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フルーツショップ元気屋

 三重県四日市市栄町4-13

営業時間:9時から19時。年中無休。

日中は人がまばら、交通量の多い通りに面している。

伊藤貴美子さん


元気屋さんの果物目当ての目的買い

 JR四日市駅から約3分、駅近くの交通量の多い通りにフルーツショップ元気屋は面しています。創業は二十数年前ですが、創業者である先代とご主人が亡くなった後、伊藤喜美子さんは女手一人で店を大きくしてきました。

「祖父が、わしは元気や、100歳まで生きると言っていたので、店名は元気屋になっちゃった。77歳で亡くなってしまいましたけどね。初めのころは元気屋ですと挨拶しても、電気屋?と間違えられて(笑)……今では何も説明しなくてもフルーツの店だとわかってもらえるようになりました」

 朝夕はJRの通勤客が乗り降りしますが、日中の人通りはまばら。でも、フルーツショップ元気屋では、車で店の前に横付けして、買物目当てに入店してくれる客がほとんどなのです。「そうだ、果物でも買っていこう」という思いつきでなく、「フルーツショップ元気屋の品物を買う」と目的をもって来店してくれます。こうした車客と、電話注文による客が大半を占めており、メロンや贈答品がずらりと並んだ店内を見れば、贈答客が多いのがわかります。伊藤さん1人になって20年経つ中で、3回改装し、最新の改装からは7年経過していますが、店内はきめ細かに心配りされています。

広い店内は通路をゆったりととってある。中央の1個売りの果物も贈答に用いられることが多い。

奥にズラリとメロンが並ぶ。メロンとマスカットは元気屋が最も得意とする商品になった。

  売場面積は約83u、ゆったりした店内は、壁面に冷蔵ケースと贈答品棚、中央に1個売りの果物を陳列した楕円形の陳列台、奥がメロン類の陳列になっています。

「奥にあると高級感があると言われますけど、メロンは一番気に入っている商品なので、もっと風通しのよいところに置きたい。お客さんは買いやすいと言ってくださるけど、仕入れている感覚で見ると、このレイアウトはまだ気に入ってないんですよ」
 営業時間は朝9時〜19時。伊藤さんは毎朝5時には名古屋の本場市場へ仕入れに行き、9時半頃に戻ってきます。

 販売を担当するのは、弟の高橋忠信、いつ子さん夫妻とパート3名。忠信さんがサラリーマンをやめて店長として働いてくれるようになり、伊藤さんも安心して仕入れに専念できるようになりました。「全員が接客上手、向上心旺盛」と全幅の信頼をおいています。また、今年からは長男の元英さんも手伝い始め、配達やかご盛り、仕入れなどの仕事を覚えています。

「皆さんに助けられて」今日がある

 ――ご主人が亡くなった後、すぐ仕入れに行くのは大変だったでしょうね。

「店に座っているわけにはいかない、仕入れが肝心と行き始めたのだけど、最初は名古屋(市場)への道筋もわからなくて(笑)。息子を保育園に送ってから行ったのだけど、だんだん市場の様子がわかってくると、『これではあかん、もう少し早く行かなくては』と市況も見ながら、その日に競ったものを仕入れるようになってきました。

 私の所属する組合は果物専門の人が少なく、名古屋果協さんや仲卸さんなどに助けていただいて、ここまできたようなものです。見ようみまねで教わりつつも仕入れに対してはすごく勉強が必要でした。新しいものを仕入れるためには自分で確かめなくてはという感じになってきて、セリの時間までに行くようになりました。とにかく皆さんの助言のおかげです」

入口すぐ左手は冷蔵ケース。

冷蔵ケースの上と天井近くに観葉植物を配して安らぎを演出。

――周辺の果物店、競合店は。
「あったけど、やめちゃった。この店も10年くらい前に松坂屋百貨店が出ると聞いたときには悩みましたね。スーパーはいくら出てきてもこわくないけど、百貨店は進物で競合するでしょう。でも、元気屋さんじゃないといかんわ〜と言ってくださるお客さんが多くて助かりました」

 ――お休みは。
「年中無休。というのも、葬儀屋さん4〜5軒の仕事を受けているので、店の休みはないんですよ。こちらから、特に営業活動をしなくても、みんな向こうから持ちかけてくださった話なので、助かっています。結婚式も少々ですが、冠婚葬祭は取引先にそれなりに喜んでいただけるようにやっています」

 ――ギフトの状況はいかがですか。
「3000〜5000円が多いけれど、メロンが入ると8000〜1万円にはなりますね。メロンはどんなに高くなっても静岡産だけを扱っています。7〜8割は固定客です」

 ――バブルがはじけてからは、果物店経営もきびしいと聞いていますが、いかがですか。
「まぁまぁという感じで、踏ん張っています。お盆の頃はありがたいなぁと思うほど売れるのですが、9月に入るとちょっと落ち着きますね。ただ、店売りで落ち込んでも、結婚式の引き出物用がぼちぼち入ったり、葬儀用があるんで助かっています。葬儀の注文って、あるときには何カ所もまとめて入ってしまう。そんなときは総出になりますが、2階が倉庫なので、ひまなときに時期を見て、詰められるものだけ詰めるようにしています。今は1万円のかごが多いですね」

  ――今年の桃は、味がいま一歩と各地で言われていますが、こちらではいかがでしたか。
  「山梨、飛騨、信州、岡山と扱っていったのですが、うまく産地を切り替えたせいもあって、おいしいのがあたったみたいです。ただ、岡山はちょっと不評なものがありましたね。9月に入ってから福島の桃がおいしいと聞いたのですが、残念ながら名古屋には入らないんです」

 
――最後に専門店としての抱負を。
  「量よりも質で、おいしいものをお客様におすすめしています。その点で、産地が早出しをするのがよいとなると、私たちも追っていかなくてはならないのでしょうが、やはり味がのった状態で完熟した果物を出荷してくださると安心して販売することができます

 これまで、ただただ一生懸命いいものを売るだけに専念してきて、特に営業活動をしなくとも先方からのお話が多かったのですが、これからはもっと営業面を強化していきたいと考えています」

贈る人の気持ちを考えて、よりファッショナブルに。包装資材なども数多く取りそろえて、お客様の要望にこたえている。