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平成14年度 第10回 2月16日(日)開催

 この日は昨年3月まで女子栄養短期大学・香川栄養専門学校で教鞭をとられた川村玲子先生に実践栄養学の立場から「野菜果物栄養学」についてお話を伺った。


川村先生の講義

◆栄養とは

 ずっと女子栄養大学創立者の香川綾先生の研究室において、栄養学を毎日の生活にどのように役立てていくかという実践栄養学の仕事に携わってきました。本日は基礎的なところからお話をさせていただきます。
 
 最初に、みなさん、栄養というと何をイメージしますか。学生に聞くと、栄養のイメージは時代とともに変わってきています。

 私たちが食べるのは、生きるためです。人生80年と仮定すると、生涯に食べる量は約50トン、4トントラックで12.5台分にもなります。動物は外から物をとり入れない限り生きていけない。ですからどうしても食べ続けない限り生きていけません。まず体温を保たなければいけない。これには、私たちが使うエネルギーの半分以上を要します。「栄養」の“栄”を栄えるという字を使っていますが、今でも台湾では「營養」と書いています。「營食養生」、食を営むことによって命(生)を養うという意味を持っています。

 大正年間に創られた国立栄養研究所の初代所長の佐伯矩先生は、「栄養」の“栄”は「栄える」がよいと文部省に提言し、それから「栄養」を公用語にしたという経緯があるようです。大正時代の食事を考えると、とても貧しい食事でした。ですから、こんな貧しい食事ではいけない、食を栄えさせようという積極的な意味を含めて、現在の字になったのでしょう。

 栄養とは、外から必要な物質をとって、その物質を利用して命を保ち、成長し活動する。そういう営みが栄養です。栄養を営むために必要な物質が栄養素です。ですから、「ニンジンには栄養がある」という言い方は間違いで、「ニンジンには栄養素がある」が正しい言い方です。

 私たちの体の中では、エネルギー代謝と、物質代謝(新陳代謝)が常に行われています。例えば、でんぷんは体の中で消化吸収され、酸素を使って燃焼分解する。その過程でエネルギーが発生するということが行われています。新陳代謝は、摂った食物から筋肉、骨、臓器、血液などを造り、不要なものを分解し排泄していく代謝です。これも絶え間なく行われていて、新旧の成分の交替は臓器によって差があります。一番交替が速いのは肝臓なので、肝臓ガンなどで切り取っても再生が速いのです。これらの代謝を行う状態が、いわゆる栄養であり、それに必要な物質が栄養素です。

◆栄養素の種類と働き

 では、栄養素はどんな種類があって、どんな働きをするのでしょうか。栄養素の中で炭水化物、脂肪、タンパク質、この3つを三大栄養素といいます。これらなしには生きていけない栄養素です。

 三大栄養素は、体内で燃焼分解によりエネルギーを発生しますから、熱量素といいます。タンパク質の主な目的は、体の組織をつくることです。それを終えたら分解されエネルギーを発生します。

 無機質のうち、カルシウムなどは骨や歯の成分、硬い組織を作るという役割もあります。脂肪も皮下脂肪をつくります。

 脂質と脂肪の違いは何かというと、私たちが日頃食べている植物油類、ラード、ヘッドなど、肉についている脂などは中性脂肪(脂肪という)です。それに対してコレステロールとか、リン脂質、糖脂質は組織脂肪といい、すぐエネルギー源にならないものです。それらを含めて脂質といいますから、脂肪はそのなかの一種類と考えてください。 
無機質、ビタミン類は微量栄養素です。これらは摂り方は少ないのですが、生理作用を調節するという大変重要な働きをします。三大栄養素が熱量素に対し、無機質、ビタミン類は保全素、タンパク質は体の組織をつくるのになくてはならない栄養素なので保全素と考えてください。これらを五大栄養素と言っています。

 今の栄養素の定義は、食物として摂って吸収され、体に役立つものを栄養素としています。その下に食物繊維が書いてあります。食物繊維は腸内細菌によって多少分解されますが、ほとんどが素通りです。ですから、栄養素には入っていませんが、生理的にも重要なので第六の栄養素と考えるべきではないかという論議がされています。五大栄養素のほかに、機能性成分がいろいろ見つかってきています。これらを第七の栄養素だという人もいます。

