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平成14年度 第8回 11月17日(日)開催

学習品目:ゴボウ、サトイモ、サツマイモ、ヤーコ、柿、イチゴ、ミカン

江沢先生のお話「食べるな、危険!」について

・八百屋さんが置かなければいけない品物はダイコン、春〜冬まで品質も産地も違う。八百屋塾ではこういう基本的なところを勉強してもらう。また農家で試みている新しい野菜や、新しい輸入野菜などについて聞かれても、答えられるようにある程度の知識をもってもらうようにする。要は、常時、品目を一年中かけて把握していくことが重要で、冬ダイコンの知識で夏ダイコンを売っても通用しないので、一年間を通して学んでいきたい。

・「食べるな、危険!」(講談社)という本は、ポストハーベストや農薬問題など食の様々な問題を非常にまじめに取り上げている。八百屋は食べ物屋にならなければいけないといつも話しているが、そうなると肉や魚についても常識が必要なのでぜひ読んでもらいたい。

 この本に書かれている野菜と果物について説明したい。

 ジャガイモは収穫前に劇物に指定された除草剤がまかれている。これについて私の意見としては、まだ説明が不十分だったり、あいまいだったりするが、大筋では賛成だ。しかし、どうして除草剤をまくのかという説明がされていない。ジャガイモは肥料をよけいにやると繁茂して倒れてくるが(倒れる前に収穫するのが新ジャガ)、北海道では雪が降ると収穫しづらいので、ジャガイモを無理に倒すために除草剤をまくのである。収量をとるために肥料をやるのだが、3割ぐらいは肥料をやりすぎだと思う。ここでは環境汚染の問題がある。

 次にトマト、キュウリは夕方農薬を散布されたものが翌朝出荷されていると書いてある。だが、水で洗って水切りすれば農薬はある程度落ちる。アスパラガスの輸入物は日持ちさせるために殺虫剤を使っているので輸入物はなるべく買わないほうがいい。国内産を中心にしたほうがいい。

 セリやシソはちょっと問題ありだ。農家に友人がいるので言いにくいが、農家は大葉を食べない。ハウスに行くと農薬臭がするぐらいかかっている。パセリも食べないほうがいい。八百屋さんもそういうものを売っているということを自覚してほしい。

 水耕栽培の野菜はなるべく避けたほうがいい。根をみればわかるが、点滴されているのと同じことでなので栄養分は入り、形はよいが、しまりのないミネラルが少ないものになってしまう。水耕栽培のよい点は農薬をかけないですむことである。
 硝酸体窒素は問題である。窒素肥料をよけいにやると硝酸体窒素が多くなるが、ドイツでは2500ppmと基準値が決められているのに、日本では決められていない。亜硝酸体窒素は、青魚の脂分と結合すると、腸の中で発がん物質のニトソアミンに変化する。亜硝酸体窒素が多いと緑色が濃くなるので、色が濃いからよい野菜というわけではない。

 冷凍ホウレンソウについては、アメリカのものは昔からの業者がいて輸入業者がきちんと手がけていたが、いまの中国野菜の仕掛け人は商社が多い。作り方をわかっていない農家に商社が作らせる形が多く、中国人もただ買ってくれさえすればよいというので、安全性など考えずに作っている。冷凍ホウレンソウで何十倍の農薬が出てきたということでどこでもストップになったが、中国野菜全般については信じられないほどひどい殺虫剤、農薬汚染があるということが指摘されている。中国では責任をもって食べ物を作っているという意識はない。食べ物は責任をもたれていないものを扱わないほうがよい。

 カットして水にさらした野菜は漂白剤で洗浄されている。カット野菜で用いられる塩素は漂白剤なのであまりよくない。

 豆もやしの工場では電気分解した水を使用しているので、薬の臭いがしなくなった。漬物は保存剤などが用いられるているが、みなさんが自店で漬けている漬物は安心だ。

 果物についてはカビ剤の問題がある。oppがワックスの中に入れられたことがあるが、カビがはえて、がんを引き起こすともいわれえいる。グレープフルーツやレモンは皮をむいて食べたほうがよい。したがって、国産レモンをなるべく仕入れていただきたい。日本でもかつて青酸カリ燻蒸が行われたことがあったが、現在はそんなことをしている生産者は一人もいない。

