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MINTの400字コラム 特産品の取材を通じて気がついたこと、特定商品のコメントとしては記せないことなどを書いていきます。特産品作りに、販売の一助に、と願うため、ちょっと辛口なところもあります。 |
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生産者の方気をつけて編 |
| 「10年前埼玉の業者に1300万円詐欺にあったんです」というのは、秋田県平鹿町の佐藤実徳さん。オリジナル商品が大手新聞に紹介されると、「サンプルを送れ」と電話が入った。 早速サンプルを送ると、「これはおもしろいから売れる」といって、5、10、30ケースと注文が続く。「そんなに売れるのか」と佐藤さんは半信半疑。さすがに100ケース(1000万円分!)の注文があったときは、友人と一緒に荷物を届けに行った。 すると、事務所もあり、倉庫には青森産や秋田産の加工品が山(本当は同じ手口でだましたものばかり)と積まれていたのですっかり安心してしまった。 「支払いは90日サイトの手形で」といっても期日がきても支払われない。矢の催促をしてつかまされたのは300万円の空手形だった。相手ははじめからだますつもりだったのだ。 以後、佐藤さんは大口取引はデータバンクで調べてもらうことにしている。授業料にしてはあまりにも高かった。 |
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| 「地上」誌の特産品紹介は産地に質問項目を記した質問票をFAXして、折り返しFAXで返信があったものにつき補足取材をして記事にしている。写真は郵送でお願いしている。 このときの締切のタイミングが難しい。1カ月先だと忘れられてしまうし、日数がなくても「忙しいから」と断られてしまう。それで、依頼の電話をして1週間後を締切にすることが多いのだが、全品目が集まるまでは冷や冷やものである。協力してもらえるか、再確認の電話を入れ、OKの返事をもらえたときには「やった〜」と舞い上がってしまう。 「今月は穴があいてしまうかもしれない」と思うようなことがあっても、この4年間何とか毎月揃ってきた。取材しているときは、全品目好きになってしまう。学校の先生が生徒にえこひいきをしてはいけないような気がしてくるから不思議……。そして、どうか注文が来てくれますように」と祈ってしまうのだ。この祈り、届いているのかなあ。 |
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| 「ニンニクでいままで扱った商品を教えて」「紹介された酒と菓子を知りたい」 「JA○○の商品紹介のページをFAXして」 特産品紹介を続けていると、様々な問い合わせがある。中には全部コピーを送れ、などという要望もある。編集部というところはコピーを揃えてくれて当然だと思われているみたいだ。かくて、コピーとりの無料奉仕することになる(ちなみに私は時給ではない!)。 でも、「ことしはうちの○○が不作になってしまったが、待っていてくれる人のために加工品を作らないわけにはいかない。どこか産地を教えて」といった問い合わせだと陰ながらお役にたてたようでうれしくなる。先方も感謝の言葉を返してくれるからなおさらだ。 数多くの問い合わせにも「ホームページを見てください」と一言いえればと思って始めたけれど、問い合わせをしてくる人がみんなインターネットを利用できる環境にあるとは限らない。あーあ、世の中うまくいかない。 |
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| なぜその商品が売れるようになったか。また、現在売れているかの自己分析を「ヒット要因」として紹介している。 「おいしい」「催事で積極的に販売」「マスコミが掲載」「役職員が贈答に利用してPR」「口コミ」「リピート注文」。こういった要因は、よく登場してくる。 あるとき「この項目は似たようなものばかりだけど、意味あるんですか」と聞かれたことがあった。ある、ある、大あり! 当たり前に見えることでも、その積み重ねこそが売れるためのノウハウになるのである。これは商いをしている人には容易におわかりいただけるだろう。いくらいい商品でも「売り方」がうまくなければ売れない。 実感したのは、商いの基本は変わらないということ。売れるノウハウに加えて、自分の商品に合った販売方法を工夫していけばいいだろう。本当にヒットしたか、それが持続しているかどうかの確認がとれないのが残念だ。 |