 私たちの体の60%は水分です。水まで栄養素に入れている先生もいますが、水は日常生活をしていて体に不足することはないので、栄養素に入れていない先生が多いです。
栄養素を車でたとえるとタンパク質及び一部のミネラルはボディ、炭水化物・脂肪はエネルギー源なのでガソリン、ビタミン・ミネラルは円滑に動かすエンジンオイルと考えればよいでしょう。

◆栄養素をどれぐらい摂ればよいか。「食事摂取基準」

 日本人の栄養所要量の第6次改定が出たのは1999年(H12)です。5年ごとに改定されているので、2005年(H17)からは新しい栄養所要量に基づくことになります。たぶん来年8月頃には次の第7次改定が発表されると思います。第6次改定から栄養所要量についてはぐんと変わりました。食事摂取基準というようになりました。健康人を対象として、国民の健康の保持・増進、生活習慣病予防のために標準となるエネルギーおよび各栄養素の摂取量を示したものが食事摂取基準です。エネルギーについては、標準となるエネルギーで、各栄養素については摂取量だという違いをよく頭に入れてください。

 平均必要量、栄養所要量、許容上限摂取量の数値を総称して、栄養素を基準においた「食事摂取基準」としています。

 これが第6次改定栄養所要量になります。

「平均必要量」というのは、人間が最低限必要なのはどれぐらいの量かを示しています。タンパク質を最低どれぐらい摂ればよいかというときに、タンパク質は窒素を含み、私たちの体内では窒素を処理できないので、尿中に排泄されます。食べたタンパク質の窒素と尿中に排泄する窒素の出納実験によって求められます。

 そういう実験をした場合、50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量を「平均必要量」としています。「栄養所要量」は、特定の集団に属する97〜98%の人がこの量を食べればだいじょうぶという栄養素の量です。

 また、「許容上摂取量」が第6次改定から出されました。過剰摂取によって健康障害を予防する観点から健康に悪影響を及ぼす危険のない栄養素摂取量の最大限の量です。かなり幅がありますが、私たちが摂ってよい「摂取安全域」は、栄養所要量から許容上限摂取量までの間です。これは保全素の栄養素についての摂取安全域です。

 ミネラルは12種類(第5次改定まではカルシウム、鉄しか出されていなかった)、ビタミン類は13種類が出されました。

◆エネルギーの摂り方

 エネルギーはどのようにして摂ったらよいのでしょうか。エネルギーは、私たちが生きるうえで最も重要なものです。大切なものだけに、余分はどんどん蓄積してゆきます。その結果が肥満です。ですから、エネルギーは必要量=所要量と考えてください。毎日のエネルギー管理は、各自の体重の増減を目安にします。自分の体重が徐々に増加してゆくならエネルギーの摂り過ぎ、減少してゆくならエネルギー不足です。

 まず、自分の適正体重の範囲を知りましょう。体重はBMI(Body Mass Index 体格指数)で計算します。BMIは
BMI=体重kg÷身長u(身長150〜178cmの成人に適用)
で計算できます。

 日本肥満学会によるBMIに基づく肥満判定では、基準を、やせが18.5未満、正常18.5以上25未満、肥満25〜40以上(この間が4階級に分けられている)と発表しました。

 栄養調査によると日本人は肥満傾向にあります。適正な体重はBMIがどれぐらいかという調査を5000人ぐらいについて行ったところ、BMIが多くなるほど疾病率は高いということがわかりました。この調査で、男性は22.2、女性は21.9が疾病指数が最も少なかったのです。ですから、BMIは22ぐらいが適正ではないかということになりました。適正体重は、(身長(m))2×22で算出できます。

 適正体重を保ち、生活習慣病を予防するためには、三大栄養素のエネルギー摂取のバランスが必要です。この推移を見てみますと、1960年ころは炭水化物が多く、1980年ころに栄養バランスが一番適正になっています。1998年になると、タンパク質、脂肪が多く、欧米型食生活になってきています。適正比率は、脂質25%、タンパク質は12〜15%、炭水化物は100%から脂質・タンパク質の比率を差し引いた63〜65%ぐらい、少なくとも55%以上が推奨されています。しかし、炭水化物が75%以上になるとほかの栄養素が適切に摂れなくなります。

