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吉田果物店 -2-

 


店はクローズタイプで、2カ所に入口がある。

店頭ガラスに接して、西瓜やゼリー類を陳列。


いい品物を売ることが長続きの秘訣

 
――店の品物を見ると、季節を先取りしたものや高級な贈答用需要のものが多いようですが。見舞い用が多いですか。

「90%はおつかいものだね。そのうち葬儀用が半分くらい占めている」

 
――仕入れはどこで。

「毎朝岐阜市場に行く。昔はメロンだけは名古屋の市場で買っていたが、今は岐阜でほとんど間に合う」

 
――入口は自動ドアになっているのに、開けているんですね。

「自動ドアって途中でしまるでしょ。お年寄りが来たりするとはさまれたりして危ない。こわいのでなるべく開けています」

 
――入口にはゼリー類が多いですね。

「この頃病院見舞いでも結構出るようになったね。生だとすぐ食べないといけないけど、ゼリーだと長持ちするからよく売れる」

 
――それと、メロン類が多いですね。

「うちは浜松も高知もなんでもおいている。雑メロンの時期はこれだけで手軽なギフトになるから、人気があるね」

 
――これだけ並んでいるということはこれだけ売れるということですね。

「ほとんどギフトだね。午前中はたいていひまだけど、土曜日はめちゃめちゃ忙しい。店売りはほとんど常連さんばっかり。皆さんしょっちゅう買いに来てくれる。でも、葬儀用をすると、店を飾ることがなかなかできないのが悩みで……」

 
――西瓜も丸で置いている。
「うちは切らないで丸のまま。車でもっていく人が多いからかな。西瓜は暑い日には売れるけどね。後天候を見ながら仕入れをしている。雨が続くと桃はまずいからね」

 
――紀州の梅干しまで置いてある!

「親父さんが食べているなら、というのでレジ前に置いておくと、これがよく売れるんだ(笑)」 

 
――見ていると、高額に買う人が多いですね。

「病院に近いからかもしれないけど、お医者さんが多い。今は全部カゴの倉庫になっているけど、以前は2〜3階を貸事務所にしていて、医者の組合事務所が入っていた。その関係もあるかもしれない。市民病院に入院したときも先生がみんな心配してくれた」

 
――ギフトに力を入れているだけあって、包装資材が充実していますね。

「特注のオリジナル箱も用意しているし、名前入り箱を使わないときは、シールを貼るようにしている。どの店から届いたのか、わかるようにしている。それだけ品物には自信がある」

 
――葬儀のかごはいくらくらいが中心ですか。

「今、2店と取引していて、外税で1万2000円と、内税で1万3000円と決めています」

 
――葬儀かごは1日どれくらい作りますか。

「余裕があったときは1日で30〜40やったこともある。今もコンスタントに注文が入るけど、やりきれないときは断るので、少し数は減ってるかな。葬儀関係は、葬式後が大切。初七日以降、法事が3年、6年と続く。だから、3週間先まで予約が入っている。仲間の果物店も2店に増やした」
お客様から見舞いをもらった幸せ 

オリジナル包装紙はパイン柄。メロン箱を包んだところ。

オリジナル箱は店のマーク入り。

 ――これからは。

「長男は畑違いのところに勤めているので、後継者はいない。若い人で果物店をやってみたいという人がいたら、任せてもいいと思い始めた」

 
――病気をして何か変わりましたか。

「一番うれしかったのは、お客様からお見舞いをもらったこと。ふつうなら予想もできないことなので、びっくりした。それに、商売をやめようと思っていたのに、皆さんから励まされた。本当に、うれしく、ありがたかった。

 商売はもちろん儲けて売らなければいけないけど、お客様にしても、取引先にしても、長いことつきあおうと思ったら、本当にいいものを売っていかなければならないと改めて思った。品物がいいから、とお客様が納得してくれている。まだ60代、元気な限り、果物店を続けていきたい」

ギフトが9割、うち葬祭用5割