| 特産品であるからには、地域に根ざした情報がほしい。このためメッセージ欄には地域の情報をなるべく入れるようにしている。産地の人がデータ用紙に書き込んでこなかった場合には、自分で調べている。 このときにフル活用しているのが「NHKふるさとデータブック」だ。全国の役場から情報収集してまとめた労作らしく、内容が膨大な量である。10分冊くらいになっているが、これらがCD-ROMにまとめられればすぐに購入したいぐらいのスグレ本だ。 これを読み始めてから、各地域の特徴がよくわかり、特産品は「地域」にしっかり根ざしてPRすべきだと考えるようになった。学生時代は地理が大の苦手だったのに、地震があれば「○○ワインのところだ」、テレビでひまわり畑が映し出されると「北竜町はひまわり油!」とクイズ回答者のように浮かぶ。 ホームページで特産品のページといえば、すぐ販売に直結しているのが残念だ。 |
| ほしい情報は読む。だが、自分にとって不必要ならばたった1行でも読まない。だから、特産品を買いたい人にとっては詳しい情報のほうがいいはずと考えたのが、商品情報、産地からのメッセージ、生産量、ヒストリー、ヒット要因など、たくさんの項目となった。特産品の紹介はいまやあふれかえっている。その中であえて紹介記事にするならば、何か特徴を出さねば意味がないと考えた。 ホームページの構成でいえば、上の段が買いたい人にとっての情報、下の段が今、特産品を作っている人、あるいはこれから作るので参考にしたい人に読んでもらえるように意図した。雑誌では商品の写真をはさんで、左が1ページ目の情報、右が2ページ目の情報になっている。 だが、「ヒストリー」を読んで買う気になったという声を聞くと、内心うれしい。経緯や苦労話などに共感を覚え、商品に興味がわくのだろう。モノづくりであっても根本は「ハート」へのアピールが大切なようだ。 |
| 商品を受け取ったが、請求書が来ない。箱の中には入っていなかったが、おかしいなぁ、忘れたのかなぁ。こういうときに、良心的な私は先方に電話をしてみる。すると、「宅配便の箱の上に貼ってありませんでしたか」と言われてしまった。 まだとっておいた箱をみると、あった! 宅配便の伝票の下に封筒に入れて貼ってある。よく電気製品の箱の脇に保証書がついてあって、うっかり箱ごと捨ててしまいそうになるが、あんな感じに請求書が貼られていたこともあった。うーん、気がつかないほうが悪いのか。 請求書は確実に相手に届かなければいけないのだから、商品に添えるときには箱の中に入れてほしい。請求書を後送してくるところもあるが、ある企業のものは、DM封筒とは区別して、「請求書」と書いたピンクの封筒で送られてくる。こうすると、郵便物の中でも目立つので効果的だ。でも、請求書の郵便料がもったいないと思ってしまうのは私だけだろうか。 |
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| ある産地に注文をした。でも、電話をかけてたらい回しにされるといやなので、FAXで出した。すると、ウンでもスンでもない。逆に、ちゃんと届いただろうかと心配になってくる。そりゃ、そうだよね。注文したその日に発送してくれていれば、当然到着する日に届かない。うーん、だいじょうぶかなぁ。 すると、日曜日に無事到着した。そっかぁ、不在かと思って在宅の可能性の高い日曜日着に配慮してくれたんだなーと、自分に都合よく解釈する。さて、支払手段は、とみると、「農協振込」しかない。予め農協振込の場合はどうすればよいかを問い合わせておいたが、郵便局で振り込めると付記されていた。だが、郵便局では「うちからは振り込めません」とつれない返事。そこでやむなく現金書留で送金をした。 特産品の地方発送を大々的にやろうという農業協同組合さん、一般の人は「農協振込」というだけで怯えます。他の選択肢も選べるようにしておいてくださーい。 |
| 行楽に便利だという商品を続けて2回頼んだことがある。先払いだったので、先方の言う運賃をプラスして料金を振り込んだ。 すると、2回目はさほど時期をあけずに頼んだのに、料金が違うではないか。たぶんどちらかの運賃計算が間違ったと思うのだが、そういうとき、客はどう考えるか。 「運賃を損した」 運賃が少なかったほうが正しいと思い込むのである。そして、産地(メーカー)に不信の念を抱く……。 これがしょっちゅう顔を合わせている店ならば、「ちょっと、この間と計算が合わないじゃない」と気軽に言うことができる。だが、遠方だと「たかが数十円のことで、そう目くじらたてることもないか」と思いつつ、損をしたことだけはしっかり記憶にインプットされるのである。 料金先払いを貫くところは、地域と料金表を電話の前において正確を期してもらいたい。 |