 PFC比率の変化に伴う健康の変化については、脂質エネルギーが増加すると@肥満、A高脂血症の増加、B結腸ガンの増加などがみられます。

 また、エネルギーバランスがよくなると、感染症が減少します。昔は栄養状態が悪くて、結核や伝染病でずいぶん亡くなりました。尿酸が増加するため痛風が増え、タンパク質の増加と食塩摂取量が減ることにより脳卒中や胃ガンが減少します。脂肪の増加と食物繊維の減少は、結腸ガンの増加などがあげられています。

◆食品は何をどのくらいとればよいか

 栄養素、エネルギーを充足するには、どのように食品をとればよいか。このあたりが毎日の生活で重要なところです。

 食品を4つの食品群に分けて考えます。第1群が牛乳・乳製品、卵、2群が魚介類、肉類、豆・豆製品、3群が野菜、芋、果物です。1〜3群が保全素、第4群は穀物、砂糖、油脂類で、主にエネルギー源です。このように、4つの食品群は、保全素と熱量素に分けています。もうひとつ、献立をたてるうえで便利なようにと区分されています。1群と2群は良質タンパク質源です。これらは献立でいえば主菜となるものです。3群は八百屋さんにあるものです。これは副菜です。4群は主食です。献立の基本である主菜、副菜、主食を簡単に構成できます。

(以下、第1〜3群は表にもとづく説明につき、ポイントのみ)

【第1群】

・第1群の栄養的な価値は、タンパク質が良質である。カルシウム、ビタミンB2が豊富に含まれ、牛乳・乳製品なしには必要量を充足することはできません。

・乳・乳製品は分子の短い飽和脂肪酸を含んでいて、これは肝臓にいってエネルギー源として利用されるという特徴をもっています。一方、コレステロールを上げて動脈硬化を促進する飽和脂肪酸も含んでいます。したがって、コレステロールが高い人は、牛乳は脂肪の少ないローファットミルクを選んだほうがよいのです。

・タンパク質はリンタンパク質のカゼインを含んでいます。消化によって分子が短く切られる過程でできるカゼインポスホペプチド(CPP)はカルシウムの吸収を促進する働きをします。

・ビタミンB2も最大の供給源。戦後の学校給食で、脱脂粉乳を飲んだ学校と飲まない学校では栄養状態にかなりの差が出て、日本人の食事には牛乳を加えることで不足している栄養素を補えることがわかった。4つの食品群には、栄養を完全にする食品として、第1群に置き、優先的にとるようすすめている。

・牛乳を飲んでおなかがゴロゴロするのは、牛乳に含まれる乳糖を消化することができない人で、日本人には結構多い。そういう人はチーズ、ヨーグルトで代用すればよい。だが、牛乳のように気軽にはとれない。

・カルシウムは骨密度を高くし、骨粗鬆症の予防してくれる。閉経期以後、女性は骨からカルシウムが急速にぬけ出し、骨密度が減少する。10歳代から30歳位までに骨密度を高くしておくことが予防につながるので、カルシウムの補給を考えてほしい。
・卵は、食品の中で最もタンパク質の質がよい食品。必須アミノ酸すべてが含まれていてタンパク質の栄養価は食品中最高である。

・精白米と小麦粉を比べると、タンパク質の含量は小麦粉のほうが多いが、小麦粉のほうが必須アミノ酸のリジンが少ない。このリジンが少ないというのが植物タンパク質の欠点であるが、食べるときに少ないところを補って100%になるようにとればよい。肉、魚、卵などを主菜にして、ご飯、パンを食べればリジンが少ないのを補える。主菜、主食を取り合わせて食べるとタンパク質の効率をあげることにつながります。

