| 離島のくだもの 97/09/25 |
| 都会は、ゴミゴミ、せかせかしているが、生活するうえでは「便利」である。24時間コンビニは当たり前、スーパー、各専門店も乱立し、いつしかそれが当たり前になり、空気のような存在になってきている。自分も果物屋から一歩出れば一般消費者で、あっちこっちの店を選び買っている。 ダイビングが趣味の自分は「島」へ渡る。ダイブ終わって宿へ戻る途中、必ず都会人の悲しき性(さが)で、島独特の「よろずや」或いは「なんでもや」へ寄ってしまう。コンビニの“御先祖様”にあたる、最低限何でも揃う店、そう、“学用品の横に衣料品、横に日曜雑貨、横に菓子類”などなど、置いてあるところだ。 日常を忘れるために来たのに職業柄「果物は?」と、ついつい探してしまう。 島文化をそこでいろいろ見ることができた。都会に無い独特の雰囲気を持つ「よろずや」さんに立ち寄って見たものはデラ、バナナ、すいか、巨峰くらいで、「最低限ありますよ」状態。新鮮な物が入手し難いという流通事情は知っていても、なんとも“さみしい”ものです。島の住人はこの状態を当たり前と思っているのか、こんなものだろうと諦めているのか定かでないが、やはり“さみしい”と感じる。 ダイブショップのご主人や地元スタッフとツーカーの仲だが、ある時「メロン食いたい、サクランボ食いたい、桃……」と冗談半分、たかり半分で、“おねだり”された(果物屋であるのが知られている!)。 島事情を把握していたので、家に帰って早速いろいろと果物箱に入るだけ入れて宅急便で送ってあげた(無論タダである)。「喜び」の返事はうれしさに満ちあふれたもので、こちらもうれしくなった。今でも行けば後日「お礼」として送っているが、喜びの度合いはいっこうに変わりない。 果物も「ところ変われば“受け方”変わる」。都会人は果物を、あって当たり前で「希少価値」など“どこ吹く風”。 島の人は果物を希少価値と捉え、珍重品として大切に扱ってくれる。何より果物を食べる喜びを感じてくれる。 どっちが果物にとって「幸せ」かといえば、うーん「島」かな? 島の よろずやさんって一回いくと30年前にタイムスリップしたみたいで都会に絶対ない「やすらぎ」を覚える「おみせ」で大好きです。 |