| A子さんはカタログを見るときに、支払方法をまずチェックする。 現金書留、郵便振替と書いてあると、郵便局までの道のりを考えてパス。 銀行振込は振込料を取られるからパス。 そして、着払い、代金引換のものだけ注文するのだ。 「荷物と同時に支払いがすむから便利」 着払いは産地側が代行業者に手数料を支払うことになるので、その分が購入者の負担になることが多い。だが、それを承知のうえで、代金引換がいいという人は結構多い。 支払方法で一番敬遠されるのが、現金書留である。専用封筒を買って、お金を入れて、封筒の上を数回折り曲げつつ糊ではっていき(いまどき封筒なんてセロテープで封をする時代なのに)、最後に印鑑を2ヵ所押す。 あー、こんな面倒なことをするぐらいなら頼むのやめようと、注文する前から支払うときのことを考え、注文をあきらめてしまうのである。 |
| ある産地に水を頼むことにした。まとまれば送料は少しでも安くなるかと思い、5個口注文した。 すると、水6本入り1000円ほどの箱に送料が1000円くらいかかり、5本が別々に宅配便の伝票できたために、水が5000円、送料が5000円近くとられた。なんと半分は送料である。 これじゃまとめて買うメリットが何もない。せめて2個ずつ縛って1個口の荷物にするとか、配慮はできなかったのか。水は重量があるから、値段が安いわりに送料がかかってしまうが、取り寄せてでもこだわりの水を飲みたいという人は多い。 ある産地では、まとまった場合は送料サービスだった。どのようにして送料を捻出するのかは知らないが、やはりうれしいサービスだ。近くのヤマト宅配で「水」を頼んだときは、もちろん送料がただ、そのうえ5500円の金額が500円サービスになった。物流会社が特産品扱いに本腰を入れたら、やはりこわい。 |
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| 「地上」誌でその月の原稿を書いたときには、すべて産地にFAXをして原稿のお目通しを願っている。訂正がない場合でも確認のため、FAXをしてほしいと書いておくので、大体は返信が来る。こない場合は電話でシツコク確認する。 ところがである。自分自身がジタバタ忙しいのが重なったときなどは、返事がこないと勝手に「訂正がないからだ」と思いこむ。すると、ショックなことに、活字になってから「違っている」と産地からの電話が来る。こんなことが2回あった。 1回目は、向こうが間違いを見落としたため、局番が違っていた。 2回目は、先方に出したつもりのFAXが届いていなかった。「出した」と思い込んで確認を怠り、電話番号を間違えたのである。 ほんのちょっとの気のゆるみが大きなミスにつながるということ、そして、「確認」することがいかに大切か、思い知らされた。 |
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| 「あんたんとこは怠慢じゃないのッ」と電話口でいきなり怒鳴られた。特産品の問い合わせをしたのに「担当者から連絡させます」と言われ、音沙汰なしだったというのだ。 聞くと、漬物に関する専門的な内容だ。以前に扱った九州の産地名を伝えると「早速問い合わせしろ、そんなのは10分でできるだろう、それをやれないのは先延ばししようという気持があるからだ」ときつい言葉が返ってきた。すぐに先方に問い合わせて結果を教えたときにも「ありがとう」の言葉一つ返さなかった。人の時間なんておかまいなし! 人は誰でも自分の思い通りに動くと思っているのだろうか。編集部間の連絡不行き届きをあやまったのに、それが頭ごなしに叱られてしまった。人に物をたずねる姿勢とはとてもいえない。そもそも自分で調べるということはしないのだろうか。こういう人が逆に編集部の立場で問い合わせを受けたら……? 「自分で調べろ」ガチャッだろうな。 |
| 地域おこしでがんばっている女性グループには、高齢の方たちも多く見受けられる。こうした人たちに共通しているのは、それが楽しくもあり、生きがいにもなっているということだ。 でも、こういう例があった。 連絡先が自宅なのに、何回かけても本人と連絡がとれない。 「おばあちゃん? いません」「いつ戻るか、わかりません」「さぁ〜」とすげない返事。 その家のお嫁さん、子供、電話の応対をしてくれる家族がことごとくおばあちゃんに対して冷たい。「特産品作りもいいけど、家のことも少しはやってよ」といった、不穏な雰囲気すら感じられた。朝早くから、夜は遅くまで飛び回っていれば家族もむくれることがあるかもしれない。 でも、特産品作りで生きがいをもてるのはすばらしいこと。家族の理解が大切なので、おばあちゃんが孫のお守りをしなくても、応援してあげてほしい。 |
