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平成14年度 第10回 3月23日(日)開催

八百屋塾の平成14年度(2002年4月〜2003年3月)も最終回。参加した塾生たちが順に感想を述べ、その後、各人に修了証書が手渡されました。また、江澤先生、東京青果沢田先生、荒井先生などが激励の言葉を贈りました。修了生たちの言葉をお届けします。
 
1)大滝豊さん−(有)三幸青果(板橋)
 一年間こちらで勉強させていただきましたが、今まで取り扱ったことのないような新しい商品も、こういうものがあるんだなぁとこちらで知ることができました。専業から専門店に将来的に移行しなければいけないという気持ちにはなりましたが、知識があっても、どのように実践して切り替えていかなければいけないかという具体的な方針がまだ打ち出せず、従業員にもこういうことを勉強しなければいけないということを徹底して教えることができていません。知り合いや周りの八百屋さんにも参加して雰囲気を体験してもらおうと連れてきたこともあるのですが、また行こうかというところまではいきませんでした。

 ただ商品の試食をしてみて、こういう比べ方もあるのだと驚きました。当面専門店になるということに、自分自身とても興味があります。新店舗にするときに、保健所の許可をとって店の真ん中に厨房をもってくるような販売のしかたをこれからしなくてはいけないのかなと思うようになってきました。

 まだ勉強といっても入り口くらいの状態で、これからいろいろ教えてもらわないとわからない状態ですが、できる限り参加して、専門店化するような形にもっていければいいなと思っています。

2)荻野保宏さん−荻野青果店(北足立)
 今年度初めて参加しましたが、東京青果のリンゴ担当者の方に「リンゴの鮮度の見分け方」を教わったとき、蔓を少し折り曲げて青みが残っているものが鮮度が良いということを知り、すごく勉強になったと思います。

3)星屋和彦さん−金星商事(株)(板橋)
 初めからずっと参加しています。うちはもともと魚屋で、八百屋はどちらかというと不得手なほうなので、いろいろとまた教わりたいと思っています。

4)嶋田久栄さん−鈴木青果(有)ヤマシチ生鮮市場(北足立)
 女性は料理を作るときに店に行って、自分の好物でメニューを決めるだけではなく、家族に喜んでもらえるように、みんなが健康になるように、何かいいものはないかと思っています。このときに、ちょっと栄養の話とか、ちょっとテレビなどでする話を聞くと、すぐに感化されてしまうのは、そういうのがいつも頭のどこかにあるからではないかと痛感しています。

 自分も野菜を嫌いではないのですが、食べ比べはしたことがありませんでしたし、栄養価を勉強するといっても計算ばかりしていたようなイメージがあり、野菜にどれぐらいの栄養があって、どういう食べ方をすると摂取できるのかというようなことまで追求して教えてくださる場がなかったので、それを知る機会にこの場を受講させていただきました。

 お客様に1日どれだけの量の野菜を食べるとよいかなど、ここで学んだことを話すと本当に実践してくれて、半分くらいの人が次回に会ったときに、最近は何を食べた?最近は何をした?と聞くようになりました。年齢層に関係なく、若い方もすごく勉強したがっているし、栄養価のことなども覚えています。それだけに、正確に教えてあげたいと思います。

 そのために、何度も何度も教科書を見ている状態で、「今日はごめんなさい、今度のときに必ず調べておくから」ということも多々あるんですけれども、そのぐらい興味をもってくれるというのはうれしいし、私もやりがいがあると感じます。

 ベジフルセブンについて、私もどんなものかと思ってやってみましたら、これは女性ならば必ずやせると確信しました。胃の大きさはある程度一定なので、それほど太っている女性でない限り野菜をあれだけ食べるとおなかがいっぱいになります。食物繊維がどうしても多くなりますので、おなかもすかなくなります。楽しみながらやっていければいいなと思います。

5)高橋芳雄さん(キャロット)(北足立)
3年間参加しましたが、いろいろと勉強させていただき、知恵もつき、それを店に生かしてだいぶお客様の間でも信者がだいぶ増えてきてありがたいと思っています。自分はやはり勉強しただけではだめだと思います。

 自分が店に帰って先頭に立ってやらないと、お客さんは信じてくれません。お客さんに自分の得た知識を教えていると、素直に実践してくれるんです。若い人でもやってくれます。これはうかつなことは言えないと思い、自分もますます勉強する気になります。専門店として、こういうことで活性化されていくのかと思います。

 私の店は100%小売なので、自分がなまけたり、無愛想だったりすると、その日の売り上げにすぐ響きます。これではいけないので、常に切磋琢磨してお客さんが欲する情報を与えるようにと心がけています。

 たとえば子供が風邪をひいておなかをこわして困っているとか聞くと、「じゃ、リンゴを与えておきなさい」「ニラのおかゆを食べなさい」と教えてあげると素直に実践してくれるんですよね。それで、おなかが治ったよと言われるとこちらもうれしくなって、八百屋という仕事にやりがいを感じます。

