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東京都青果物商業協同組合
本部青年会会長 |
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2月25日は、なにやら見慣れぬ人たちが。と思ったら、NHKテレビの取材クルーが来ていました。9時から12時までバッチリと取材し、食べ比べをしているときには、ディレクターの人がインタビューをしてコメントをとっていました。この模様は、2月26日夕方6時からの「首都圏ネットワーク」で東京からのレポートとして「八百屋が変わる」といったテーマで放映されました。
朝日新聞の記事掲載に引き続き、NHKニュースでも取り上げられ、青果店のみなさんのがんばっている様子が反響を呼んでいます。
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| ・食べ比べ |
| ・試食した感想 |
| ・当日のすなっぷ |
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【講義 江澤正平先生】 |
1 キュウリ
・キュウリの原産地はインド周辺で、日本へは中国の北方からと南方からと二通りのルートで入ってきた。
・今のキュウリは白イボキュウリが大部分を占める。「四葉」という品種は漬け物によいのでずっとつくられてきたが、日持ちがわるいので日本ではあまりつくられなくなった。現在、日本の漬け物業者はわざわざ中国や台湾につくらせて塩漬けにしたのをもってきて加工している。日本でも静岡や清水でつくられ、どの店でも置いているので、地元の人たちは消費者も「四葉」というキュウリをよく知っている。よいものを大事にしていくことも大切である。
・キュウリは一年中出ているが、12月〜4月に収穫するのはハウスでつくる促成栽培、2月〜6月半促成栽培、5月〜9月トンネルを使った後、露地栽培、9月〜11月抑制栽培、10月〜1月越冬栽培というように5つくらいの作型がある。本来は作型に応じて品種の食べ比べすると味の違いがよくわかる。
・キュウリはタネで苗を作るが、キュウリの苗は弱いので、カボチャを台木にしてカボチャに接ぐと安定的に生産できる。うまいのは自根でつくるほうだが、生産性からいうとカボチャに接ぐことになる。すると、表面に粉をふく。これは中の脂肪分が外に出て、表面を保護するために出てくる白い粉で、ブルームと呼ばれている。ところが、カボチャのキトラに接いだところ、ブルームが出なかった。ブルームにさわると指の跡がついてしまうが、ブルームがないときれいに見える。消費者の中にはブルームを農薬に間違える人もいて、ブルームがないものは鮮度がよいと思いこみ、きれいなほうを買う人が多くなった。それにつれて昭和60年代頃からブルームレスのキュウリが増えてきた。
・キュウリをうまいと感じさせるのは、歯切れのよさである。歯切れがよいキュウリは、皮と肉質とのバランスがとれ、皮がかたくない。そして、水気があってちょっと甘みがある。キュウリのほのかな臭いがする。歯切れのよさがキュウリの食感に通じ、味がうまさに通じる。
・ブルームレスのキュウリは見栄えはよいが、皮がかたく、果肉がやわらかいので、バランスが悪い。だから歯切れが悪いといえる。
・ブルームレスのキュウリを漬け物にすると、漬かり具合も、見た目も悪いし、うまさや歯切れのよさがない。それで、漬け物業者はブルームレスのキュウリを漬けなくなってきた。このため、最初は台湾で、現在は中国で大々的に「四葉」を栽培させている。
・まずいキュウリを消費者が間違えて買ったのに対して、生産者も流通業者も消費者に本当のことを言わない。それもそのはず。つくる側も売る側もあまり食べていないのだから。売れていれば、そのほうがよいとなる。その結果、ここ10年間でキュウリは野菜の中の売り上げ1位の座から落ちて、どんどん減少の一途を辿っている。それでも、青果市場の人は、ブルームのキュウリがなくなったことを他人事のようにみている。我々業界がいかによい野菜をないがしろにしたかは、ブルームのキュウリに如実に表れている。
・ブルームとブルームレスのキュウリは、もぎたてだとあまり違いは感じないかもしれないが、収穫してから3日も経つと相当違いがわかるはず。収穫後、数日かけて消費者のところに届く頃にはまずいキュウリになっている。
・キュウリの品種は500くらいあるが、今流通している品種は15〜20。ピクルスなどに用いるキュウリは特別なルートでないと流通しないし、料飲店が刺身などに添えるのには「花丸キュウリ」がよく使われている。煮て食べる「加賀太」というキュウリもある。また、イボのないキュウリも出てきている。これはカット野菜にするとき、イボがあると細菌がつきやすいからで、業界の要望によりイボのないキュウリがつくられるようになった。