| 記事掲載の用件でお願いすると、断り方にもいろいろあるが、1度口をあんぐりすることがあった。 「雑誌なんかに載ると、見学が多くきて、仕事にならないからいい」というものである。 全国各地には情報を求めている人も多く、「よさそうだ」となると見学に出向く。これをいちいち応対するのが面倒ということなのである。 そんなものかなと思い、今度は電話応対も最初から協力的で好感のもてる産地にたずねてみた。 「いろいろ紹介されると見学が多く来たりしませんか」 「いえ、うちは見学客が多くなったので、見学コースを設けました。帰りには商品を購入していただけるので、うちは見学大歓迎。いながらにして情報交換できるのもありがたいです」 何事もプラス志向か、マイナス志向か。見学一つにしてもその差が出るようだ。 |
| 地域おこしの食品の場合、連絡先が自宅になっていることも多い。すると、留守番役の祖父母らしき人が出てくる。 「は〜」と耳が遠いらしく語尾が上がる。 らちがあかないので、FAXに切り替えてもらえないかと頼む。 すると、「私は年だから、機械のことはわかりません。後に電話してくれませんか」(この言葉は各地で方言が入り交じる)と例外なく言われる。 ここで電話を切って、また疑問に思うのだ。FAXなんて切替ボタンを押すだけでいいのに、なぜやり方を説明しないのだろう。それか留守電にしておいてくれれば用事のある人はメッセージを入れるのに。 年寄りだからといって、機械に弱いというのは言い訳にはならない。商売で、商品のことがわからない人を「店番」におけば、すぐに店がすたれてしまう。自分で販売をすれば、商いと同じと考えてほしい。 |
| 注文のしかたを見ると、電話、FAXによる申込みがほとんどである。ちょっと考えると、FAXのほうが双方確認がとれていいように思う。だが、実際には電話注文のほうが圧倒的に多いようだ。紙に書いてFAXするのはおっくうだが、電話だと手軽にすませられるということか。 友人から注文を頼まれて、代わりにFAXしてあげた。ところが何日待っても商品が届かない。確認のため、電話を入れたところ、「すみません、FAXがどこかに紛失したみたいなので、もう一度お願いします」とのーんびりした言葉。 いろいろな用向きのFAXが入ると、担当者のところに渡らなかったり、他の業務で忘れてしまうこともあるかもしれない。 その点、フリーダイヤル、フリーFAXのところは対応がしっかりしている。電話代が自分もちとなれば、自然にてきぱき処理せざるをえないのだろう。 |
| 電話の応対は企業イメージを形づくる。 「かくかくしかじか」とこちらのお願いを説明したら、「あ、いいッ、うちはいいッ」と邪険な返事。「掲載料や広告料など費用はかかりませんので」と食い下がる私。 「いいのッ、うちは」 たまたま忙しいときに電話したからかもしれないが、こういうときはその人がどうこうというより、その企業(団体)、ひいてはその県民性まで、イメージダウンしてしまう。「○○県なんてキライだ」 断るにしても、言い方があるだろう、言い方がッ、と妙に「ッ」を強調してプリプリしてしまうのだ。 電話は相手が見えない。それだけに、いつなんどき関わりが生じるかわからないのだから、特産品を製造して通信販売を手がけるようなところは、どんな相手にも邪険にはしないほうがいい。「他山の石」というけれど、以後、私は電話の応対だけは気をつけるようになった。 |
| 「ハイ、○○です」 特産品の取材は先方に電話をかけることから始まる。ところが担当者につながるまで、のーんびり電話をたらい回しされることがある。 こんなとき、おーぃ、東京からかけているんだよ〜、とスピーカーで叫びたくなる。 「そうなのよ。注文したら、待たされてる電話代だけで品物の値段を越えちゃうと思ったことがある。のんびりしてるところあるよね」 友達も同感だと言った。 九州にだって、北海道から電話がかかってくるかもしれない。だが、電話の声が近いと、ついご近所からかかっている錯覚に陥る人もいるようだ。 電話はてきぱきと。特産品を全国へ向けて販売する場合はやはり注文や問い合わせの専用電話をひくぐらいの配慮がほしい。 さんざん待たされて「担当者がいないのでわかりません」。そりゃ、ない! |
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| クリスマス、正月シーズンには「ワイン」を特集してきた。今でこそ地域おこしのワインは多いが、最初は調べようがなくて困った。 そこで、とったのが生産者から醸造会社を聞き、醸造会社に地域おこしのワインを紹介してもらうという手段である。 安曇野ワイン(長野県)、ニッカウヰスキー(東京)、北海道ワイン(北海道)などは地域おこしに協力して、行政やJAなど数多くのワインを手がけていることがわかった。また、キャベツやタマネギなど「こんなものがワインになるの?」といった意外な原材料の場合は、山梨薬研(山梨)が醸造技術をもっているようである。 これからワインをつくりたいという産地のためにも、なるべく醸造先を確認して情報提供している。同じ原材料、同じ会社で作っても産地が違うとまた別の味わいになるのが、ワインの愉しみだろう。ラベルも各産地が工夫を凝らしていて見どころがある。 |