 みなさんも知恵をつけるだけでなく、つけたら生かさなければ。自分たちは料理をしなければいけないと思っています。よい料理法や上手な売り方があれば、みなさんで教えあう。それでいいんじゃないかと思います。ただし、売り方についての勉強が今までは足りなかったのではないか。やはり八百屋は売ってなんぼの商売なので、それも必要ではないかと思います。

6)杉本晃章さん−杉本青果店(北足立)
 3年間八百屋塾を受講して一番感じ入ったのは、江澤先生の教えの中で「食っちゃ、うまいんだ」ということです。3年間、食材の食べ比べをしてきて、「食べてうまい、だけど売れない」「食べたらたいしたことはないが見てくれがよいから売れる」、そういう品物が市場にはたくさんあるのだということがよくわかりました。

 それをお客さんに確実に伝えることができるのは、スーパーでなくて我々です。八百屋だからこそできる。ブルームのキュウリがブルームレスの皮のかたい、光ったキュウリよりもうまいということ、露地のほうれん草が見かけのよいハウス物より、味がよく栄養価も高いということを確実に伝えることが我々の使命なんです。それを3年間の教えの中で得ることができました。私は商売が楽しくなりました。来年度から役員として皆様のお手伝いをするほうに回りますが、3年間の教えは後輩の育成等に有効にさせていただきます。

7)石塚巌さん−石塚青果店(北足立)
 私も八百屋塾を3年間受講しました。1年目よりも2年目、2年目よりも3年目というように、参加するたびに野菜に対する知識がどんどんわかってくるようになりました。ベジフルセブンの運動と併用してこの知識を店の販売に役立てていきたいと思います。

8)高橋淳一さん−
 おもしろいなと思って2年たちました。野菜の知識をいろいろ教えてもらいました。しかし、お客様に対してはとても復習が大切だと思いました。復習していないと、パッと忘れて言葉が止まってしまうようなことがあります。今後、復習していきますから、野菜のことをいろいろ教えていただきたいと思います。

9)佐藤信二郎さん-サトウ青果(神田商組)
 ほうれん草の露地物とハウスの食べ比べをしたとき、確かにお客様は見た目のよいものを求める傾向があるので、露地のほうれん草をもってきてお客さんに食べていただいたら、意外と好評でした。やはりこれからは食べておいしいものを考えていかないといけないということをつくづく思いました。

10)秋田貞雄さん−鈴木青果(株)ヤオシチ生鮮市場
 去年から受講しました。スーパーに勤めていますが、スーパーの中の専門店をめざして勉強していきたいと思います。

11)宍戸三郎さん−丸シ(淀橋)
 先生のお話をいろいろ聞いて八百屋でよかったなというのが一番の実感です。野菜や果物が健康によいと見直されているなかで、商売ができるのはよかった。うちは父が一生懸命がんばってくれたおかげで、場所も設備もよいところで商売ができます。

 また、強力なパートナーがいるものですから(*八百屋塾にともに参加されていた順子夫人、この日はお休みでした)、八百屋でよかった、パートナーに恵まれた、あと、江澤先生に知り合えて強力な力を得たというのが一番の実感です。先生の話を聞いていると、「正義の味方」という言葉を思い出します。うちの子供にも正義の味方になれるようにというような方向で教えていきたいと思います。

12)柿沼正道さん−レ・アルかきぬま(有)柿沼商店(京浜)
3年間勉強し、ここで食べ比べしておいしいと思ったものは即、売るようにしています。去年うちは新装開店し、ことしから本格的に惣菜部門も開きました。自分で買ってもらって調理してもらうものと、そのほかに1〜2品、野菜を食べていただけるようにしています。

 私は果物専門なので、自分でも産地に行っていろいろとおいしい果物をお客さんに説明できるように努力して勉強しているんですけど、果物は嗜好品なので、なかなか買っていただけません。そこで、おいしいものは即試食をさせていて、今はデコポンがすごく売れます。デコポンは高いから食べさせられないという人も、食べておいしい、と買っていきます。

 食べ頃になって店で売れないというようなものも惣菜の部門があるとカットして売れます。これから八百屋さんが店で販売するだけでは生き残っていくには厳しい。やはりそういう施設ができるのであれば、惣菜やカットフルーツはやったほうがよいと思います。
 商品知識は自分なりに勉強するように努力するしかありません。これからも皆様とともに勉強していきたいと思います。

