「10年前埼玉の業者に1300万円詐欺にあったんです」というのは、秋田県平鹿町の佐藤実徳さん(2000年9月死去)。オリジナル商品が大手新聞に紹介されると、「サンプルを送れ」と電話が入った。
早速サンプルを送ると、「これはおもしろいから売れる」といって、5、10、30ケースと注文が続く。「そんなに売れるのか」と佐藤さんは半信半疑。さすがに100ケース(1000万円分!)の注文があったときは、友人と一緒に荷物を届けに行った。
すると、事務所もあり、倉庫には青森産や秋田産の加工品が山(本当は同じ手口でだましたものばかり)と積まれていたのですっかり安心してしまった。
「支払いは90日サイトの手形で」といっても期日がきても支払われない。矢の催促をしてつかまされたのは300万円の空手形だった。相手ははじめからだますつもりだったのだ。
以後、佐藤さんは大口取引はデータバンクで調べてもらうことにしている。授業料にしてはあまりにも高かった。
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| 詐欺商法-2- 盗んだ品は安売り店へ
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佐藤さんの話の続きである。
おかしいなぁと思って品物をもって訪ねていっても、おかしくないのだと思わせるところが詐欺師の手だそうだ。
商談室で話をしたところ、社長は大手商社を退職した人というふれこみだった。ところがいざ小切手が不渡りを出したとなると、どんなに電話をしても社長と連絡がとれない。やっと居所を聞き出すと、「京都の病院に入院している」という。なぜ埼玉の人が京都なんだ、と病院まであたったが、確かに入院はしていても、すでに倒産していてはどうにもならない。
さて、だまされた品物がどこへ行ったか。同じ被害にあった産地に連絡をとり、ロット番号で行き先を調べたところ、あるディスカウンターで販売されていたことがわかった。だますほうは「ただ」でボロ儲けし、仕入れる側も知っていて買いたたくというわけ。これは両方が悪いよね。
善良な生産者をだますな!
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| 詐欺商法-3- 乗り込んだけどらちがあかない
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あるお茶の生産組合は10万円の詐欺にあった。はじめは数千円、次には「法事に使いたい」と10万円分の注文が入った。だが、支払う段になるといくら催促しても入金されない。
だまされたと気づいた組合長のYさんは、東京出張の折、訪ねてみた。すると、該当する住所の社名は違っていて、留守番の男性が「知らぬぞんぜぬ」とシラを切るだけ。そこへ偶然50万円だまされたという人も乗り込んできて、2人でだました張本人を待ち続けた。
結局、その人物は現れず、2人は警察に被害届けを出して戻ってきた。「うちのお茶は味と安全性をアピールしてこそ売れる。安売りで売れるものではないから、たぶん袋を入れ替えるだろう。それでは採算が合わないはず」。Yさんはそう思って溜飲を下げたそうだ。
安売り店に売りさばけるからだますのか。だとすれば安売りは罪なことである。まじめに仕入開拓している安売り店もあるだろうに。
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| 詐欺商法-4- そして組合はなくなった
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宮崎県須木村の須木村開拓農協は、クリという単一作物を生産する農家で構成されている全国唯一の農協だった。加工を手がけて、品質のよい商品を数多く生み出していた。
山田英一組合長は、特産のなかった須木村にクリを植え、地域おこしに努めてきた。だが、長年にわたって継続させてきた組合事業は詐欺というひきょうな商法にひっかかって99年夏終わりを告げることになった。数百万円の負債を抱え、組合を精算することになったのである。
そのことを告げる山田さんからの挨拶状の行間からは静かな怒りがにじんでいた。山田さんは特産品を販売する村おこし施設で再出発した。これまで実績を積み上げてきた加工品の数々は、製造元が変わって加工、販売されることになった。
詐欺をする人たちは何も良心の呵責など感じない「不幸な」輩だろう。だまされる側で防衛していくしかない。
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商標のチェックの落とし穴
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有限会社生化学研究所というところから、柿関連商品として紹介している「柿茶」の名称について忠告のメールが来た。
要は『柿茶』並びに『KAKI-CHA』という名称は、同社の登録商標であるので、その旨を明記するか、または「柿茶」の表示を控えてほしい、一般名称としてならば「柿の葉茶」「柿葉茶」として表示してほしいというものである。
知らなかった。でも、生産者(製造者)は「知らなかった」ではすまされない。地元の産品を使って、農産加工を手がける人たちも、ネーミングの段階で商標に関してチェックしておく必要がある。商標が取得されているのに、その名称を付けて販売・広告宣伝をするという行為は商標権侵害として禁止され、容器等の廃棄を命ぜられる場合もある。
特許は製造に対してだが、商標は販売に対して、守られるべきもの。ネーミングのときには、商標チェックをお忘れなく。-2000/6-
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