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トップフルーツ八百文

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〒466-0843 名古屋市昭和区菊園町2-30(取材時の旧店舗)
パーラーは7:30〜19:00、月曜定休

新店舗 住所 : 名古屋市瑞穂区汐路町1丁目5
地下鉄桜通線「桜山駅」4番出口より徒歩7分
TEL : 052-852-0725
営業時間 : 7:30〜19:00 (L.O.18:00)
休業日 : 月曜休

 

農家の6人兄弟(男5人)の3番目に生まれた。生産者と消費者との橋渡し役として、果物の素晴らしさを訴え続ける。毎日果物を食べ、「健康には絶対の自信があります」

 トップフルーツ八百文 (アスナル金山店) の紹介

 トップフルーツ八百文が隣の店を買い取ってパーラーを始めたのは1999年である。以来、多くの話題を提供してきた。「果物だけならばこんなにマスコミに取り上げられることもないですよね」。鈴木和子さんがいうように、インターネット検索で「パーラー」を調べるとテレビ局などを含め、いろいろなページで紹介されている。どれもおいしいからオススメという評価なので、名古屋のパーラーに行きたいという人には訪れる価値はあるだろう。

 「果物売場で熟れ頃のフルーツを惜しみなく使っている」というメニューが好評で、大皿に惣菜が10品目以上付きフルーツの前菜とデザートが付く「おまかせランチ」(フルーツの懐石料理)、夏はフラッペ、午後のティータイムは30種類以上揃うフルーツジュースなどがよく取り上げられている。

 名古屋といえば有名なのはおまけ付きのモーニング。トップフルーツ八百文のおまけはちょっと違う。厚切りトーストに滋養卵のゆで卵、季節のフルーツカット盛り(フルーツ200g分)が添えられていて315円。飲み物代だけでこれだけのおまけがついてくる。また季節の野菜や果物を使ったランチコース1050円も常に予約待ちという人気になっている。

 最寄り駅は地下鉄桜通線桜山駅4番出口から徒歩7分。閑静な住宅地にある。

 訪問したのは日曜日の開店早々だったが、来店客がひきもきらない。一人暮らしのお年寄りや、これから仕事に出ていく人などがモーニングセットを頼む。健康に気を遣っているのか、男性が多い。中には老夫婦2人や家族4人で車でやってくる人たちもいる。

 90年に初めて訪問したときにはまだ果物売場だけだったので、お客さんが入れ替わり立ち替わりということはなかった。鈴木さんはフルーツコーディネーターとして、注文を受けて陶芸品にフルーツを盛りつけるなどユニークな活動をしていた。現在も当時のように名古屋市中央卸売市場本場婦人部連合会会長として活躍しているが、果物売場にはあの当時見かけたフルーツの素敵なアレンジメントは見受けられなかった。

 「もう、そんなことをしている時間がなくて……」と笑う。幸いにもパーラーは長女の直子さんが調理責任者となって取り仕切ってくれている。鈴木さんが長年取り組んできた「果物と健康」というテーマにそって、様々なメニューを考案する。パーラーを始めて以来、新しいお客が増え、パーラーの果物がおいしかったからと果物を購入するケースも多くなった。

 パーラーが大評判になり、2005年3月10日には中区金山1丁目にアスナル金山店をオープンさせた。

 果物売場の責任者は経験15年のベテラン吉田早苗店長。鈴木さんは店に出ている時にはお客さんにあれこれ声をかけるが、そのほかにも「果物と健康の伝道師」的な役割を果たすために学校関係者や消費者向けの講演に出かけ、産地を足繁く訪問して卸売会社との橋渡し役も務め、果物店の女性たちを組織して果物普及の活動をするなど、生産から消費までフォローして様々な取り組みをしている。

 こうした取り組みから鈴木さんが確信しているのは、「21世紀は果物の時代」ということである。なぜ、そう考えるのか。鈴木さんに果物へのエールを語ってもらった。

名古屋でパーラーといえば、店名をあげられる店の一つ。2005年8月頃、新店が完成する
空き店舗をパーラーにそのまま活用したので、古めかしい店ながらも取り組んでいることは一歩先を行く。隣の果物店と中でつなげている 
家族連れや若い人も多い
フルーツ200gが添えられる
長女の直子さん(左)、足立真美さん、
本店、金山店のパーラーを担当
この日は高級マスクメロンを特売し、次々に売れていた
店内には花が多く飾られている
果物売場吉田早苗店長
 
