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学習品目:ナス、ピーマン、とうもろこし、枝豆、スモモ、すいか
江澤正平先生の話 -安全性について-
・農水省は、生産の立場から消費者を考えているので、味や安全性のことはあまり考えていない。本来ならば食べ物というのは日本人1億2000万人の命に関わるので、農水省、厚生労働省、文部科学省をひっくるめた行政にしておけば問題にはならなかった。国民自身が関心がなかったためにこのような行政になってきている。
・狂牛病や雪印事件などを見てきて、一番欠けていると感じるのはモラルである。ヤマト運輸の小倉会長は「儲けよりはモラルだ」と話しているが、企業にモラルがあれば、許可されない薬品を使うなどということはありえない。
・食品業界は儲け優先で、これまで消費者を裏切ってもたいしたことにはならなかったが、このごろはスーパーでもすぐに(問題になった)商品を撤去するようになった。少しずつよい世の中になってきている。モラルがないところは儲けが続かない。
・300万年もある人間の歴史の大半は、食べ物が不十分であった。今でも飢えに苦しんでいる国はあるが、日本では食べ物が余るようになってきて世の中が変わってきている。人間は空腹であれば何でも食べたいが、食べた経験からその食品がだいじょうぶかどうかを判断していく。経験の上に安全は成り立っている。
・食の安全といっても、絶対的な安全はない。日本人の中には牛乳に抗体がない人がいるが、ナスを食べても湿疹の出る人がいる。生物は多様化しているので、おおまかなことは言えても、個々では違うことがある。だから、私にとっては安全でも、ほかの人にとってはよくないという場合もある。
・レイチェル・カーソンは「沈黙の春」(Silent Spring1962年)の中で、農薬がいかに人間の体に悪影響を及ぼすか、ということを明らかにししている。また、日本では昭和49(1974年)〜50年(1975年)、有吉佐和子さんが「複合汚染」という小説を新聞で発表した。
・青果の安全性について、卸売市場では衛生面はいちおうチェックしているが、農薬についてはチェックしていない。1999年東京都内の全中央卸売市場で検査を行った統計では残留農薬が79件と出ているが公表されていない。こうした数字は公表されないといけない。
・昔、農薬を使用していないのに、キュウリに残留農薬が多いというので、福島県で調べたことがあった。すると、タバコを作っていた当時に使用していた農薬が土に残留していたことがわかった。接ぎ木に用いているカボチャの台木が吸収力がよいため、キュウリにまで吸い上げてしまったのである。
・農薬は罰則規定がない。許可されている農薬を使って残留が多く出た場合でも罰則規定はなく、農協で残留農薬を調べている施設もない。むしろ卸、仲卸のほうから働きかけたほうがよい。
過去に遡って生産状況を調べるというトレーサビリティの制度を食肉ではやろうとしているが、野菜についても消費者は生産のことまで聞きたいと思っているので、そういう心構えをしておいていただきたい。
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・野菜には、栄養成長と生殖成長という2つの問題がある。栄養成長をするときには窒素肥料が必要になるが、生殖成長のときは窒素肥料は要らない。窒素肥料をやると成長はよくなるが、多すぎると葉に亜硝酸塩が入りやすい。窒素肥料が多いと緑色が濃くなったり、亜硝酸塩が多くなり、発ガン性のニトソラアミンが多く出てきてしまう。有機栽培をしている人でも鶏糞は窒素ばかりなので、成長はよくてもそういう問題がある。
・果菜類には、皮をむくので残留農薬の問題はあまりない。ジャガイモは窒素肥料を多くするとよく育つが倒れないので、除草剤をまいて倒伏させる。そういうジャガイモは空洞になりやすい。
品目別の話
【キャベツ】岩手、東京
キャベツは薄くて葉がたくさんあるものと、葉の枚数は少ないけれども厚いものと2種類ある。葉の重さは40g、葉数60枚が平均的。カット野菜は、切ってかさが多いものが望まれている。芯のところに栄養分が集まっていて、芯のところからだんだんうまくなる。
●沢田先生(東京青果)
みなさんは、外葉の巻き方で判断しているのではないかと思います。サワー系と春系を買う場合、必ず押してみてください。弾力のあるものは春系で、サワーを含めて中間種のものは葉を含めてしっかりしています。
今日は岩手のものをもってきましたが、東北地方の産地、岩手、秋田、青森県等は、春系の品種系統が栽培の80%位を占めている。
都下産のキャベツは、非常に巻きが密で、どちらかというと業務筋の中華料理店が好むタイプです。この「藍宝(らんぽう)」という品種は、扁平でなく丸系の品種であるということが特色です。 |

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●荒井先生
キャベツはコールスローでドレッシングをかけて食べるのが多いが、生で食べる量と、加熱して食べられる量は違うので、過熱して食べることを勧めていただきたい。
