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以下の内容は、豊後高田商店街を訪ねて見聞きした個人的な感想です。 

私的商店街紹介・豊後高田「昭和の町」5

大分県豊後高田市

 

 第15号館 はかりや〜第1号館 安藤薬局   繁盛店の招き猫も見てください。

■15号館 はかりや 
 創業年代/慶応3年
 建築年代/昭和3年
 
一店一宝/1升量り売りの醤油かめ

 はかりやは慶応3年(1867年)の創業。この年は徳川慶喜が大政奉還をした年で、各地で農民一揆が頻発していた。翌年は明治時代に入るから世の中はかなり騒然としていたかもしれない。
 
 ここは看板だけ替えたが、表の戸は変えず、中に入ると昔ながらの事務所の体裁をとっている。

 ところで、この店の前でガイドの藤原さんから、「さて、店の前のピンクの大きな輪は何に使うのでしょう」と質問があった(右上の写真でいえば、右側の白い部分の上あたりにある)。
 
 うーん、わからない。昔、牛や馬を連れて買い物に来ていた客が、それらを輪につないで待たせておいたなごりだそうだ。上のほうについているので、ある観光客は、「これはキリンつなぎだね」と言ったそうだ。見学しながらこれだけウイットがあるといいですね。とにかくこの店に来たら、店頭も要チェック。
 
 昔は工場も併設していたが、噴煙が上がるので現在は別場所に移り、ここは事務部門と販売部門だけ。といってもメーカーだから、あまり一般小売はしないらしい。案内書には「昭和30年代、各家が一升瓶をもって量り売りの醤油を買いにきていた頃の方がリサイクルが発達していた」と書かれているから、この近くの人は買いにきていたのだろう。

 しょうゆ、もろみ、みそを扱っているが、みそは農林水産大臣賞を受賞した限定もの(長期熟成麦みそ500g500円、合わせみそ1kg450円)を販売していた。地方に出ている人に故郷から送ることも多いという。

いまは遠くの人からの注文が多く、発送するのが追いつかないぐらいです。昭和の町に加盟してもうちあたりの商売は直接売上げに影響はありませんが、それでもいままでとは違いますね。これから結構おもしろみが出てくるのではないかと思います。各方面からのみなさんと出会って会話があるので楽しいです。
  

 【おかみさんの金谷さんの話】
 うちはメーカーなので、あまり小売は頻繁にやっていなかったんですよ。若い人はスーパーを使うので、昔からの定着したお客様がほとんどでした。今は、「土産に買って帰ろう」という男性観光客が増えました。農林大臣賞をいただいた味噌は、色が濃くなるので、冬季限定で出しています。

 ほかにも手軽にお客様が求められる商品があればいいのですが、これから徐々に考えていきたいですね。私どもも旅行したときにはそれほど高いものは買わないでしょう。手軽に買えて、旅の記念になるものを何か考えたいと検討中です。 

 ところで、うちは、中津市でギャラリー茶論 蓬莱観をやっています。今日はバイオリンのジャズ演奏会があるので、庭をライトアップし演奏は茶室で行います。中津のお城のすぐ近くですから、中津へ出向いたときにはお立ち寄りください。

(ここは、アルミサッシなど入れると雰囲気が壊れるので昔のままだそうだ。桜の時期に入ると、座敷は建具を外してしまう。リーフレットの表紙は桜の写真で、見事な風景だ)。
 

■1号館 漢方の千草堂 安藤薬局
 創業年代/明治35年
 建築年代/昭和初年

 一店一宝/「漢方薬の薬研と薬袋」「入れ薬の柳ごうり」
 一店一品/家伝漢方の煎じ薬など

 ここは昔旅館をしていたそうだ。そう言われればそれらしい構えにも見える。安藤薬局は第1号館。なんでも一番というのはいい。 漢方薬を作るときに用いる薬研と薬袋がお宝としてショーウィンドーに展示されている。2代目の安藤哲男さんがインフルエンザの薬を漢方薬で作り、自分の名前をアレンジした名称を付けた薬を販売し、とてもよく効いたそうだ。
 「越中富山の入れ薬の柳ごうり」や「昭和思い出の珍品たばこ」(若葉、しんせい、ゴールデンバット)などが飾られ、タバコは今も売っている。3代目の安藤又郎先生がつくっている薬を試飲したら、ニッキの味がしておいしかった。フーン、漢方薬って飲みにくくないんだ〜と妙に感心しながら、店内を見回す。
 
 「中も昭和の時代そのままに残っています。針金全部当時のままなんです。いまは電気の線も全部天井に隠してしまいますが、ここは全部表に出ています。こんな柱は今なかなか使いませんよね。タバコは結構人気があるんですよ」

 藤原さんが次から次へと説明してくださるが、創業年代と建築年代をすべて暗記しているのには驚かされた。ボランティアの案内役というのに、プロに徹しているので頭が下がる思い……。
 
 そうそう、安藤薬局の壁に手書きで、次のような文字が記されていた。もしかしたら、こういう病気の人もいるかもしれないので、参考までに。

「ガン細胞とは血液の酸性反応に対して耐性を獲得した細胞のことだ。二木謙三博士」

「一粒の種子が川に落ちた。流れて着いた処が肥沃の地か瓦礫の地かでその種子の運命が決まる。ガンを育てる体からガンへの肥料(酸性)を除き去り、血液を正常なアルカロージスになし得たときガンのみでなく、どんな病気も消滅するのである。
 ジョージ・クライル博士」


いかにも由緒ありげな薬局


一店一宝のコーナー


昔ながらの調剤室


3代目の安藤先生


見ているだけで楽しい


昭和の思い出の珍品たばこコーナー