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果物の値段 後編

98/07/07


前回に引き続き、くだものの値段について。

 くだものは、はっきり言って「高嶺」です。もう少し、なんとかできないのか? 答えは「できます」。これには、消費者の意識改革が必要ですし、小売屋の努力が ちと必要です。

 きゅうりをイメージしてください。真っ直ぐとくねぇっと丸まった商品、あなたは、どちらを選びますか?値段設定は100円の差で直線が高いとした場合、たいていの人は「まっすぐ きゅうり」を選びますよね。丸まった きゅうりはなぜ選ばれないかと言えば、ただ単に「料理し難い」。ただそれだけで、ちょっと高い、真っ直ぐきゅうりを選んでしまう。

 味は全く同じなのに……。

 くだものの分野でも同様なことが言える。冬から春にかけて出回る「いちご」全方向ビシーッと整列していますよね?ほとんど匠の芸術品。あれって手間暇かかるんだよねぇ、農家一家総出で黙々と並べる重労働。並べ方一つで買参人がぶーたれるし、相場に影響するので、しかたなく並べる。そこで、ばらばらにばらした苺と、ビシーッと並んだ苺、同数、値段150円安いとして、どっち選ぶ?

 そう、答えは「並んでいる」苺を選んでしまう。お使い物なら いざ知らず、自分で食べるのに、わざわざ並んでいるほうを選ぶ。原因は小売屋の説明不足と消費者の見栄と誤解が生じる消費。誤解とは、並んでいるほうが「おいしく」見えるという誤った認識。強いては無駄な出費。

 もう一つは、外見の「きれいさ」の追求。しみ、きず一つない完全無欠の物と、外見は見劣るが、中身は同じものがあるとする。人間で言えば両方優しい心を持っているが、ジャニーズ系とぶおとこがいた場合、大抵ジャニーズ系を選ぶ。わかるわかる。でもねジャニーズ系って競争率高くてライバルいっぱい、そう高嶺の華というやつ。一方 ぶおとこは誰もいなく、お買い得、となるよね。それと同様で、きれいさ求めると選果に手間かかるは、作るのコストかかるはで、結局高くなってしまう。

 これはひとえに、小売屋の説明不足(外見でなく中身だ!)と、消費者の見栄と間違った認識がおりなす、価格高騰の原因なのです。

 縦横並んでいない苺だって、表面がちと汚い果物だって味は変わんないよ。そりゃ人様へもっていく、手土産にはならないが、自宅へ帰って食べるのには、No Problemなのです。

 これを一番望んでいるのは、言うまでもなく「農家」です。農業従事者の高齢の身には細かい手作業が激減するのは朗報であろう。これが一般に受け入れられれば、やがて、ちゃんと並んでいなくても味には関係ないことが認識され少しは くだもの流通活性化するのでは?

 この不景気にバブリーな果物はミスマッチ。いつまでも見栄えのいい果物を追求していったら、そこにあるのは、果物の「虚像」で「実像」は無くなってしまう。バブルフルーツでは、いつまで経っても食卓に果物はでてこない。

 消費者の見栄えのいいフルーツ嗜好を取り去り、小売屋さんは、懸命に見栄え悪くても味には無関係を説明しながら、取り組んでいけば、やがて果物も食卓を賑わすことでしょう。

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