  (有)八百文(トップフルーツ八百文)鈴木和子社長

 ――果物と栄養についての関心はいつ頃から?
 ◆昔から関心は高かったのですが、今のままではいけないと前向きに働きかけるようになったのは高木健太郎先生(1990年逝去)にいろいろお話を伺ってからです。

 高木先生は新潟大学から名古屋大学教授、名古屋市立大学学長を経て参議院議員になり、献体法の制定に尽くされた方です。体温調節研究で世界的に有名ですが、予防医学の観点から子供たちや若い人たちの健康について心配されていました。

 本を小脇に抱えながらうちの店にいつも来店し、君が笑顔でしていることと、僕の予防医学の研究は同じだからねとおっしゃってくださり、果物屋としての特別な使命をいただけたという気がしました。

 それで、こういうパーラーも果物のPRのためにやっているんです。ゴミが出て大変だし、朝早くからすごい努力しているんですよ(笑)。フルーツ200gは季節に応じて果物が違います。200gならばこれぐらい食べればいいのだという目安が分かるし、フルーツを残す人はほとんどいません。果物の好き嫌いがあっても、わがままを治しちゃいます。お客様に旬の果物のことや果物が健康維持にどれだけ役立つかなどの情報をお伝えするのも使命だと思っています。

 ランチでは前菜にフルーツを出しますが、食事の前にフルーツが入る方が体の活性化という意味ではいいんですよ。おなかがすいている時の方が吸収が高まります。

 でも、不思議ですよね。毎日ブルーベリージュースを飲んでいたら、めがねをかけないで新聞を読めるようになったとか、頑固な便秘だったのに快食快便になったとか、体調や高脂血症がよくなったとか、体験発表してもらいたいぐらいに、みなさん、体の調子がよくなっているんです。フルーツは本当に体にいい、この素晴らしさをもっとアピールしてほしいと思います。
 
 ――核酸入り生ジュースというのは?
 ◆核酸は細胞の壊れた遺伝子を修復する働きがあるといわれ、これから最も注目されるはずです。一番核酸の含有量が多いとされるサケの白子から抽出したジュースを毎日飲んでいるのですが、何年か飲んでみてすごく体の調子がいい。だから、果物と核酸をテーマに新しいメニューを作ってみたいと思いました。

 アスナル金山店周辺はサラリーマンやOLの人が多く来店すると思うので、そういう人たちにも健康に気を遣ってほしくて、メニューにとりいれようと考えました。うちのジュースは、どれも健康元気印生ジュースなんです。

 ――これから果物業界はどうしたらよいのか?
 ◆果物が将来的にだいじょうぶと思ったのはビタミンCの第二の発見者といわれるポーリング博士の対談集や医学書等を読んだからです。それに「21世紀は果物の時代」と書かれていて、生命力あふれる生活をどうしたらよいかを学びました。それから基本的に果物に対する考え方が違ってきましたね。お客様に果物を食べて本当にパワーが出てきた。元気になったと言っていただけるような、地域の灯台みたいな店になりたいと思っています。そうしたら、よろず悩み事相談所みたいになってしまいました(笑)。

 ――フルーツのよさを普及させていますね?
 ◆この間も県立高校の校長先生方や家庭科の先生が180人集まってきたところで講演をしました。この時に「くだもの200g」運動のリーフレットを配り、ハンバーガーやスナック菓子をやめて、おやつに果物を食べようといったところ大拍手でした。そして、果物がこんなにスゴイとは知らなかったと言われました。栄養学に詳しいはずの家庭科の先生方も果物の素晴らしさをご存じなかったのです。北川先生がいつもおっしゃっていますが、子供たちにこそ果物をたくさん食べてほしいので、もっともっと先生方やおかあさん方にお知らせしたいと考えています。

 ――それを実践しているのがこの喫茶店?
 ◆隣の店がやめてしまって1店やめると歯が抜けたみたいに寂しくなるのでやってよと言われ、パーラーをやることにしました。でも、チラシを配ったりして店の存在を知ってもらうのに苦労しましたよ。5年位前は家族でジュースを飲むということはしなかったですから。今はインターネットのお店情報などで「あの店は道を聞いたら親切だったので帰りにジュースを飲んでファンになった」とかいろいろ書き込まれるので、口コミで新しいお客様が増えています。また、会合用やパーティ用にカットフルーツの注文も多くなりました。
 