 バナナは水槽に入れて洗浄する時に殺虫剤を使っていたが、このごろは注意されているだろう。バナナは皮をむいて食べるから安全だし栄養価がある。冷蔵庫に入れると皮が黒くなるので、シュガースポットが出たものを新聞紙で包んで冷蔵庫に入れて食べるとうまい。

 イチゴは安全性の面からも輸入のイチゴは食べないほうがよい。菓子店はケーキを作るために必要かもしれないが、あまりすすめられない。

 熱帯果物は日本で生産されないものはしかたがないが、日本で代替ができる果物は国産を中心に扱ってほしい。

 食品は食べものという感覚をもたなければいけない。今日は福岡の柿、朝倉の柿をもってきた。水田の柿と山手の柿は当然品質が違う。その違いを注意していただきたい。


沢田先生(東京青果個性園芸室)の商品説明

●ゴボウ(青森、北海道)

 ゴボウは関東地域にも栃木、茨城など、それなりのゴボウの産地はあるが、市場への納入からみると、よい品物は関西へいく。また、卸売市場の中でもゴボウは地味な野菜であり、動き方がぱっとしないのでゴボウ専門の担当者が減って片手間に扱う野菜になってきた。市場での取扱いも減ってきている。よいゴボウ、素晴らしいゴボウがあれば、「こういうゴボウがあるがどうなのか」と(卸、小売)互いにギブ&テイクの中で商品を育ててほしい。

 ゴボウの場合、色や形で選ばず、外見でなく味で確認しないといけない。産地にいくとごちそうになるのだが、買う時に1本ずつ持ち帰り、泥を落とし刻んで、ミキサーにかけてのばすと甘い。店で販売する場合、手間でも試食用のゴボウを脇において知らしめていただきたい。今日の品種は北海道の地皇(じたね)、青森の柳川理想で、中国産は泥がついたものは輸入されない。一般的にゴボウは形でしか認識していないので、産地表示をしてほしい。お客からリピートがあっても仕入先に知らせていただければ非常にありがたい。

【江澤先生】
 ゴボウサラダで食べる形が定着してきている。外食関係では、モスバーガーがゴボウをサラダにして食べさせている。サラダにするためにやわらかなゴボウが求められるようになった。千葉あたりのゴボウの生産者ははねだしを食べているが、みそ煮だとごはんがいくらでも食べられると教えてくれた。
 ゴボウは時期によって違うので原産地を表示してお客に覚えてもらうことが大切。そうすると、お客さんも安心感をもつ。それには嘘をつかないというのが、食べ物屋の本当の役割。

【食べ比べの感想】
・私どもでは販売していると一つの産地に限られるがいろいろ食べると参考になる。ゴボウも青森、北海道も香りがよく久しぶりにおいしいゴボウを食べた。

●サトイモ(埼玉、愛媛)

 関東のサトイモはさっぱりタイプ、西の産地は粘り気が強いしっとりタイプという大きな地域性がある。この2種類の違いをみてほしい。
 関東産地の大きいものはむくのに手間がかからない。また、一般的には市場と取引する場合小さいものほど単価が安い。京都のエビイモは肉質が全然違う。サトイモの系統は地域ごとに全然違うものができる。土地によって特色が出るので、地域の消費者の好みを見ながら取り組んでほしい。

【江澤先生】
 今日はゴボウとサツマイモとサトイモを学ぶ。サトイモはふつうのサトイモのほかにえび芋、キョウイモなどあるが、品種改良が難しいので42〜43種類しかない。地方でよいものもできているが、他に移すとうまくない。

【食べ比べの感想】
・埼玉は東京の人に受け入れられやすい。愛媛はかため。
・サトイモのきぬかつぎを塩ゆでし、練炭のうえに鍋をおいて常にゆでて売っているが、お客には安くて喜ばれているし、自分たちにも儲けがある。サツマイモもふかして売っているが、やったほうがよい。生産者の顔が見えるものを売ったほうがよい。作っている人の情報を教えることが大事である。パスタ屋さんは紫いもをラベンダーといって売っている。