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| 酒は酒販免許がないと販売できない。果物屋さんの中には果物のワインを扱ってみたいという人が多いが、産地にとっても酒販店や土産店のほかに販路が広がるとすれば大いに歓迎すべきことだろう。 ところが、ここで問題がある。実際に酒を扱っている果物店主からの反論である。 「果物のワインは甘すぎる」 そうなのだ。「女性向きに甘くしました」と産地では自信をもって答えてくれるのだけど、「女性を甘くみてはいかんぜよ」という心境になるぐらい甘いものが多すぎる。 だから、観光土産レベルでとどまってしまう。それが悪いわけではないが、1回きりの購買でリピートにはつながらないだろう。たとえ観光土産としてでも、本格的な味わいの「フツー」のワインを作ってほしい。地域食品には好意的な私でさえ、1本飲みきれなくて、料理用にしてしまったものがある。ワインさん、ゴメンネとあやまりつつ……。 |
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| 地域食品を購入してみて満足度が大きいものの一つは、ハム・ソーセージである。というのも、自分で原料になるブタを飼育し、それをこだわりの製法で加工している生産者が多いからだ。 小売店が製造するハムも一般にはあまり手がけていないなかで、チャレンジ精神を発揮して取り組んだものなので、その心意気が表れていて美味だ。 本当に地域食品のハムだけは、「どれを食べてもおいしい」という世界である。マスの生産だと膨張剤、増量剤を入れたりして水っぽかったりするらしいが、ムチムチプッチンと歯触りがいい。JA郡上のように、プレスハム一筋(これは珍しい!)というところもあれば、多種類扱ってよりどりみどりというところもある。中にはギョウジャニンニク入りソーセージなんていう珍しいものもある。 後は「メッセージ」や「ヒストリー」などをごらんいただいて、お好みの産地をお選びくださいというしかない。とにかくうまい! |
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| 東京ビッグサイトで毎年3月に開かれる「ふるさと食品全国フェア」は、楽しみにしているイベントだ。 生産者やメーカーの人と会えるので、その場で取材協力のお願いができる。向こうもこちらと顔合わせをしているので、むげに断れないと思うのか、後に電話取材をする場合もスムーズに運ぶ。ある月などは11品目のうち、8品目も同フェアで試食・試飲した「逸品ぞろい」になってしまった。 このフェアのなかで、スーパーやデパートのバイヤーを対象に「商品を食べてみたいか」「扱ってみたいか」というイベントが実施される。このときに「食べてみたい」商品でも、取り扱うとなると評価が低くなったりするのが興味深い。 以前、ある「釜飯の素」を3人前では多すぎると言ったバイヤーがいて、「何でも東京中心に考えてもらっては困るんだよッ」と思ったものだった。特産品はまずその地域に支持されるのが一番なんだから、東京中心に考えないで!と声を大にして言いたい。 |
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| ある日の留守電。 「ご購入いただきました化粧水、お使いになっていかがでしょうか。ご感想をうかがいたくてお電話しました。そろそろなくなるころかと思いますので、またのご注文お待ちしています」 ミーハーな私は、よさそうだと思うとすぐに「取材者」というより、「消費者」になってしまって購入してしまう。これはササエキスなどが入った北海道下川町の「町おこし」化粧品である。化粧品だけは効果がよくわからないのだけれど、こうして電話をかけてきてくれると再注文の確率は高くなるだろう。 水産関係の会社も新製品が出る度にFAXを流してくれる。そのたびに紹介したり、注文するわけにはいかないが、いつかまたという気にはなる。お煎餅屋さんも季節ごとに案内をよこすので、何かのときには「あそこにしよう」ということになる。 買ってもらったら、それっきりでなく、なんらかのつながりを付けることが大切だと思う。 |