13)平良雄一さん−田中青果(豊島)
 ことし初めて参加させていただきました。回を重ねるごとに江澤先生の熱意が伝わってきて、勉強になりましたし、品物に対して自信をもって売れるようになりました。見た目が悪くてもおいしいものを自分で自信をもって売れるようになりました。自信をもって売るとお客さんも買ってくれる。おいしかったといってもう一度買いにきてくれるとよかったなぁと思います。自信をもって売ると本当に売れます。その代わり自分が食べないといけませんが、自分も果物の担当をしているので、必ず食べるようにしています。うまいと思ったら自信をもって売れます。明日は売れないというものは店の前で安値で売ると、それを買っていったお客さんがおいしかったといって今度は正規の値段で買ってくれるようになったりします。ここへきて学んでから、自信をもって品物が売れるようになったと思います。

14)西沢好晴さん−(有)三金(城南)
 これまで八百屋の可能性が見えなかったのですが、やっと新しい可能性が見えてきたかなという感じがします。お客さんとの会話の中で通じ合えるということが商売になっていくのだ、ここで得たものをお客様に伝えるということが商売なのだと感じました。それとともに、野菜と会話ができるようになったのが成果だと感じています。ほうれん草を食べ比べしたときに、野菜はしゃべらないが、野菜をじっと見ていると、言葉が聞こえてくると感じました。もっと、もっとお客さんといっぱい会話ができるようになったらいいなと思います。

15)岩崎隆之さん−(有)八百健(淀橋)
 3年間受講しましたが、印象に強いのは食味のことです。仕事をしていると、時間もひまもないので、母がつくっているものを食べて毎日過ごしていたのですが、比較して食べることもなかったので、すごくよかったと思います。

 あまり技術のほうがないので、漬け物のやり方とか、そういうものもやっていただければ聞いてみたいと思いました。

16)山本明夫さん−(豊島)
 3年間とても勉強になったと思います。八百屋とは何なのだろうと思ったとき、昔はただ売ればよいという感覚でした。それがこちらで勉強したことにより、食材自体がお客様の口に入ったときに感動を呼び起こすものでないといけないと思いました。それを痛切に感じたのは、最近です。ただし、これからは食材だけではだめ、調味料などを加えて食材を生かすということが自分にとっての課題だと思い、勉強していこうと思っています。

17)鈴木清高さん−(葛西)
 1年目、2年目と100%出席できていたのですが、3年目は諸事情と、講習内容が3年目になって自分なりにマンネリ化してきたのかなと思いながら足が遠のいてしまいました。来期は違う形でスタートするということで、初心に戻って一から勉強していきたいと思います。

18)田村市郎さん−(葛西)
 ことし初めて講習に参加し、勉強が大切だということがわかりました。印象に残っているのは深谷ネギです。これは生で食べるとおいしくないと思いました。ふだんは土曜日は夜遅くまで遊んだりするのですが、講習があると早く寝るようにしたので健康的にもよかったのではないかと思います。

19)秋元進さん−(有)秋元青果店
 江澤先生のベロメータを磨けという言葉が印象的でした。最近、栄養学や栄養素の勉強をしますと、勉強のおもしろさや楽しさを再認識している今日この頃です。

特別参加で、無事終了証書を手にした2人

土江昇さん(農林水産省関東農政局)
 トレーサビリティは安全・安心がひとくくりにされていますが、実は別の話です。いくら科学的に安全性が認められていても、消費者のみなさんが安心だと思うかというとそれは別問題です。みなさんのように直接消費者の方々と顔を接して物を販売される、こういった取り組みが消費者の方々にとって安心していただけるのではないかという気がしています。
 一年間通してみて、いまのみなさんのお話を聞きましても私の考えは間違えていなかったと実感しています。ぜひこれからもより消費者の方々に満足いただけるような野菜を売っていただきたいと思います。
江原 正規さん(東大院生)
青果物のトレーサビリティの調査をしているので、野菜に関して知らなければいけないかと思い、参加させていただきました。食べ比べや、みなさんといろいろお話できて勉強になりました。江澤先生のポリシーを受け継げるように私もパワフルにいきたいと思います。トレーサビリティは野菜に関してもどこまでやればいいのかはっきりしていません。論文をまとめるにあたって、みなさんから意見をいただければと思っていますので、その際にはよろしくお願いします。

講師の先生
江澤先生
 いまみなさんの話を聞いて、この学校をやってよかったなという気持ちでいっぱいです。専業店から専門店へ、物品販売業から食べ物食材店になるということがこの学校の目標です。
東京青果個性園芸室 沢田先生
 野菜の出回り状況などを毎月説明してくださいました。この4月で部署が変わるそうです。長らくお世話になりました。
 
荒井先生 上原先生 高橋先生
 
東京青果物商業協同組合
市川会長

 何よりもうれしい日です。八百屋塾をして本当によかったと思います。非常に厳しい経営環境のなかで、皆様方が貴重な体験を生かしてお店を一層活性化されることを期待しています。

八百屋塾を支えてきた東京都青果物商業協同組合役員、青年部役員の方たち。青年部会長は江黒さんから浅賀さんへバトンタッチ