◆見城さんとの関わり
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私が最初にコミスを見たのは、果物店の老舗「神田万惣」でした。万惣では西洋梨がまだ知られていないころから普及に努めていましたが、秋から冬の西洋梨のシーズンにかけてはいろいろな品種を扱っています。そこで、「このコミスはおいしいよ」と店長さんから教えていただきました。コミスはラ・フランスと並び、最も力を入れている品種だそうです。おいしいけれど、作るのが難しいから「幻の洋梨」と呼ばれていることも知りました。その生産者が見城さんだったのです。
初めて食べたときの感動は忘れられません。世の中にこんな洋梨があるのだと思いました。味はもちろんですが、なめらかでとろけるような舌触り、香りの素晴らしさが最も印象に残りました。 |
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コミスの生産者 見城彰さん |
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すると、西洋なしフォーラムというものがあって、たまたまインターネットで実施した西洋なしアンケートの結果発表をした私に見城さんが声をかけてくれたのです。そして、「翌年にアンケートをするならばコミスを提供するから」とありがたい申し出をしてくださり、実際に翌年のアンケートでは贈った人にとても喜ばれました。
コミスはごく一部の地域、それも高級専門店でしか知られていない洋梨です。見城さんのほかにも作る人は出てきていますが、コミスの先駆者は見城さんです。何よりも見城さんがもともとは生産者でなく、西洋なしに魅せられたがために趣味で果樹生産を始めたのが素晴らしいと思います。
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追塾が進んで食べ頃のコミス |
「どっちの料理ショー」の題材に万惣がコミスを推薦し、見城さんのところに撮影に行ったと聞いて、これでコミスがメジャーになればいいなと期待したものです。残念ながら放映は1月であったために、コミスの時期は終わっていたというオチもありましたが、私のところへもメールの問い合わせが5件ほどありました。
そして2003年、全日空からきた雑誌をなにげなくめくると「どっちの料理ショー」の食材を通販するとして見城さんのコミスが大きく取り上げられています。
苦節何年というけれど、見城さんのコミスがこうして世間一般に知られる日がきたのだなぁとうれしくなりました。
●見城さんが参考までにと2001年5月に畑の写真を送ってくださったときに、こんな手紙が添えられていました。そのなかで、見城さんがコミスを手がけるようになったきっかけの部分をご本人の了承を得て掲載します。
コミスは明治政府が果樹振興の国策として、ヨーロッパより導入した品種です。日本に導入された西洋ナシとしても最も古い品種です。コミスは日本に導入されて125年以上経過していますが、いままで誰も経済栽培に成功した人はおりませんでした。
小生は趣味で始めた果樹栽培です。西洋ナシこそ果物の王様と思っていましたので、西洋ナシを中心にしてスモモ・桃・桜桃・ブルーンの栽培を始めました。農業については、全くの素人です。
群馬県で西洋ナシを栽培している人は、一人もいないため、長野の先生の助言もあり、国内の西洋ナシ主力品種のすべてを栽培してみることにしました。
25種類位の西洋ナシを集め、栽培した中にコミスがありました。初めて自分の作ったコミスを食べて旨いとビックリすると同時になぜこの品種が日本で西洋ナシの主力品種となっていないのか不思議に思いました。おそらく相当栽培が難しいのであろうと思いましたが、素人の怖さでコミスの経済栽培に絶対成功させる、との決意を新たにしました。
25種類位の西洋ナシを栽培してみて分かったのですが、西洋ナシは桃・リンゴ・和梨・ブドウ等他の果物と全く違い、極めて気候や風土、肥料等に敏感なのが分かりました。桃・リンゴ・和ナシ・ブドウ等他の果物は日本本土なら多少地区が北でも南でも出来る時期がずれるだけで、そんなに味に違いはありませんが、西洋ナシは適地適作を守らないと食べ物にならないような物が出来てしまいます。私が25種類の西洋ナシを作ってみて旨いと思ったのは5種類位です。
なぜコミスが日本の西洋ナシの主力品種になっていないのか、無謀にも大田東一に電話をし、西洋ナシの担当者を紹介してほしいとお願いしたところ、たまたま電話のすぐ近くに東海林さんがいて、コミスを栽培しているので、情報がほしいとお願いしたところ、「コミスを栽培している、本当?」とビックリされ、こちらもそんなにすごいのかとビックリしました。
小売店も回ってみましたが、コミスを知っていたのは万惣、新宿高野さんぐらいでした。
私も失敗に失敗を重ね、毎年始めは東海林さんに任せておけと言っておきながら、収穫時期になると「スマン、失敗」の連続でした。最後は開き直って、私の自慢は失敗の数だけ、失敗の数なら他の西洋なし栽培者の誰にも負けない(これは事実だと思います)、というしかないといった状況でした。
性格的にプラス志向ですから、失敗にもめげず2000年やっとコミスの最大の問題点である、「毎年安定して充実した花芽がこない」というのを克服し、やっと安定した花芽が来るようになりました。これでやっと経済栽培に成功した、といえるのではないかと思っています。「今年こそ」と東海林さんに言うと、もう笑われるかもしれませんが、「今年こそ」と思っています。失敗したら、「それがコミスだ」と開き直ればいいだけですから。
コミスは国内の知名度はゼロです。帝国ホテルやホテルオークラ、ニューオオタニでも知っている人はいませんでした。
果物の本にもほとんど掲載はありません。掲載されていても、幻の名果とか、品質最高の西洋ナシと掲載されているだけで、味に言及した本には出会っていません。
秋山徳蔵さんの著書に味に言及した文章があるくらいです。ちなみに大正4年4円から5円というと米60kgと同じ値段になります。
畑は樹冠下は堆肥による完全マルチです。現在考えられる最高の管理と思っています。写真では立体感があまり出ていません。 |
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