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東京都青果物商業協同組合
本部青年会会長 |
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第5回のセミナーでは江黒さんより、朝日新聞に掲載されて各方面より反響があったこと、八百屋塾のホームページを通じて、新潟県より八百屋塾に参加したいという連絡もあったことなどが報告されました。無事10回修了して修了証書が出た後、「ここが八百屋塾の店ならば買い物したい」と消費者からいってもらえるようになれれば……とのことですが、本当にこうした期待を現実にしたいものです。
この日はホウレンソウ、コマツナ、白菜、ニンジン、ゴボウを学びました。
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| ・食べ比べ |
| ・試食した感想 |
| ・当日のすなっぷ |
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【講義 江澤正平先生】 |
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野菜の話 |
【ホウレンソウ】
原産地はコーカサスやイランなどの地方で、回教徒が聖地を巡礼しながらホウレンソウも広めていった。西洋にはアフリカ経由で広まり、東洋種はシルクロードを伝わって日本には江戸初期に入り、後に西洋種も入ってきました。西洋種は葉が厚く、東洋種は葉が薄いという特徴があるが、今は交雑しています。
純粋の東洋種は、生産性が悪いので少ないのですが、時期は秋から冬にかけて出回ります。東洋種は葉の肉が薄いのでおひたしに最適で、油炒めには西洋種が向きます。昔は西洋種は泥臭いといわれていましたが、今は交雑種で一年中出回るようになりました。短期間でできたものと長期間でできたものと比較すると、長期でできたものは養分があって、こくがあるといえます。
ホウレンソウでも露地とハウス物を比べると、露地物のほうがおいしい。ハウス栽培でも養液栽培と土耕栽培を比べると土耕栽培のほうがおいしい。それと、寒さにあたると伸びがよくない。だから、栄養分を比べて、夏場は冬場の3割くらいしかビタミンCがないというのは、早くできてしまうから養分が出ていかないのだろうと思います。十分に日数を経て育ったもののほうが栄養価が高いということがいえます。
寒さにあたったほうがおいしいので、おいしいのを大事にして売ると同時に、値段を1割でもきばっていただきたい。今、ホウレンソウを見ても丈が短いが、もっと大きく30cm以上にしたほうがおいしい。コマツナも同様。なんとかしてくれというのですが、なかなか市場でいうことをきいてくれません(笑)。22〜25cmが大体の規格ですが、それよりも長いほうがおいしい。ふつうのよりも10日程度おくと30cmくらいに伸びるんです。しかし、これは生産性がないし、みんなが値段をきちんと買ってくれないから、あまり作れないんです。これからホウレンソウはうまい時期ですよ。
【コマツナ】
コマツナは、徳川綱吉が命名したといわれます。東京では小松菜ですが、地方により名前が違います。
東京では雑煮に欠かせない、これからのものです。これも30cm以上にしたほうがおいしいし、軸が特においしいです。東京の場合、世田谷で昔から作られたものと葛西のとは多少違っています。世田谷のは少しかためで昔は漬け物によくしました。小松菜は栄養的にも優れているので、ぜひたくさん売ってください。
小松菜は葉に袴をはいているほうがおいしいのだが、結束するときに見場が悪いので、袴をはかないほうがよいということになってしまった。折れやすいから、生産者も作りたがらない。だけど、よいものは、大事にしていかないとなくなってしまいますよ。
【白菜】
白菜とキャベツとで、日本に入ってきたのはどちらが早いか。実はキャベツのほうが早いのです。白菜のルーツは3通りくらいありますが、日本に入ってきているのは山東省で生まれたものです。昔は市場に3割以上白菜が入ると他の野菜が安くなるという時代がありました。昔の家庭は四斗樽で白菜を漬けたものです。漬物に向く白菜は葉が固いので、鍋物にするときには白菜を先に入れたものです。今はやわらかいので、後から入れるようになりました。浅漬けにするためにもやわらかい白菜にしてきたわけです。「新理想」が出たのは昭和30年代ですから、今から40年以上前です。なぜ40年以上前のものが現在もあるかといえば、市場にいったん出たものの、やわらかいので「新理想」はだめだということになった。だが、農家の人は「新理想」はうまいというので、守っていてくれたのです。たまたま昭和50年代に、シズオカ屋というスーパーがうまい白菜を売りたいというので淀橋の市場に頼んだ。農家では、「うまい白菜はあるにはあるが、作りにくいし、値段もちゃんと出してくれないと」と言ってまた作り始めた。流通の人が大事にするかしないかでよいものがなくなってしまうんだね。白菜はよく中が黄色くなければといわれるが、従来は白いものなんです。ただ新理想が黄色くて色合いがよかったから、芯の黄色いのが主流になってしまったという経緯があります。おいしくなくて見てくれがよいというのではだめだね。
白菜は案外ミネラルが入豊富ですから、子供がほしい人にはできるだけ白菜をすすめてください。それと、消費者は漬け物は買うものだと思っているから、八百屋さんで自家製漬け物を販売してほしい。後、鍋物にはいいね。葛西では白菜鍋、ミネラル鍋というのを普及させているから、やってみてください。
白菜のゴマは、硝酸体窒素が少し多くなると出てくる生理障害です。これは窒素肥料の多い少ない、あるいはやる時期によっても違ってきます。
【ニンジン】
(この日は向陽、ベータリッチ、黒田五寸を試食しました。お客にとってニンジンはニンジンなので、用途別にニンジンを使い分けるということを業務用を含めて提案していこうという食べ比べでした)
ニンジンの原産地はアフガニスタンです。東洋種は京人参の系列です。橙色をしている西洋種は長短あり、長いほうが先に日本へ入りました。今のニンジンと少し前のニンジンとの違いは、今は臭いが少なくなったということです。
ニンジンは生でジュースにするにはベータリッチが向く。向陽2号は作りやすいし、小売店も扱いやすいので、どれにも向くけれど、どれにも十分ではないんですね。
黒田五寸がなぜ少なくなったかというと、おいしいけど割れやすいから、農家の人が作るのを敬遠する。ですから、欠点はあっても、おいしいものは優先させていかなければならない。どのニンジンでもおいしく食べられるのはグラッセですね。太いニンジンでも芯が細いほうがいいです。
【ゴボウ】
ゴボウは10世紀くらいに薬草として入ってきたといわれています。特にここ5〜6年、モスバーガーがサラダゴボウということで普及させました。現在の食生活は乱れているので、野菜が最も効果を発揮しますが。食物繊維は薬ではどうにもなりません。ゴボウは繊維質が多いとされています。我々の体内からダイオキシンが出てきたときくと慄然としますが、そういうのを身体の中から出していかなければならない。そのために、一番安上がりなのは野菜、それも繊維質の野菜です。身体の中をきれいにするし、長生きしたい人は野菜を食べることです。長生きするには、自分を大切にすること。長生きすれば苦しずに大往生できる。そのためには野菜をたくさん食べて、運動し、疲れたら休息することです。おいしく、飽きないで食べてもらうことです。農家の人にきいたところ、ゴボウはみそ煮にしておくと、日持ちするからごはんもすすむといっていました。調味料はみそ、しょうゆなど昔ながらの調味料が食事を飽きさせません。
みなさんも食べ物屋になるためには、自分でいろいろ食べてみてください。お客さんはみなさんの生活を見ています。八百屋さんが答えられないと、「最近の八百屋さんはだめねぇ」ということになりますよ。
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