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せいか研修セミナー「八百屋塾」第4回10月29日
 

国民の健康の守るのは八百屋の務め
 

1回 2000年 7月16日
2回 2000年 8月20日
3回 2000年 9月17日
4回 2000年10月29日
5回 2000月11月26日
6回 2000年12月10日
7回 2001年 1月21日
8回 2001年 2月25日
9回 2001年 3月25日
 
 
11月5日の朝日新聞に掲載されました! 
 
 

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食品広場
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江黒孝

東京都青果物商業協同組合
本部青年会会長


 

 第4回青果研修セミナーは10月29日に開催されました。この日「食べ比べ」試食をする野菜は大根の金沢源助大根、耐病総太り、それにスティックセニョール(千葉・八街産)、オータムポエム(仙台産)、比較検討するのは北海道産と淡路産のタマネギ、ジャガイモの男爵、北あかりです。
 
 まず最初にいつものように江澤先生の講義がありました。

食べ比べ
試食した感想
当日のすなっぷ

【講義 江澤正平先生】   

これから野菜が注目されてくる

 食生活指針が発表された。野菜を500g食べようということで、今までよりも100g増えている。病気の老人が多いので医療費がかかっているが、みなが健康になれば医療費が安くなるということで、食生活から見直していく発想はこれまでなかった。

 ところで、野菜を350g食べたことがありますか。実は私も食べてなかった(笑)。それで、食べた野菜を量ってみることを年4回するつもりです。

 みんなも野菜を食べてもらうには、どの野菜がどれぐらいかわかっていないとまずい。「売る」ということに、「食べる」ということはたえずつきまとうので、食生活を見直すことはいずれは国民運動になってくると思う。昔、秋田では高血圧の人が多かったが、塩分を減らすことで高血圧の人が少なくなった。

 今の食事の状況をみると、ものすごく荒れている。朝も夜も一人で食べる子供たちが増えているので、食生活の乱れが病気と同じくらい問題になっている。現在は30兆円くらいが医療費に費やされているが、もしそれが1割減ると3兆円減ることになる。農水省全体の予算3兆1000億円に匹敵する。

 それでは健康を維持するための野菜をどうやって食べさせるか。現代の女性は忙しいので、簡単に料理できて、飽きないで食べることができるものを好む。例えばマヨネーズで食べると飽きてしまうが、しょうゆやみそなど従来の調味料を使うと飽きずに食べられる。たくさん食べられるのは和食が多い。外食では野菜は漬物か添え物程度だが、肉や魚ではお金をとって、野菜ではお金がとれないという考え方があるんだね。
 
 でも、スーパーや生協にしても野菜を食べようという傾向になってくると思う。これから野菜が注目されてくるということを頭に入れておいていただきたい。
 今日は、大根とブロッコリーと、アスパラガス、ウィンターポエム、ジャガイモとタマネギのことを勉強します。

 【大根】
 大根は1200年前に日本に入りました。日本は大根が非常に発達した国です。入ってくるというのは、その国の生活文化とともに品物が入ってくるわけです。
 日中友好で、戦後初めて貿易が開始されると、中国野菜がたくさん入ってきました。あの当時は珍しかったチンゲンサイもいまや中国野菜という意識がないほどに浸透しています。昔はキャベツでも西洋野菜で珍しかったのです。

 長野県に行くと、8分目くらいまで青い大根があります。辛みがあって中が真っ青です。中国大根はカブみたいに丸くて中が赤く、酢に漬けると真っ赤になります。キムチに漬けるような大根は、韓国から入ってきました。昔から大根は日本の野菜の中で一番生産量があり、秋から冬にかけては大根の季節です。漬物にする大根はあまり太くなくて、干しやすい「理想」などが適しています。

