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dos11.jpg (12670 バイト) おらが、国さの、柿自慢。

97/12/05


  冬のこの時期、柿の加工品が出てくる頃になると、私の店の常連さんが「 おらが、国さの、柿自慢 」を始める。柿自慢の出身地を見ると「山梨、富山、福島」の3県、並びに、その県の直接間接の関係者。

 パッケージに自県のロゴが入っていると自動的に柿自慢を熱弁で喋り出す。その喋り方、顔の表情をチェックすると、自分がこれを作り加工した農家の人の如くに熱く語る姿は、他人事ながら、聞いていて「気持ちいい」ものです。
「ふと田舎を思っての熱弁か? 自分の古里のことを胸を張っての熱弁か?」

 そのどちらかであろうと推測できる。そして他の2県のそれについては「無視するか、おらの柿さが一番だ!と言うか」の二者択一である。
「柿」は郷土の誇りの産物かな?と感じる柿自慢ですが、ふと疑問に思うのはみかんも多少の「おらが国さの、みかん自慢」があるけれど「柿」ほどではない。寂しいことに、柿、みかん以外は「国さ自慢」は皆無である。

 何ゆえの「柿自慢」なのだろうか?
 師走だから?
 木枯らしが吹くと古里を思い出して、つい都会人に「国さ」を話してみたくなるのか?
 依然不明である。そういえば石川啄木の有名な歌で「ふるさとのなまりなつかし ていしゃばの……」があったっけ。

 話はちょっと飛ぶが数年前、英国の旅行者がわが店へ立ち寄り、典型的な英国紳士らしく、物静かに果物を見ていた。片言英語でコミュニケーション。

”Where do you come from?”
ボソボソと ”From England Riverpoor”
物静かに戻ったので、すかさず
”Riberpoor! Ah! BEATLES!”

 そこで、イエローサブマリンの冒頭の一節を歌うと、その英国紳士、急に陽気なアメリカ ヤンキーに変わり、ビートルズについて、誇らしげにビートルズ講を喋り出した。半分しか理解できなかったが、ビートルズ自慢をしていたのは確かであった。それも「嬉しそうに喋っていた」。推測するに「どうせリバプールなんて言ったって、わかりっこない」と思い、喋ったら、相手が分かって、びっくりしたって、とこだろう。これも「お国 自慢」と言える。

 自分が直接関わっていないけど、胸張って自慢できるものが「ある」人は無い人よりも、ちょっとだけ「しあわせ者」なのかなぁ。

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