・キュウリの効用は、口の中がさっぱりすることである。脂っこい料理の後にはキュウリがよいことを知らせてほしい。
・ブルームのキュウリがよいからといって、現在つくられているブルームレスのキュウリをブルームのあるキュウリにしていくのは生産者にとって大変なことである。作り方が違うし、ハウスの中で別々につくるわけにいかない。だから、卸や小売店がブルームのキュウリを生産者の満足のゆく価格で仕入れてあげないと生産者もつくる意欲はわかない。
【食べ比べ】
ブルームレスのキュウリとブルームのキュウリ
・ブルームのキュウリのほうが歯切れよくおいしい。
・ブルームのほうは種が小さい。etc
2 トマト
・トマトは標高1500〜2000mのアンデスの高地が原産地。1492年のアメリカ大陸発見後に、ヨーロッパに持ち帰られたが、同じナス科でトマトに似た毒をもつものがあったので、当初トマトは毒があると思われた。だが、観賞用に利用されたので、1500年代の静物画にはトマトの絵がみられる。
・日本に入ってきたのは、文献でいうと徳川時代の貝原益軒の頃とされている。だがそれ以前のものとして、トマトの絵が描かれたものが発見された。1688年に狩野探幽が描いた「花木写生図」が残っていて、国立博物館に所蔵されている。
ヨーロッパの絵と狩野探幽の絵と似ているので、ヨーロッパ人が日本へもってきたと考えられるだろう。
・ヨーロッパではイタリア人がトマトを食べるようになって、広がっていった。
・アメリカもトマトの生産国だが、南米からメキシコ経由で入ってきたかというとそうではない。メキシコのほうからヨーロッパに渡り、アメリカに入ってきた。食文化とはおもしろいもので、それを食べたり喜んだりした人がもって回るわけである。同じアメリカ大陸の中にトマトがあっても、すぐにはアメリカにいかなかったところがトマトのおもしろいところだろう。
・トマトが日本で食べられるようになったのは、大正末期ぐらいから。当初は今のような甘いトマトでなかったが、だんだんに露地栽培とガラス温室栽培が行われるようになり、一年中出回るようになった。だが、昔の庶民は露地のトマトしか食べられなかった。
・露地のトマトは、アメリカからピンク系のポンテローザという酸味が少ないトマトが入ってきた。皮が薄くて傷ができやすいトマトだったが、夏場においしいというので、桃色トマトと呼ばれ、普及した。
・トマトは収穫してもどんどん色がまわってくるので、50円玉くらいに赤くなったぐらいで出荷する。すると、消費者の手に渡る頃には赤いトマトになっている。完熟トマトというと、古いものだという考え方があってあまり普及しなかったが、完熟させたトマトのほうがうまい。ガクがピンとしているのがいい。
・タキイ種苗の「桃太郎」は1983年(昭和58年)頃に発表された。「桃太郎」は肥料を多く施す従来のつくり方とは違っていた。評判がよくなると生産者は一斉につくり始めたが、「桃太郎」らしからぬ「桃太郎」がたくさん出てきて、「桃太郎」はまずいというイメージが3年ほど続いた。
しかし、そのときに「桃太郎」に惚れ込んでいた生産者は他人はどうあれつくり続けた。すると、消費者や流通業者が評価し始めた。それで、他の生産者もつくり方をきちんとして出すようになったし、他社の種苗会社も負けず劣らずおいしくて、よいタネを出すようになった。
・昔はミカンとホウレンソウだったが、現代はトマトとカボチャがうまいものを売っている八百屋かどうかを見極めるバロメーターになっている。この2つについて、うまくないものを置けば消費者は離れていく。
・トマトは生食だけじゃなく、いろいろな加工用もある。ホールのトマトも缶詰で安く販売されているので、食べ比べて、店にも少し置いておく必要があるだろう。
・トマトは糖度5度くらいがちょうどよい。トマトの糖度を1度あげるとすると、収量からいえば250円くらい高く買ってあげないと生産者にはひき合わない。だから、糖度6度のトマトがkg200円だったら、7度のトマトはkg450円くらいでげないと生産者はひき合わない。
・ミニトマトの肉質の違いはわかりにくいが、少し大きいトマトだと肉質に注意したほうがいい。タネの回りは栄養分があるが酸っぱい。だが、タネの回りの肉質部分は甘い。だから、タネの回りは大事にしてほしい。トマトは売る前にぜひ食味して販売してほしい。
【食べ比べ】
韓国産、佐賀県産、高知県産、愛知県産のトマト
・ミニトマトは韓国産と愛知産とそれほど変わらない。
・ミニトマトは国産のものと変わらなくなってきている。価格が安いほうに販売ルートをおいていかねばならない。
・うちはいろいろ食べてから自分で食べておいしいものを売っている。トマトも市場に入ったときだけ韓国産を売っている。etc.