今日は蒸しゆでしてあります。それにいろいろなドレッシングをかけて食べるのもいい方法だと思います。 キャベツの場合、ロールキャベツやコトコト煮込むのは冬キャベツ、生で食べたり、さっと炒めたりする料理は春キャベツのほうがやわらかくていい。お客さんに対しては何の料理をするのかということを聞いて売っていただきたい。
外皮は即席漬や煮込む料理、千切りは真ん中あたりを遣うといい。
●江澤先生
業務用によく使われているカット野菜は機械で先に切ってしまうので、中の細胞が切れてしまって養分が流れやすくなる。それからさらに、洗って遠心分離機にかけるので、ほとんど栄養分がなくなってしまう。
だから、家庭で食べるほうが、料理の手間はかかるが、栄養がありますよという話をしたほうがよい。
●塾生
一般消費者にすすめるには味自体は岩手のほうがおいしい。でも、甘みは意外に東京でもある。炒めるならば東京産、生で食べるには岩手産とすすめたほうがいい。
【ナス】群馬「千両」、栃木「式部」、熊本「赤長」
・ナスは1200年前に入っている古い野菜で、地方にいろいろなナスがある。新潟県だけでも20種類くらいナスを作っている。ナスは自家用栽培している農家も多い。ナスは定植して20日くらいで収穫するが、最初のうちは皮がやわらかくて実が堅い、成長してくると皮がかたくなり、実がやわらかくなって、種が入る。だから、一番うまいのは皮も実もやわらかい時期なのだが、これは農家でもわからないぐらい難しい。2〜4月までは岡山や高知など暖地のものがうまく、露地になると関東周辺のほうがうまくなる。
・ナスは栄養素がないといわれていたが、活性酸素(人間が吸う酸素の約92%は水素と結合して水になるが、残りの分は内臓を傷つけてガンになりやすい)に対応できる成分をもっている。活性酸素は外から入ってくる細菌を退治してくれるので、ないと困るが、ありすぎても困るものである。
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●沢田先生
今日は3種類を食べ比べてもらいます。群馬県の「千両」ナスは、ちょっと長めで、煮ても焼いても炒めてもおいしいタイプです。栃木県「式部」は、「千両」よりもやや大型です。熊本の「赤長ナス」は皮がやわらかく、食べやすいという万能型なので、炒めても焼いてもよいナスで、九州の人たちはこのナスで夏場を過ごします。ナスはいろいろな品種があるのですが、なかなか評価されないので生産も続かないという状況になっています。長ナスは秋口に愛媛の産地などもできてきているので、一年中供給できる体制になりつつあります。
●江澤先生
岸和田に数百年前から「水ナス」があり、泉州水なすとして有名。「水なす」にいろいろ掛け合わせてサラダにも合うようなナスも出てきています。スーパーでも熱心な店は、ナスを5〜6種類くらい置いている。みなさんもナスはもう少しいろいろな食べ方をアピールしたほうがいい。お客さんにわかってもらわないと普及しない。
●荒井先生
西洋料理は米ナスを使うことが多い。ラタトゥーユは、タマネギ、ズッキーニ、トマト、ナスなどいろいろな野菜を炒めて煮込んだヨーロッパの常備菜のようなものですが、これは米ナスを用いると味がでしゃばらなくてよい。「ナスはスポンジ」と教わったことがあるが、とにかくなんでも味を吸収してしまう。その性質をよく考えて料理をしたほうがよい。煮物は火からおろしてからさめる間に味を吸収するといいますが、ナスの場合は含め煮もある程度の時間をかけないといけない。
赤ナスは、網やきしたところ7分で焼けたが、とてもおいしかった。これを食べたらほかのものは食べられないというほど。炒めるのはもったいないと感じた。 |
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●塾生(柿沼さん)
ナスは皮がやわらかいのが条件だが、油と砂糖と甘みそで炒めて試食させると、みその味がマッチしてすごくおいしいので、ナスの売上げも違ってくる。
うちの店では練炭を使って、3時からカボチャをふかして売っているが、4時半頃までに売れるので、残り火を利用して焼きナスを3本200円で売っている。最初は自分たちが食べるために焼いていたのに、売ってよという話になって、七輪2〜3台ですごく売れるようになった。そういう売り方もおもしろいのではないか。
【ピーマン】(緑)茨城、(赤)韓国、愛知、(黄)愛知、オランダ
・唐辛子の中で辛くないのはピーマンで、シシトウの仲間である。今日は日本食に合うピーマンの食べ方をテーマにした。試食した料理は、ピーマンを切って油で炒めて、そうめんつゆに漬けただけ。簡単に作れるし、常備菜としてもよいので、ぜひお客さんにすすめてほしい。
●沢田先生
茨城県は子供のきらいな野菜ということでピーマンの研究をして、ピーマン臭さがないピーマンを作っている。大きく作っていて、加熱処理をしてもくしゃくしゃにならない品種です。
愛知のパブリカは、オランダや韓国に比べると外葉にしみみたいなものが出る。パブリカは赤と黄色がスタンダードで、肉厚という特徴がある。よくパブリカと総称するが、赤はソニアレッド、黄はソニアゴールドと呼ばれている。洋風料理の中で拡大してきているが、輸入物が90%を占めている。国内産では生産原価が高すぎるので輸入に頼らざるをえない状況である。