愛媛 女早生

●サツマイモ(千葉産紅あずま、五郎島、紫いも、茨城産紅あずま、紅こまち)

 紅アズマはふかした後、冷えるとかたくなるというので敬遠され、茨城県などの産地は新しいものに切り替える動きがある。
 コガネムラサキは見てくれはよくないが、切ると中身は紫色。このイモは土地を選ぶ傾向がある。九州管内の鹿児島、宮崎産のものは、形も発色もよいのだが、やや味が薄めになる。同じ紅アズマでも作り方によって特色が出て、泥つきでも焼き芋にするとおいしい。

【食べ比べの感想】
・千葉がかため、おいしいなと思ったのは紅こまち。口の中の水分を全部もっていかれるような感じで質感よい。好み。
・甘味の違いはあったが、みんなおいしいと思った。甘味は少なめだったが、五郎島は食べやすい。紅こまちは良い甘さ。紫いもは甘味も少ないが食べやすくておいしい。アントシアニンがたくさん入っているのでおいしいなというのをつくづく感じた。

 鳴門金時をよく売っていて、焼き芋も鳴門金時で扱っている。
・江澤先生/紅こまちはうまいが作りづらく、場所を選ぶのでふえなかった。紅こまちは細くてもやきいもになる。でんぷん質がこまやか。
・荒井先生/真ん中で切ってはだめ。後先を落とすだけでまんなかを切らない。蒸すときに切る。そうしないと塩が入りすぎる。

種子島 コガネムラサキ

【食べ比べの感想】
・千葉がかため、おいしいなと思ったのは紅こまち。口の中の水分を全部もっていかれるような感じで質感よい。好み。
・甘味の違いはあったが、みんなおいしいと思った。甘味は少なめだったが、五郎島は食べやすい。紅こまちは良い甘さ。紫いもは甘味も少ないが食べやすくておいしい。アントシアニンがたくさん入っているのでおいしいなというのをつくづく感じた。
 鳴門金時をよく売っていて、焼き芋も鳴門金時で扱っている。
・江澤先生/紅こまちはうまいが作りづらく、場所を選ぶのでふえなかった。紅こまちは細くてもやきいもになる。でんぷん質がこまやか。
・荒井先生/真ん中で切ってはだめ。後先を落とすだけでまんなかを切らない。蒸すときに切る。そうしないと塩が入りすぎる。

●ヤーコン

 ヤーコンは、梨みたいな食味がある。貯蔵性があるので置いておくと甘味が出てくるが、逆に傷みが出てくる。いまの時期は形もよく食味もよいが、置いておくとだんだん割れてくる。肉質は非常にシャキシャキしていて、いやみのない甘味である。食味がよく、オリゴ糖、食物繊維が糖尿病の人のダイエットによいということでブームになり、1箱1万円という相場も出た。去年のうまみもあって、産地がたくさん作っているので、今は5分の1くらいの値段になった。これで広がっていくかもしれない。

 【食べ比べの感想】
・以前に食べたときよりも味がしない。
・沢田先生/やせたい人はヤーコンをオススメ
・まずくはない。酢の物にしてあえるといいのかも。
・自分には合わない。好きでないと売れない。私は五郎島よりほかのイモよりおいしい。
・荒井先生/ヤーコンは新しい野菜の紹介では中華料理に向くとされていた。豆板醤をきかせてクセをなくし、歯ざわりを生かすとよい。酢の物はだいじょうぶだと思う。

●柿
 柿は広域合併のため、一つの県で山手の柿と平手の柿が出てくる。どちらの産地なのかという確認と、そういうものを明示して出荷してもらうことがこれからの取引には大事だということを卸売会社、出先の県連の職員に伝えていきたい。