●ナス
・ナスは、1000年以上前に日本に入ってきた古い野菜である。品種も多く、新潟県だけでも約20種類のナスがあるほどである。
・ナスは、油に合い、いろいろな味付けをして楽しめる。皮も肉質もやわらかなものがいい。
・トマトは完熟物のほうがおいしいし、キュウリは逆にタネがあまり大きくならないうちに若どりをするほうがよい。ナスもタネがあまり大きくならない程度の早どりがよく、花が咲いてから20日くらいでとるとよい。
・ナスは水分があまりないが、大阪の岸和田地方には水ナスがある。ナスを握ると水がしたたり落ちるくらいである。水ナスは買ってすぐ浅漬けにする。こういうことを売る側も買う側もわかっていると売れる。説明しないとお客にわからないし、お客がわからないと売れない。売れないとタネが販売されない。こういう悪循環になる。
・新潟・長岡辺りで生産される「きんちゃくなす」は、みそ炒めにするとうまい。長岡市内のホテルではステーキの下に敷いているがうまい。新潟や長野県ではナスをふかして食べることが多いようである。
・ナスは栄養学的にみると、あまり栄養分がない。ただし、ナスの抗酸化作用などの機能性が着目されてきた。空気中の酸素を吸うと92%は水素と結合して水になるが、残り7〜8%が活性酸素になって内臓などに傷をつける。ただいちがいに活性酸素がいけないわけではなく、ウイルスを撃退するといった働きもある。活性酸素を暴れないようにするには、ナスが最適といわれている。
・ナスの料理は、焼いてよし、揚げてよし、煮てよし、炒めてよし。簡単な料理も手のこんだ料理もでき、機能性が高いとなると、今後大切にしていきたい食材である。埼玉の青いナス、賀茂ナス、水ナス、丸ナスなど各地によいナスがたくさんある。関東は卵型、関西は中長、九州は大長が多いようである。
【食べ比べ】
高知県産、福岡県産ナスを焼きナスにして比較。
●カボチャ
・カボチャの原産地は南米だが、日本へは154X年頃、遭難したポルトガル人が大分県の藩主に厚遇してもらったことに感謝して贈られたといわれている。カボチャを南瓜とかくのは南蛮のほうからきたことをさしている。
・カボチャには東洋種と西洋種があり、西洋種は明治になって開拓吏がきたときに入ってきた。西洋種のカボチャは北海道は多い。
・終戦前は東洋種の日本カボチャが多かった。
・カボチャのうまい、まずいは完熟させたかどうかで違ってくる。昔のカボチャと西洋カボチャとでは澱粉の入り方が違う。西洋カボチャのほうが澱粉がよけいに入っているので、煮崩れしない。
・自分で食べてうまいものを売るべき。今は自分で食べていない生産者が多いし、スーパーは見てくれと値段で販売するので、商売上の隙間はあると思う。八百屋のみなさんが食べ物屋になって活躍する余地がある。
・ニュージーランドは非常に広大なので、収穫するときはいちどきにとってから選別しているそうである。このようにおおざっぱな収穫方法では、国内産のほうが間違いない品質といえる。切り売りするときには、よく確かめて売ってほしい。
・トンガからもカボチャが輸入されているが、そもそもトンガの人はカボチャを知らないし、うまいのもまずいのも一緒くたにしてくるから、トンガのカボチャは値段が出ない。
・メキシコは東洋種の日本カボチャができた所だから適地であるとはいえるが、生産者の考え方の違いが出てくる。
・カボチャには東洋種、西洋種、ペポカボチャ(肉質が紐状になるそうめんカボチャ)の3つの種類がある。それぞれ特徴をつかんでほしい。
【食べ比べ】
メキシコ産とニュージーランド産を煮たもの
・ほくほくしているのでメキシコ産がおいしかった。etc.
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