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| 「元気な小売店」で紹介している赤水さんのシャーベットについてはすぐに同業者からの反響があった。 「作り方を教えてほしい」「店を訪問して話をききたい」というものである。 赤水さんもさすがに、見ず知らずの人に電話で作り方を教えるわけにはいかず、丁重に「企業秘密です」とお断りしたそうだ。 そして、「おいしいと書かれていたら、まず注文して味を見てみようと思うのがふつうでしょう。作り方うんぬんや訪ねてくるのはその後からでいいと思うのですが」と苦笑する。 「キャロットのシャーベット、前よりさらにおいしくできました」。よりおいしく、と常に向上心を持ち続けて研究している。 最初はまねから加工品作りが始まるとしても、教わるときには作り手の「心意気」まで感じとってほしいと思う。それにはどんなに話を聞くよりも、まず食べてみることだ。味が何よりも商品のことを雄弁に物語っている。 |
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| ここまでくるまで10年かかった――この言葉を何度耳にしたことだろう。 成功した店や産地には、見学者がたくさん訪ねていき、成功しているうわべだけしか見ないが、実は一番大切なのはそこに至る「過程(プロセス)」だと思う。 「成功している人は必ず幾つかの山あり谷ありを経験している。その谷底にいったときにどうやってはい上がったかをきくことが一番参考になる」 「大事なのはプロセスをどう評価するかだよね。誰もが最初は一から始めたのだから」 経営者がこの言葉を発したときに、どういう表情で話したか、はっきり思い浮かぶ。 生産者が販売を手がけてみて難しいと思うのは当然だ。長年小売業をしてきた人でさえ、多くの苦労をしているのだから。でも、売れないからといってあきらめずに、作り続けてほしい。いい商品であれば、いつか「きっと売れる」と信じて売り続けてほしい。 |
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| なぜ特産果物を使ったワインは甘いのだろうと思っていた。しかし、ワインの特集をするさいに、あるワイナリーから申し訳なさそうにこう言われた。 「昨今は赤ワインがブームで、赤ワインの味が定着している。そういう方々が私どものワインを飲まれると、甘すぎる、ジュースのようだと思われることだろう。がっかりされるのは心苦しいので掲載は遠慮したい」 そうなのか。果物の持ち味を出すために、甘いワインにせざるをえないものもあるのだと初めて知った。ワインというより、果実酒と称するほうがよいのかもしれない。 「それならば、とても甘口と断って紹介させてください。地元の果物を使って、地域おこしに貢献されている姿を紹介したい」とお願いした。自社のワインを愛している気持ちがひしと伝わってきた。地域おこしに協力してくれているワイナリーも、本格的なワインを作っている。そのあたりご理解を! |
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| 長崎県大村市の「二丁目赤水さん」が98年優良経営食料品小売店等全国コンクールで晴れの農林水産大臣賞を受賞した。果物小売業でありながら、シャーベットや、フルーツ果汁をあんにねりこんだ最中などを開発してオリジナル商品にしていることなどが高く評価されたのである。 ここのシャーベットはフルーツをそのまま食べているようで、本当においしい。西瓜やパパイヤなど、シャーベットには不向きの果実も赤水さんの手にかかると生のものより美味なのではないかと思える味になる。 もともとはお待たせするお客様をもてなす意味で加工に取り組んだが、食べた人から「販売して」との要望が高まって販売に踏み切ったのだそうだ。「だから、原価がいくらかかるといった計算はしていないのですよ」と笑う。 とにかく、味本位に物を作り出し、向上心が旺盛だ。味が店の姿勢を物語っている。日々の精進が美味な商品を生み出すのだと思う。 |
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| A店では、テレビに放映されるからといって、チラシを作成し送ってきてくれた。 B店の店主は、活気ある小売市場の理事長としてテレビに何回も出演したことがあるのだが、小売市場の空きスペースの活用が現在の課題だという。 「イベントスペースにして、テレビに出たビデオを流せばいいのに」と私。 「えーっ、お父さんが出たテレビなんて恥ずかしくてというので、うちではビデオも録画してないんですよ。そっか〜、そういう使い方があったんですね」 売れない、売れないとボヤキながら、チャンスを販売に生かしていないところが多いのに驚く。そうかと思うと「地上」に掲載された記事を拡大コピーしてパネルにし、コピーも持ち帰れるようにしていたところがあった。何が売れるきっかけになるかわからないのだから、利用できるものは何でも利用しよう。いくらよい商品でも、販促なしには売れないのだから。 |
