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オレンジケーキ

 材料(7.5×24×7cmのパウンド型1個分)
オレンジピール・・・・・・・・200g
グランマルニエ・・・・・大さじ1
無塩バター・・・・・・・・・・・・・80g
サラダ油・・・・・・・・・・・大さじ2
粉砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・80g
卵(Mサイズ)・・・・・・・・・・2個
薄力粉・・・・・・・・・・・・・・・・・80g
アーモンドパウダー・・・・・10g
ベーキングパウダー・・・・小さじ1/3
オレンジの汁1個分(約100cc)
グラニュー糖・・・・・・・・・・・30g
 作り方
1.オレンジピールは細かく刻み、オレンジの汁大さじ1とグランマルニエをふりかけておく。
2.卵は卵黄と卵白に分ける。粉とアーモンドパウダー、ベーキングパウダーは合わせてふるっておく。ボールに室温で柔らかくしたバターを入れ、粉砂糖の2/3量を加えて泡立て器でよくすり混ぜる。白っぽくふんわりとしてきたらサラダ油を加えて混ぜ、卵黄を1個ずつ加えてそのつどよく混ぜる。
3.別のボールで卵白を泡立てる。途中で残りの粉砂糖を加え、しっかり泡立ててメレンゲを作る。バターの生地に1/3量を加え、ゴムべらで切り混ぜ、まだ泡が残っている状態で粉類とオレンジピールを加え、切り混ぜる。
4.残りのメレンゲを加え、さっくり混ぜる。
5.紙を敷いた型に入れて表面をならす。170℃のオーブンで40〜50分焼く。
6.小鍋に残りのオレンジの汁を入れて火にかけ、沸騰したらグラニュー糖を加えて溶かし、シロップを作る。焼きあがったケーキが熱いうちに刷毛でしみこませる。

粗熱がとれたらアルミ箔に包み、一晩おきます。翌日からが、味がなじんでおいしい。室温で5日持ちます。冷凍も可能。

 いわゆるパウンドケーキのことを、フランスでは「ケック」と呼びます。

 クリスティアンヌおばさんの台所で、最初に出会ったケックは、ココア色。アルミ箔を箱型に折った、手製の型で焼いてありました。高さがあまりなく、ボテッとした外観。切り口には、親指の先ほどの大きさの、丸い紫色が散らばっています。前の日に摘んできた、さくらんぼです。

 「卵、マーガリン、小麦粉・・・。甘さは、缶詰のマロンクリームで調節」と材料の説明のあと、正確な量を知りたがると、「目分量だから忘れた」との返事。本に従ったのではない、即興のお菓子でした。

 ホロッとした、素朴な味。焼き菓子は、バター100%でないと物足りないのよね、などと頭の中で批評しつつも、手は二切れ目にのびます。

 その後の、ケックの数々。「列車の中で、お腹の足しに」と、旅に出る朝に渡された、レモン風味のケック。表面がクレーター状だった、煮りんごとスパイス入りのケック。ミントキャンディーをのせて焼いたそうです。「溶けて、穴になっちゃった。でも、楽しいじゃない」。

 クリスマスには一緒に、赤や緑のドライフルーツを飾って作りました。材料と手順をメモしていると、「レシピを忘れないためには、それが必要よ」とクリスティアンヌは言います。 

 でも、思いつくまま、コップで材料を合わせていく手を止める気配はありません。

 おいしかったのが、オレンジのケックです。乳脂肪のコクを感じるしっとりとした生地に、フルーティな、甘い香り。お義理ではない「レシピを教えて」というセリフが、口をついて出ました。

 「冷蔵庫に残っていたオレンジジュースを、たっぷり。使いきりたかったから。今日はマーガリンがなくて、バターをだいぶ足したわね、確か」 

 あとは、いつものように「適当」とのこと。

 仕方がないので、舌の記憶を頼りに、試行錯誤。納得の味のオレンジケーキにたどりつきました。

 「前回は成功だったけど、これは乾きすぎだわ」別の機会に、再び作ったオレンジのケックを味見して、クリスティアンヌは首をかしげます。

 「いい考えがある」と、オレンジのリキュールを小皿に注ぎました。ちぎったケックを浸し、口に運びます。「悪くないじゃない?」

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