 昭和40〜48年頃に大根が変わってきて、東京では練馬大根が少なくなってきました。世田谷の大蔵大根もおいしいのだが、なくなってきました。しかし、最近は大蔵大根が復活してきて、昨年は8000本ほどが販売されました。大根には冬大根、春大根、夏大根、秋大根とあったけれども、その中身はどんどん変わってきています。夏大根は昔は筋っぽいものしか作れなかったが、今は北海道で作って輸送されますから、夏場でも煮て食べられるようなものが出てきています。冬場に多く作られていましたが、季節が分散されるようになりました。ですから、全体的な生産量はそれほど変わっていません。漬物は買うものだという消費者が多いようですが、昔は自分の家で漬けたものでした。
 「金沢源助大根」は古い大根で、秋には関西方面に出荷され、うまい大根と言われていました。野菜のうまい、まずいは肉質と臭いが関係します。いくら名人が料理しても肉質は変えられません。そこで、今日は大根の肉質を勉強します。
 
 「耐病総太り」は昭和55〜56年にでき、三浦大根が少なくなったので、相当出てきました。今日は薄味で煮て食べてみればよいであろうということで調理してもらいました。盛りは11月です。大根は肉質をよく比べてください。


 【スティックセニョール】

*スティックセニョールはサカタのタネがブロッコリーに中国野菜のカイランを交配して作った野菜で、栄養が豊富なうえ味も特に癖がなく、アスパラガスに似た約20pもの茎がすべて食べられるのが特徴。一般のブロッコリーよりも暑さに強いので、真夏でも収穫できる。

 ブロッコリーは、頂花蕾の下に側枝が出てその下に側花蕾があります。昔は側花蕾をとって出していて、やわらかくてうまかった。しかし、側花蕾をとるのは生産者にとってかがんでの作業になるのできつい。それで今の品種は頂花蕾だけになったものが多いのです。

 今日は新しいブロッコリーをゆでて食べてみます。
 この勉強会はみなさんが家に持ち帰り、奥さんも一緒に食べていただくことが趣旨です。販売では奥さんが力を発揮するので、ぜひ奥さんにも食べてもらってください。

 【オータムポエム(アスパラ菜)】

*オータムポエム(アスパラ菜)は、サカタのタネ開発。中国の菜の花の一種サイシン(菜心)と紅菜苔(コウタイサイ)を交配したもの。

日本はトウがたつものをあまり食べませんが、中国ではトウがたつものをよく食べます。ニンニクの芽はトウなんです。これも出始めのときにはよかったが、咲いた花が落ちて汚いということで敬遠されました。売る人たちがおいしさを伝えないから、お客がつかないのです。これは秋に食べる菜としてはおいしいものです。ゆでたもので食べてみます。

 【ジャガイモ】
 ジャガイモは最近「北あかり」という「男爵」よりは少し早くできる品種が出てきました。「男爵」の血が入っていて粘りが少しあり、おいしい品種です。
 今日の男爵は特Mサイズです。なぜ特Mをすすめるのか。

 ふつうジャガイモは草が倒れると土の下の芋は熟している。だが、北海道では成長して倒れるまで待つと雪が降る。そこで、除草剤の一種のようなものをまいて草を倒してしまう。そうなると、大きいのは空洞になりやすいのだが、特Mだと中まで熟しているので空洞にならない。
 皮をむくのは大きくないとだめだという人もいるが、それほど時間も値段も変わらない。ならば特Mが得ということになる。


【タマネギ】
 
 日本に入ってきたのは明治4年でアメリカから北海道の開拓庁に入りました。春先に植えて秋にとるのですが、北海道にいくとタマネギをとった後は雑草が全然なくてきれいでした。

 収穫して風をあてて乾燥させます。北海道がたまねぎの生産では日本で一番最初です。

 
日本のタマネギは北海道のように春に植えて秋に収穫するものと、秋に植えて春にとるのと二種類あります。和歌山、淡路島などタマネギ小屋がずいぶん建っています。

 タマネギの甘さは隠し味によい。タマネギを使うお菓子があるぐらいです。
  

 この後、荒井先生からタマネギならば肉ジャガ、親子丼、牛丼など料理のアドバイスがありました。また、スティックセニョールを生産している浅野悦夫さんが来て、生産の苦労や販売に望むことなどを説明。引き続き料理を試食し、感想をみなで発表しあいました。