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| アイスクリームを注文した。届いてルンルン開けてみたら、ないッ、あるべきはずの蓄冷材が! 中はほとんど溶けてしまっていて、再冷凍したが香りがとんでしまい、おいしいとはいえない味になっていた。 1度サンプルで送付してくれた産地のものは箱の中で4〜5個のアイスクリームが泳ぐ状態になっていたため、倒れてしまい、中のアイスが溶けだしていた。 こういうことがあるといけないと思い、お金を払って注文したのだが、その産地へ教えてあげようかとさんざん迷って結局やめた。宅配会社が下請けに出し、時間をおいたからではないかとにらんだからである(思いおこせば宅配会社の制服を着ていないおっちゃんが発泡スチロール箱を届けにきた)。どこに責任があるのか、くやしいが「藪の中」だ。 クール代金は結局お客もちになるのだから、きちんと業務を遂行してくれる宅配会社を選ぶことも産地の信用につながると思う。 |
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| 友達の誕生日祝いに「アイスクリームを」というリクエストにこたえて、さる有名な店で購入し、送ってもらうことにした。 「アイスクリームって送るの、心配なんですけど」 「責任もってお送りいたします。先様へはお電話で在宅を確かめてからお届けいたしますのでご安心ください」 なるほど、ベストの状態で届けてくれるというわけだ。自店の商品が大切であれば、そこまで細かな神経を使うだろう。 果物店の場合も、商品がデリケートなだけに、先方に都合のよい日時を確かめて送るという店があった。電話代はかかるかもしれないが、たかが一本の電話、されど……である。 商品を大切に、お客様を大切に、という思いが客の喜ぶ心くばりになって表れる。送った友達からは「ありがとう、すごくおいしい!」とお礼の電話がきた。こういうときは次もあそこにしようと思い定めるのである。 |
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| 「通販をして伸びている、こんな会社があります。たとえ1000円の品でも、1万円購入してくださった人と分け隔てなく、大切に包装しているんですね。うちの商品を買ってくださるという感謝の気持が包装に表れているんです。 1年に1回高額お買い求めくださるお客様よりも、たとえ1回の注文はわずかでも、うちの存在を忘れずに、度々注文してくださるお客様は何にもましてうれしいと社長さんが話していました。 通販はお店と違って互いの顔が見えないだけに、売り手側の誠意が大切になってきます。通販で伸びている会社は、商品のよさもさることながら、正直である、誠意がある、という点が共通していると感じますね」 宅配会社の人に聞いた話である。そういえば宅配用の提げ袋にかわいいリボンをつけるという小売店主がいた。宅配する人に大切に扱ってもらおうと意図しているそうだ。 |
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| 熊本県水俣市で無農薬茶を栽培・販売するみなまた茶組合は、親子、夫婦を含む30〜50代の9人(7戸)から成る。天野茂さんは、もっとも早く20年前から無農薬栽培に取り組んできた。 「父が開拓で入植し、長男として跡を継いだら1年目で父が倒れてしまったんです。1人で茶園をするのは大変なので、自然農法に関する本を読みながら、無農薬栽培にしてみたら、茶園じゅう草だらけ(笑)。あいつはちゃんと農業していないと批判も受けましたよ。味はいいと思うのに、出荷してもふつうのお茶よりも安い値しかつかない。それで、組合に参加するまでは自園で販売していました」 世間ですぐに認められなくても、信念をもって打ち込んでいれば、きっと花開く。加工品も「売れないから」という理由であきらめてしまうところもあるが、、自分がよい商品と見込んだものは、年数をかけても気長に浸透させていくことが大切だと思う。 |