 ことしの柿は栽培環境に恵まれ、値頃感もある。特に渋柿等は種がほとんどない。食べやすいということが受け入れられてきたのかもしれない

新潟 おけさ柿

●イチゴ

 イチゴは輸入物はほとんど業務筋関係。従来は色がつけばよいというものから一般的なものまで食味を考えようということで現地でも変化していきている。このため、国内のものと区別がつかないようになってきた。
 イチゴは台風などの影響もあって心配したが、おおむね潤沢な出荷が予想される。
 
●ミカン
 ミカンは、産地では昨年の厳しい販売環境と品質が伴わなかったということで失望したと思うが、産地も水切栽培(木の周辺にサイベックスというマルチ栽培をしてよけいな水分をとりこまない栽培)で、糖度も一定のものを出荷するようになってきている。昨年からすると80%作で、量が少ない中で産地選びをしてほしい。どちらかといえば小玉でS玉傾向。マルチ栽培が多くなったので、酸味があり、味の濃いコクのあるミカンが多い。光センサが万能ではないので、ベロメーターできちんと味を把握をしてほしい。
 静岡は九州の産地に比べるとやや大玉。価格の見通しは若干のぶれが出そう。


【荒井先生の料理報告】

●ふかしいも

 京都のふかしいもで行列ができる店をみると鳴門金時を使って塩水に漬け、四角い蒸籠でたてかけている。それで早速やってみた。生理食塩数が0.8%なので1%にして、30分ふかしたところ、甘味を引き出し、締まった味になった。
 
●煮物の料理

 煮物の場合、野菜の成分や組織をやわらかくして持ち味の美味しさを生かす。おにしめ、煮付け、含め煮など、調理によって名前が違ってくる。
 おろし煮は、ダイコンをおろして煮る料理。サバをから揚げしてできあがりにダイコンおろしを入れる時もある。

 いろいろな形に切り分ける呼び方として、角煮があり、ナスは火の通りをよくするために茶せん煮などもある。

 煮干は頭と腸がついていると魚臭いので、上がりに酒を入れるとよい。煮干はオーブントースターで焼くとよい。
 含め煮は火をおろして温度が下がる間に味がふくまっていく。70度くらいで調味料や味を吸収し、そこから下にいくと変化はない。だから調理鍋だと鍋ふたをしておけばよい。
 含め煮はたくさん作るほうがおいしくできるので、作って売るとよいのではないか。

 煮汁の量は鍋によるが、何層に具を重ねていくよりも平らに並べるほうがよい。分量は、塩としょうゆは1:5で、8(だし):1(しょうゆ):1(みりん)。

●めんつゆ

 今日はナスをから揚げし、だしで薄めためんつゆに漬けた。千両なすならばちょうどよいかもしれない。3〜4月の式部のようにかたいナスやまずいナスをおいしくするにはめんつゆがよいと思う。
「さしすせそ」は、砂糖、塩、塩の分子は細かいので、塩を砂糖より先に入れると、吸い込んでくれない。砂糖を入れてから、塩としょうゆを入れる。いちどきに入れるのでなく仕上がりに少々残しておいたしょうゆを入れるのが煮物のおいしさを引き出す。

 料理も材料に酒をのませていい気持ちにさせるとおいしくできる。しょうゆと酒を半々にして入れる。まずいごはんに酒を入れるとおいしくなる。「す(酢)」は色止め、「せ」はしょうゆ、「そ」はみそである。
 煮物は水と一緒に煮るので、こがさないためだしをよけいい入れたりするが、よくない。追汁もあまりよくない。
 ふかしたものを味付けする場合、汁を作っておいてからめればよいのか。
 ゴボウは使わないものはふかしておけばよい
今日の青森産は肉質よく、北海道産はやわらかい。中国産は筋っぽく、汁をたくさん入れたが汁が入りにくい。


 当日は長崎県佐世保市で西海みかんを作っている「味っ子研究会」の生産者、八並光徳さんと田中真一郎さんが見学。感想を述べつつ、ことしのミカンの状況を語った。

「どういうような流通のしかたで出ていくのか、どういう売り方をしているのかを見てくるようにといわれた。今年の西海みかんは量が少なく、内容もよい。若干酸の抜け具合にばらつきがあるので、ある程度時期をずらして酸が消えた園地から出荷していく」