【第2群】

・2群は良質タンパク質源である。ビタミンB1は、肉や鶏肉、豚肉には多く含まれている。ビタミンAは豚の肝臓に多い。魚や肉の鉄にはヘム鉄を含み、吸収がよい。私たちの体内で鉄が分布している60%は血液中である。酸素と結合して各組織に運んでいく、いわゆる酸素の運び屋が鉄の役目である。鉄は赤血球の中にあり120日たつと破壊され、再び利用されるが、血液を失うことは鉄を失うことになる。生理のある女性は特に鉄の摂取に注意しなければいけない。

・肉の脂肪など常温でかたまっている脂は飽和脂肪酸で、コレステロールを上昇させる。
・魚の油はEPA、DHAを含むことが特徴。酸化されやすい不飽和脂肪酸であるが、血栓を防止(血管梗塞を防ぐ)、動脈硬化の予防、記憶力の向上などに働く。
・豆類は不飽和脂肪酸のリノール酸も多く含む。液体の油はコレステロールを下げ動脈硬化の予防の働きをする。

【第4群】

・第4群は穀物、砂糖、油脂。穀物は炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルも含んでいるのが特徴で、穀物を中心にとるべき。砂糖や糖分、油脂は脂肪だけの、ひとつの栄養素しかもっていない。

・胚芽精米はビタミンB1、ビタミンEを多く含むが、精白米になるとかなり少なくなる。
・4つの食品群の標準栄養配合は標準とするエネルギー量の80〜90%と内輪にしてある。残りの10%はアルコールや嗜好品などをとる余裕としてある。

【第3群】

 第3群は、野菜300g、芋100g、果物200g、合計600gを摂ります。これらは八百屋さんで売っているものばかりです。野菜の中の100g以上は緑黄色野菜でとります。そして、200gはその他野菜。この中には海草類、キノコ類も含めます。「健康日本21」では野菜を350g、緑黄色野菜は120gを目標にしています。野菜は水分が90%ぐらいなので、エネルギーは少ない。タンパク質も少ない。しかし、カルシウム、カリウム、鉄、ビタミンB1、B2、Cは野菜果物なしには充足できないということがおわかりでしょう。ですから、副菜を十分にとることは重要です。芋を100g摂取するのは難しいが、芋はビタミンC、カリウム、食物繊維、でんぷんをうまく燃やすだけのビタミンB1ももっています。

 いろいろな種類のサプリメントが出ていますが、あくまで食品そのものでとるということが大切です。

 4訂の食品成分表から緑黄色野菜と淡色野菜を分けなくなりました。栄養指導上今までどおり分けています。緑黄色野菜はβカロチン600μg以上のもの、中まで赤い、中まで青いのは緑黄色野菜とし、グリーンアスパラは100g中カロチンが340μgですが、緑黄色野菜としています。トマト、ピーマンなど600μg未満でも摂取量、頻度などによって栄養指導上緑黄色野菜にしています。

 ビタミンは健康的な生活を営むために欠くことのできない栄養素で、その補酵素作用、代謝を調節する作用が知られていましたが、ビタミンの中には抗酸化作用、細胞間情報伝達作用など、栄養素以外の作用があることがわかってきました。近年、活性酸素が正常の細胞を傷つけ寿命を短くすることがわかり、これを除去するビタミン、ミネラルがいま注目されています。例えば動脈硬化には悪玉(LDL)コレステロールが悪いといわれていましたが、近頃は悪玉コレステロールが酸化されて生じた酸化LDLが動脈硬化を発症させるといわれています。ビタミンの中ではビタミンA(カロテン)、ビタミンC、ビタミンEが抗酸化作用をもつビタミンとして注目されています。ビタミンA、ビタミンEは脂に溶けるビタミンなので、脂に溶ける活性酸素を除いてくれます。私たちの体は細胞でできていますが、細胞膜は脂肪で不飽和脂肪酸を含みます。それが酸化されないように働くのは脂溶性ビタミンです。水に溶けている活性酸素を除去するのが水溶性のビタミンCの働きです。このように、脂溶性、水溶性のビタミンが双方関連しながら活性酸素の酸化を防ぐという働きをしています。

 野菜果物はこれらの主な供給源になるので、その重要性がおわかりいただけるでしょう。

 カロテンは体内でビタミンAに転換するという重要さだけを見て、カロチノイド類(トマトなどのリコピンなど)はあまり重要視しなかったのですが、現在ではリコピンのほうがカロテンよりも抗酸化作用が強いといわれています。

