フルーツクッキングを楽しみましょう

 昔から果物のことを「水菓子」とも呼んできた日本人にとっては、「そのまま生で食べるもの」これが果物の食べ方としては普通です。でも、ほんの少し手を加えるだけで生とはまた違った果物のおいしさを楽しめるのではないでしょうか。

by 川村灯子

リンゴのレモン煮
ネクタリンのクラフティ
フルーツサラダ
いよかんのクランブル
甘夏のタルト・フランベ
ダークチェリーのコンポート
りんごのコンポート

グレープフルーツのスープグラタン

フルーツのシロップ漬け
ぶどうのヨーグルトパフェ
キャラメルりんごケーキ
いちごのミルククリームかけ
ブルーベリーといちごのパイ
ダークチェリーのコンポートを使ったデザート/チェリーヨーグルトムース
ゆずのジュレ
いちごのチーズムース
オレンジケーキ
さくらんぼのタルト
桃とプラムのジャム
ぶどうの焼き菓子
りんごのガレット
きんかんのブランデー漬けと
ホットチョコレート
キャラメルバナナトースト
夏のワインゼリー
オレンジ風味のサバラン
link  食品広場



オレンジ風味のサバラン

くるみ色の床がきしきしと鳴る古いアパートに一人で暮らすマリアさんは、今年で85才になります。
「あんたが来たら、いろいろ作ろうと思ってね」


果物の加工はヨーロッパの食文化

大きさがまちまちで、酸味の強いさくらんぼ。虫食いの跡やシミがあり、デコボコのりんご。プラスチックパックの中で食べ頃を過ぎ、果汁が滲んでいるいちご・・・。
フランスのアルザス地方に住む、クリスティアンヌおばさんが作るお菓子の主役は、いつもこんな「不揃いの果実たち」。ジャム、コンポート、グラタン、タルト、ババロワ・・・。家族の需要と供給のバランス、おばさんの気分に従って、さまざまに加工され、食卓にのぼります。
そのほとんどに、決まったレシピはありません。材料も、目分量。おそうざい作りの感覚です。


皮つきのりんごに、ザクザクと包丁を入れます。グラタン皿にてんこに盛って、砂糖をふり、夕食の鶏の煮込み鍋とともに、オーブンへ。
タルト生地をこねるのは、野菜を切っているまな板の脇で。転がったじゃが芋をよけ、ビニール製のテーブルクロスをさっと拭いて、直接手粉をふり、伸ばしていきます。
生地からあふれんばかりにのせる、さくらんぼ。種はそのままです。さくらんぼが足りない場合は、プラムなどを適当に混ぜる。

「お菓子作りが、こんなにいいかげんでよいのか?」と、最初はとまどいました。なまじ、料理学校なんぞで身につけた知識があった分、よけいにです。
けれど、果物をそのまま畑からもいで食べているような、自然な甘さには、学校で教わったものとは違うおいしさがありました。見た目も、味もおおらかで、作り手の人柄を感じるようなお菓子。いつのまにか、魅せられていました。

「お店で売っているお菓子って、おいしいのか否か、ときどきよくわからない。たくさんの材料を使っているから、味が複雑になりすぎていて」とは、あるフランス人の言葉。
家庭では、凝った細工はできません。そのかわり、自分好みの素材と、好きなだけ会話ができます。果物なら、果物と。素直な気持ちで、持ち味を引出すことができる。だから、おいしいのかもしれません。

口に入れると、果物畑の風景が、ふっと目の前に浮かんでくる。そんなお菓子が作れたら、と思っています。

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