 北川 博敏

 果樹農業の衰退に歯止めをかけるためには、果物を嗜好食品から健康食品に変える必要があります。脂肪の摂りすぎが問題になっている今が絶好の機会です。

 折も折、絶好のニュースが5月14日の新聞各紙に報道されました。それは農水省果樹試験場の矢野昌充室長、京都府立医科大学の西野輔翼教授らの研究グループが発表したもので、温州ミカンに含まれるβ・クリプトキサンチンが発がん抑制に大きな効果があるということです。皆さんも読まれたと思います。ミカンが売れなくて困っているときの発表なら良かったのですが、学会発表の前でこの時期になったようです。クリプトキサンチンはカロチノイドの一種です。カロチノイドは黄色-紅色の植物色素で果物や野菜に多く含まれています。その一つのβ・カロチンが、ガン細胞の分裂・増殖を防ぐ効果があることは広く知られていて、この物質を多く含むニンジン、カボチャなどの緑黄色野菜が発がん防止に効果がある理由になっていました。

 今回の発表はβ・クリプトキサンチンは、実験ではβ・カロチンの5倍の効果があり、特に低濃度で効果が大きいので、実際にも発がん抑制に大きな効果が期待されます。
 また、クリプトキサンチンはトマトやカキの果皮に多く含まれ、以前から発がん抑制効果があるといわれていましたが、そのβ型が特に大きな効果を示すようです。

ミカン1日1〜2個で有効

 柑橘類には発がん抑制効果があることは多くの疫学調査で知られています。アメリカではガンを抑制するために柑橘類を多く食べることが強力にキャンペーンされています。そして、その有効成分として、ビタミンC、カロチノイド、植物繊維などが分っていましたが、これにβ・クリプトキサンチンが加わったわけです。
 また、不思議なことにβ・クリプトキサンチンは温州ミカンに多く、1個のミカンに1〜2mgも含まれていますが、オレンジ類、グレープフルーツ、レモンなどには微量しか含まれていないようです。

 そして、前述のように低濃度でも効果が大きいので、1日に1〜2個ミカンを食べることで発がん抑制の効果が期待できると京都府立医大の西野教授が話されています。
 高松市の湯谷孝行氏が70年に初めてハウスミカンの収穫に成功しました。当初は8月上旬の出荷でしたが、井上宏香川大学名誉教授が根を冷却すると花芽分花が早まることを発見し、実用的には地中配管に冷水を流すことで4月上旬まで早めることができるようになりました。

 一方、12月に収穫した温州ミカンは3月末まで貯蔵して出荷されています。したがって、1年を通じて温州ミカンが出回ります。早期のハウスミカンは高価ですが、ニュージーランドからも少量ですが輸入されています。
 また、カロチノイドは比較的安定した物質ですから、β・クリプトキサンチンも果汁や缶詰でも有効成分は変わらないと思います。今までオレンジ果汁に押されていたミカン果汁の消費拡大も期待できます。
 β・クリプトキサンチンが、衰退しつつある温州ミカン産業に起死回生のホームランになることを望みたいものです。

口之津24号

 今回の発表で、もう一つおもしろかったのはβ・クリプトキサンチン含有量の多い柑橘の品種改良です。

 現在、すでに育成されている口之津24号は、林温州・福原オレンジ×アンコールから選別されたものですが、温州ミカンより2割ほどβ・クリプトキサンチンが多いようです。果実の大きさが200g弱で芳香があり、じょうのう膜が薄く、皮がむきやすく、糖度が13〜15%と高いそうです。いずれ新しい柑橘として市場に登場すると思います。
 果樹試験場では、この他にもβ・クリプトキサンチン含量の高い柑橘を育成しているそうなので、将来が楽しみです。
果樹農業の衰退に歯止めをかけるためには、果物を嗜好食品から健康食品に変える必要があります。脂肪の摂りすぎが問題になっている今が絶好の機会です。

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