 また、野菜、芋、果物のミネラルは、カリウム、カルシウム、マグネシウムの供給源として重要です。活性酸素を分解する酵素は、SODでその成分である銅、マンガン、亜鉛の3つとセレンが所要量に加えられました。マンガンは植物性食品に多く、亜鉛は果実類、銅はタコ、イカ、貝類のほか、野菜にも多く含まれます。

◆食物繊維の働き

 もうひとつ野菜、芋、果物の重要さとして、食物繊維があげられます。

 食物繊維には、水溶性、不溶性があり、体内における生理作用も異なっています。水溶性の食物繊維は、植物の細胞内にある貯蔵物質や分泌物で、野菜や果物に含まれるペクチン、海藻のアルギン酸、こんにゃくのグルコマンナンなどがあります。それから、不溶性の食物繊維は植物の細胞壁を作っているセルロース、エビやカニの殻のキチンなどがあります。食物繊維が需要だといわれたのはそれほど昔ではありません。イギリスの医師バーキット博士がアフリカの人たちの食生活を調べて食物繊維の働きを見つけました。

水溶性食物繊維の働きとしては、

1.食後の血糖の上昇をゆるやかにし糖尿病を予防。
2.腸肝循環する胆汁酸を吸着し排出するので高脂血症や動脈硬化を予防。
3.海藻の食物繊維は腸内でナトリウムをつけ便中に排泄し、高血圧予防に働く。

不溶性の食物繊維の働き

1.腸内で水分を吸い取り膨れ、また腸内細菌の餌などになって便容積を増やし、排便をスムーズにし便秘予防する。
2.食べ物や大腸内で生成された発がん物質を吸着し排泄することにより、大腸がんを予防する。
過剰摂取はカルシウム、鉄、ビタミンなど微量栄養素の吸収を阻害するが、目標摂取量(成人で20〜25g)の2倍程度までは安全と推奨されている。
大腸内に善玉菌(ビフィズス菌など)を増加する。

◆機能性成分の働き

 野菜には機能性成分の働きがあります。野菜を摂ることによりガンのリスクが少なくなります。多くのガンに対して有効で、野菜のとり方とガンは密接な関係があることがわかりました。ガンのリスクが増大するのはタバコ、アルコールです。

 こうしたことを受けて、文部省、厚生省、農林水産省の三省による「食生活指針」がだされました。アメリカでは「ヘルシーピープル2000」という健康栄養政策を出して目標値を決め、具体的に運動を進めた結果、心筋梗塞など疾病が減るなど効果が上がりました。その発想から日本では「健康日本21」がだされ、具体的目標値も決めました。それを受けて、「ファイブ ア デー運動」「毎日果物200グラム運動」などが始まっています。今後、この会でも「ベジフルセブン」運動を推進していくと聞きましたが、生活習慣病を予防するために重要な役割をになう野菜、芋、果物を十分に摂る必要性を広めて欲しいと思います。私は消費者として、主婦として、八百屋さんの役割に期待しています。


試食及び説明

江澤先生&沢田先生

◆ホウレンソウ(群馬県) アトラスヘルシ、アトランタ

 冬の露地ホウレンソウはうまい。だが、いいものが安いというのはおかしい。ある程度の値段で買ってあげないと農家もつくらなくなってしまう。

 現状では、本物の価値観が評価されていない。見てくれがよくないと評価が下がるというのが市場。理由さえ明示されれば評価したいという消費者は多いので、お客に面倒がらずに説明してほしい。お客は見てくれが悪いのは、八百屋が早く処分してよいのをじっくり売ろうと思っているのではないかと思ってしまう。きちんと説明して食べてもらえば納得してもらえる。

◆ナス 栃木県 しきぶ

 なぜ今の時期は群馬や栃木産がよいかというと、「しきぶ」の栽培に適しているから。寒さが厳しいので、千両だとつくりにくい。寒冷地でもできるなすは、皮が千両に比べてやや厚くなる。皮の堅いナスは素揚げにしてそうめんつゆで食べるとおいしい。