 ジュースをしたことによって若い人や男性など、果物に縁遠かった人が結構来てくれます。同時に、果物売場にも誕生日のプレゼントにしたいなど様々な用途で足を向けてくださるようになったので、すごくありがたいと感謝しています。

 ――忙しい中にも市場の仕入れは毎日?
 ◆もちろん朝から仕入れにも行くし、産地にも行っています。この前愛知県のイチジク産地へ行った時に、生産者の人が「イチジクを完熟で収穫できないのが悲しい」というのです。スーパーの指示により4日くらい前にとらないといけないので、収穫の喜びが感じられないとか。だから、その日に収穫したものをその日に売りますよと言ったら喜ばれました。ミキサーを持参して皮ごとジュースを作って生産者に飲ませたら、その味に感激していました。

 完熟品を届けてよ、そうしたら私たちが販売するからといって卸売会社に働きかけて販売しました。

 消費者は1パック500円出してもおいしければ感動して次も買ってくれます。安くてもまずいものは買いません。おいしくて感動して体によい果物を売ることが大事。
 いつも一定の味のスナック菓子に勝つには、少々贅沢でももう一度買いたいねというような、感動できる味を提供しなければだめです。完熟で収穫することが最低条件になってほしいと思います。日持ちの点だけ考えていてはだめです。中途半端だとかえって傷みやカビが早いこともあるのですから。

 産地を歩いていると、よい商品に巡り会えます。それで、卸や仲卸と話をつけ、荷が入ってきても品物が余るということはないようにしています。産地と密なので荷受にも顔がききます(笑)。30年ぐらい産地に顔を向けながら生きてきましたから。先取りや予約相対だってスーパーだけのものではない。専門店も活用すればいいんです。スーパーの対応ばかりしていたら、卸も仲卸も生き残れないよと言っています(笑)。専門店が力を発揮し出したら、絶対に強いはずです。

 ――産地には消費者も連れていっていますね。
 ◆婦人部会でお客様をまじえた産地との交流を企画します。産地へ一緒に行ったということが親近感につながるし、私たちが産地と交流しながら仕入れをしているということを分かっていただけて、その後進物などで深くつきあいができます。参加している店はすごく伸びていますが、こうした試みを積み重ねることが地域に根差した店づくりだと考えています。遠方からのお客様もありがたいですが、基本的には地域に貢献できる店を目指しています。

 個人で産地に行ったり、婦人部の交流会、小グループのセミナーなどを含めると月に1回以上は必ず何かやっていますね。講演会にはミカンとバナナをもっていって「これがフルーツ200gの摂取していただきたい量です」といってお土産として持ち帰ってもらいますから、持ち出しの方が多いぐらい(笑)。どこへ行くにもミキサーをもっていきます。
 「果物は21世紀を救う」と提唱される北川先生と同じ思いです。

 ――生産者、果物店へ伝えたいこと。 
 ◆果物が高値になって果物離れが助長されています。生鮮食品の国内生産は40%を切っていますが、国内生産80%を目指してもらいたい。生産者にはいつも「命と健康を守っている食品を作るという素晴らしい使命がある。農村が緑にあふれ、果実が豊かに実ることが日本の豊かさにつながる」ということを訴えています。

 産地や消費地で果物に関係しているのは女性が多い。だから、物流も女性の感覚ですればよいと思います。

 果物を食べるだけでいいんです。それだけで元気はつらつになるんです。そのことを全国の果物店のみなさんがアピールしてほしい。そして、自分が果物を贈られた気になって販売してほしい。相手の気持ちに立って販売するということ。高いお金を出しても納得してもらえる商品、感動する商品を小売店が販売してこなかったということが頭打ちになった原因でしょう。それを基本に戻せば10倍は伸びると思います。
 

 アスナル金山店のパース。
 3月10日のオープンでは各種ジュースやクラウンメロンをサービス価格で提供した。生産者も応援にはせ参じ、大盛況。開店チラシは4月末まで100円割引券を付けた。
 
 トップフルーツ八百文(2005年4月19日)
 

041121