トマピーは実はピーマンで、甘味が強く、生で食べるのに最適。炒めても量目が落ちない。ただ収量があがらないのが産地としては悩みになっている。 |

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【コーン】味来、ハニーバンタム、ヤングコーン
・「味来」は甘いが、しなびが欠点なので、店でも気をつけてほしい。今の消費者は店で皮をむきたがるが、握るとわかるので、皮をむかないようにしてもらうようにする。
・「ヤングコーン」はフレッシュで食べる、続にいう未熟なトウモロコシのことで、昔は農家の子供のお菓子だった。
このほか、エダマメを食べ比べした。 |
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【果物について】
●大石先生(東京青果)
【スモモ】
・今の時期にスモモで出回っているのは大石早生。スモモの中心はソルダムで、大石も一部主力にはなるが、若干品種が変わってきている。スモモの品種は主なもので10くらいある。大石、ビューティ、ホワイト、ソルダム、三太郎、レイトソル、太陽、月光、ディオール、貴陽などです。
貴陽は丸く、太陽よりもサイズがふた回りほど大きい。桃の25玉に近い。果肉は白く、酸が強い。太陽は酸が強いと色で判断されているが、扱いとすればこの2品種は西洋梨の扱いに近い。太陽は色が鮮やか、真っ赤なので、食味の落差が大きいという指摘を受けやすい。これは基本的には1週間くらい冷蔵庫に入れ、それから常温に戻して2日くらいの形で出していくと食味が乗ってくる。そういう扱いをしたほうがよいと思う。大田市場の仲卸会社で、毎日、某JAからくる「太陽」を全部仕入れて、冷蔵庫に入れたという日付を記録し、お客の好みと熟度に合わせて販売していくという人がいる。
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スモモは生産量が増えてきたが、外観と味のギャップが大きく価格が低迷している。若手でやる気のある仲卸にスモモの販売をすすめたところ、高級食料品店からのリピート注文があった。「太陽」については、本当の味を知らせるということは大事だと思う。熟度をあげながら調整して販売すればきっとお客がつくはず。
月光も予冷をかけるが、非常に難しい品種で、篤農家1人で栽培できる木の本数が3本くらいです。最も生産しているところが山梨県塩山市だが、それでも10人に満たない。12〜15個ぐらいを詰め、1.5kgの化粧箱で3500〜4000ケース出荷しています。
ソルダムで注意をしていただきたいのは、未熟なうちに摘んだものは絶対追熟しません。6〜7分の熟度のものは追熟します。産地ごとに3〜5日でどーんと出荷のピークがきます。
今までは和歌山産が出回ったが、これから山梨、福島、山形県が出回ります。山梨県は、白根町、塩山市が主力産地です。
「大石」は果頂部が赤くてグリーンが強いぐらいのほうが味落ちがしないという特徴があります。生産者によって栽培技術に差があり、「大石」の場合赤みを帯びているほうがおいしくなるのです。
スモモの中でも、最近は「ケルシージャパン」が見直されています。青くて果頂部が空洞になりがちですが、ここ数年リバイバルの要望が強くなってきています。
スモモは季節の主力商品にはなれないが、全体としておもしろみがある果物だと思います。
【スイカ】
スイカはこれからトンネル栽培や露地栽培のものが出回ります。中がすいているほど甘味がよいという傾向がありますが、近年は、光センサーが入って、糖度、酸度、硬度、空洞がチェックできるようになりました。
夏場のスイカは糖度があがってくるので、12度あればおいしい。
産地では鳥取県が先週あたりから入っていて、新潟県、千葉県が入荷が多く、だんだん東北にかかっていきます。
スイカの傾向として、4〜5月主力に売ってもらった時期があったが、ここ3年間ぐらい陰りが出てきました。品目の多様化もさることながら、旬に帰ってきたという感じです。したがって、前半のスイカが量的に減ってきていて、特に、大玉が減ってきています。代わって若干小玉にシフトしていく傾向があります。
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夏場のスイカについては栽培面積は変わらないが、品種は変わってきています。中心は品種でいえば「富研」(萩原農場)、産地でいえば鹿本の「富士光」などです。最近は、「紅大」「祭ばやし」などが出てきています。
スイカの場合は、果肉の色、シャリッ気、甘味、中でも、傾向としてはシャリッ気が重視されています。しかし、光センサーではシャリッ気を測ることはできません。たかがスイカではありますが、こだわる人が多い。したがって、誰が作っているか、というところまで知らせて販売していかないと、なかなか満足するようなものにならないのではないかと思います。
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