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八百竹(東京都清瀬市)

八百竹
東京都清瀬市松山2-15-12 10:00〜19:30 日曜定休
野菜60%、果物35%、食品5%の割合。兄が経営する(有)清竹商事は大田市場で仕入れた野菜を関東甲信越地方に転送する卸で、八百竹はその小売部門。大田市場から野菜が毎日届くため、店長である石山由美子さんは地元の清瀬吉川青果地方卸売市場へ仕入れに出向きます。従業員は4人、全員女性できめ細かなアドバイスができるというのがセールスポイントになっています。

 「地場野菜の生産者が多いので、自分が気に入ると生産者を逆指名してもってきます」。今回、コマツナ、ブロッコリー、カリフラワーについて伺いましたが、品種名までスラスラと教えてくれました。生産者の畑まで行って撮影してきた写真を貼ったポスターを店頭に掲げ、まさに「生産者の顔が見える販売」をしています。
 
 店内には誇らしげに「野菜ソムリエのいる八百屋」の看板があります。野菜ソムリエとして、ジュニアマイスターの資格を取得し、マイスターを目指して受講中です。このほか毎月1回開催される八百屋塾にも出席しています。「八百屋と魚屋は元気が原点なのでがんばらなくちゃ。これからは対面の販売が絶対によくなるはず」と閉店後、勉学に励んでいます。

 おいしそうに見せる陳列を心掛け、かごに野菜をのせていました。色のメリハリも考えているのか、野菜がどれも新鮮に見えます。果物は全部糖度を書いておくなど、販売もきめ細かく、料理提案が地元の人たちにとても喜ばれていました。

左から星野俊子さん、石山由美子さん、丈場かおるさん、女性のきめ細やかなアドバイスがセールスポイントになっている。


【コマツナ】
 コマツナは1年中出回りますが、霜が降り始める12月ごろから3月ごろまでが一番おいしいと思います。栄養豊富なので食べてほしい野菜ですね。ホウレンソウよりもコマツナの方が需要は少ないけれど、冬になるとホウレンソウよりおいしいと思いますし、売り上げも違ってきます。100〜150円だと買いやすいようです。
 

 11月〜翌3月は、清瀬市内の地場産のものが多く入ります。大田市場から仕入れるコマツナは1束600〜700gですが、地元の地方市場で仕入れる地場産は500gくらい。2回で食べ切れる量なので喜ばれます。地元市場では出荷にきた生産者と顔を合わせるので、今日は市場に出す量がないと言われると、生産者の所に取りに行くぐらいです。

 下ごしらえするにもあくがないので手軽に使えると思います。厚揚げとの煮びたしは一般的ですが、炒め物や中華風にとろみをつけてもおいしい。炒めてもホウレンソウのようにくたっとならず、シャキシャキ感が残るし、油を使うと葉色が鮮やかになります。

栄養豊富なコマツナは11〜翌3月までが旬!  

 消費者の方は葉がピンとしてみずみずしいものを選べばよいと思います。うちの店では毎日料理を作って試食していただき、レシピを簡単に書いておくのですが、今日は“コマツナとなめたけの和え物”を作ってみました。こうやってなめたけの佃煮を近くに置いておくと、一緒に売れて一挙両得です(笑)。

【ブロッコリー】
 ブロッコリーも冬場は地元産を扱うのであまり仕入れませんが、大田市場から仕入れる産地は冬場が愛知、埼玉産、夏から秋にかけては北海道や長野産です。輸入物は原則として扱いません。アメリカ産は安くてお手軽ですが、やはり残留農薬が心配なので、価格が多少高くても国産のものを扱います。安い輸入物が100円で販売されている時に、うちの店では長野産が250円ぐらいでも売れるんです。味がよければ価格はあまり気にしないというお客さんのためにも仕入れています。でも、やっぱりブロッコリー、カリフラワーは冬の野菜ですね。メインの場所に置いて「おいしいよ」とアピールしています。ブロッコリーはカリフラワーよりも売れますが、栄養価で見てもブロッコリーの方がカリフラワーよりも高く、ビタミン、ミネラルはホウレンソウに匹敵します。

 

 年間を通してミニトマトとブロッコリーは相性がよい組み合わせなんです。お弁当に入れると見た目がきれいで、お母さんたちには欠かせない食材ですね。

 今日も学校給食用に25kg納めましたが、一般の購入も多く、切らすことができない商材です。大体はLサイズを基準にし、2Lサイズが安くてお得感がある時には大きいサイズを仕入れます。

 ブロッコリーは茎が太く切り口がみずみずしいもの、穴の開いていないもの、花蕾が小さく揃っていて密になっているものがいいですね。地元産のブロッコリーは周囲に葉がついているので、より新鮮に見えると思います。

ブロッコリーは、花蕾が小さく揃っていて密なものがよい。

 カリフラワーに比べて鮮度が落ちるのが早いので、なるべく早く料理に使ってくださいと言いますが、塩ゆでしてから水気を切って冷蔵庫に入れれば2〜3日はもちますよと、アドバイスしています。太い茎の方が水分の吸い上げがよく、ブロッコリー自体も元気です。

 生産者が一生懸命作ったものなので、全部使い切ってほしいと思うと、料理方法までアドバイスすることになりますね。茎も皮をむいて4つ割りにして花の部分と一生にゆでると、ゆであがりは同じになります。

 頭の部分が紫色になるものは敬遠されますが、紫色はアントシアニンという色素で、ゆでると緑色に変わるので食べても問題はありません。むしろ紫色が出ている方がおいしいと思うほどです。緑色は濃淡あり、チッソ肥料などにより色は調節できるそうですが、どちらかといえば濃い方がおいしく感じられます。

【カリフラワー】
 カリフラワーの取り扱いは12月〜翌3月までは福岡産、4〜5月千葉、茨城産、6〜10月は長野、北海道、11〜12月は埼玉産です。地場産は11月〜翌3月まで出回るので毎日並べます。毎朝ジュースで飲むという人、ゆでてサラダにするという人などカリフラワーが好きなお客さんは今でも多いですね。旬でない時でも280円ぐらいまでならば売れます。
 

 カリフラワーは味がないと思われがちですが、とれたてだと甘みがあって、みずみずしさが違うような気がしますね。今朝取りに行った時には、まだ水滴が残っていました。今日のレシピ(カリフラワーとピーマンのニンニク炒め)は、カリフラワー生産者の奥さんから教わったものをアレンジした蒸し煮です。水を入れなくても中から水分がジワッと出てきます。カラーピーマンやパブリカを使うと彩りもきれいになります。料理の本を見たり、外食に行った時にメモをとったりして似通った料理を作ります。

カリフラワーはとれたてだと甘みがあっておいしい。  

 カリフラワーをゆでて水にさらす人がいますが、かたゆでして水気を切っておけば余熱でやわらかくなります。それと、炒めると量を多く食べられますよとアドバイスします。私は和食器を見るのが好きで、このお皿にはどんな料理が合うか考えるのですが、野菜を商品として見るのでなく、食材を売っているのだという感覚で、おいしそうに見える演出をすることも大事だと思います。
 

 

毎日料理を作り来店者に試食してもらい、レシピも紹介している

店頭に、地場産野菜の生産者を写真入りで紹介している

取材日2004年11月21日