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| 「”みなまた茶”いかがですか」 「水俣のお茶なら要りません!」 試飲をすすめて、この言葉で拒絶されたとき、吉野啓子さんは思わずくやし涙がにじみ出たという。しかし、ひるまず続けた。 「飲んでくださるだけで結構です。わたしたちは水俣病の教訓を生かして安心、安全なお茶をつくって、がんばっています」 勢いに押されて試飲した客は、「おいしい」とつぶやいて購入してくれた。日本の代表的な公害病である水俣病が報告されたのは1956年、以来約40年を経過しても、こんな無理解がある……。 みなまた茶組合(吉野啓子さん代表)では、水俣の名があると売れないという通説だったのを、逆転の発想で、あえて「みなまた茶」でブランド化を図った。「水俣のお茶だからこそ安心・安全」というメッセージを伝えたかったのである。この姿勢を理解した通販客がみなまた茶を温かく支えている。 |
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| 商店街女性部の会合に参加する機会があった。農業でもそうだが、今、女性たちのパワーが商店街活動でも注目されてきている。 活動報告の中で、年に1度地域の生産者が作った農作物を、女性部がともに販売するというイベントをした事例があった。お客には大変好評だったので、翌年は地域を拡大してより多くの生産者と交流ができたという。 「ならば、空き店舗などでもっと回数多く実施できないのですか」ときくと、「商店街の八百屋さんがどうしても反対するんです」と残念そうに答えた。 確かに、八百屋さんは生産者と同じものを売っていたら、被害を受けるかもしれないが、ならば生産者の作っていない野菜を販売するとか何なりと工夫はできるはずだ。商店街全体の企画として考えれば、商店街が生産者と消費者を結ぶ架け橋になるというのは素敵なことだと思う。マイナス志向では前に進まない。女性部の皆さん、ガンバッテ! |
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| ある食品製造小売店の社長さんに私の大好きなお煎餅を送った。そこは注文を受けてからやきたてを送ってくれるのである。 すると、こんなうれしい礼状がきた。 「煎餅はどこにでもありますが、こんなにおいしいものは初めてです。サクッとした軟らかい香ばしさ、本当においしいものを食べるときはうれしいですね。真っ先に私と家内がいただき、あまりおいしいので従業員達にも自慢しながら食べさせました。みんな顔がほころんでいました。本当にいいものはいいですね」。 そのお店も味づくりにはとても苦心して、自社の製品を地元の名産品に育て上げた。「おいしいもの」は、味だけで作り手の心意気を示しているのではないかと思う。そのお煎餅を買った初回には手書きの美しい筆跡の礼状が入っていて感激した。後に、初回の購入客には、社長自ら礼状をしたためていると聞いて感じ入った。「心」のこもる商品に出会えたときはうれしい。 |
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| 97年度優良経営食料品等小売店全国コンクールで農林水産大臣賞を受賞されたミートハウス尾崎屋さんを訪ねた。 その店は20年来和牛しか置かず、豚肉は○○、鶏肉は○○と決めているのだけれど、関連食品もこだわりのものを置いていた。 店主が語るには「こだわりの食品を置くと、肉も品質にこだわる客が来てくれる」ということだった。その中に、JA平取町のトマトジュース「ニシパの恋人」を発見! 「これはトマトジュースが飲めないという人にも評判がいいんですよ。飲んでみてください。ね、おいしいでしょう?」 「そうだ、尾崎さんの店ならば○○なんかも置くといいですよ」 お肉屋さんで地域特産品と出会って、思わず話が弾んでしまった。こんなとき、いいお店、いい商品とのナイスな出会いを陰ながらコーディネートできれば楽しいだろうなとつい思ってしまう。 |
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| 電話で話していてある女性グループのリーダーMさんと意気投合してしまった。特産品の漬物を作るだけでなく、趣味の小ぎん刺しでもお弟子さんをとるほどの腕前だという。東京のデパートで展示会が開かれるというので、案内状を送ってもらった。 でかけたときにはMさんは席を外されていて、1時間もすれば戻るとのことだったが、作品を見た後は「来年また来ますから、よろしくお伝えください」と伝言を残して去った。 ところが、「来年」は2度と巡ってこなかった。半年ほど後、Mさんが亡くなったことを日本農業新聞で知ったからだ。いろいろな話を直にうかがったら、小説よりおもしろいだろうなと楽しみにしていたのに……ついつい来年があるさと思ってしまったのがいけなかった。 会えるときには会っておくこと。特産品の取材では電話を通じての出会いが多いけれど、1つ1つの出会いを大切にしていきたい。 |