江澤先生の講義(エッセンスのみ紹介)
・日本の農業は物を作るという手段が目的になり、量を作ればよいということになったので、質が落ちてしまいました。ですから、1980年頃から品物が余り、飽食時代に入ってきました。米はうまくなければだめということになりましたが、野菜のほうは依然として量の時代が続き、流通も質のことについてあまり言いませんでした。
・一方で、女性の社会進出が進み、食べる側の意識が変わったのに、作り手の意識は変わりませんでした。買い手のほうはモノを知らず、作り手は食べる人のことを考えずに量ばかりを生産していました。
・しかし、消費者は質の問題に興味をもつようになりました。農水省は消費安全局を設けて食の安全について取り組みつつありますが、野菜も問題になってきています。
・嗜好性は「肉質」「香り」「味」で決まります。特に野菜は、味が幅広いとはいえないので、調味料で味をつけます。「香り」は、口の中に入った臭いと外で感じる臭いとは違いますが、フレーバーによって違いが出てきます。
・安全性の問題については、食べる側からいえば農薬と硝酸体窒素の問題があります。
農薬は、撒いた回数よりも出荷の何日前に撒いたかが問題です。ですから、農薬がいやだという人は、流水でよく洗い、葉類はゆでるだけでもだいぶ違ってきます。
・野菜は「氏」「育ち」「食べ頃」が大事です。もともとの「氏」をどのように育てるか。育ちというのは、風土=自然条件、温湿度、光線、日照、土壌、栽培に適した作型などで違ってきます。
ハウス栽培のほうが高くて露地のほうが安いということでは困ります。果物でもハウス栽培のものはフレーバーが少ないということは、ハウスミカンと露地ミカンを食べ比べるとはっきりわかります。露地栽培をもう少し大事にしたほうがよいですね。
・いつ収穫したら一番うまいのか、早くとったほうがよいのか、遅くとったほうがよいのか。野菜は大体において熟したほうがうまいといえます。しかし、ダイコンはトウがたつようなものがよいというわけではありません。レタスは熟すと苦味が出てくるので、なるべく早めに収穫しています。
・なすは花が咲いてから20日ぐらいで収穫します。なすは最初のうちは中身がかたくて外がやわらかい。成長するにつれて皮がかたくなって、中に種が入り、中身もやわらかくなってきます。なすは6月頃が旬ですが、もともとインド原産なので、冷やしてはいけません。
・その日のうちに売ってしまうというのが一番よいわけですが、冷蔵ケースの使い方をどうするかがこれからの管理として大切です。収穫した後にも影響があるということを品種ごとに関心をもってください。
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鈴木先生(東京青果個性園芸事業部)の商品説明
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まず梅、ラッキョウについて。いまは南高梅の最盛期です。5月の低温の影響により、当初8300トンの販売計画でしたが、5800トンということで2割減、前年度の6割減です。南高梅で5000円くらいで昨年推移しましたが、今現在で7500円。6月3週いっぱいくらいの出回り。潤沢な入荷量はなかなかきびしい。価格的には下がることも、上がることもありません。
ラッキョウは鳥取県砂丘のラッキョウで、梅同様、天候の影響を受け、前年度の4割減。今後は茨城県、千葉産など関東物が出てきます。
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トウモロコシ
トウモロコシは「味来」が出て以降、各種苗会社はいろいろな品種を作っています。特に「恵味(めぐみ)」といわれる品種はそのひとつ。関東から東北まで作付けされています。
「ピーターコーン」(サカタのタネ)にとってかわったのが「味来」です。ピーターコーンは大ザヤにできる品種ですが、「味来」は大ザヤになりにくく、2Lの発生率が少ないといえます。
「味来」中心ですが、「甘えんぼう」「甘々娘」など、対抗馬がいろいろ出てきています。
なす
なすは、日本には非常にいろいろな品種があります。長なすというと福岡といわれるぐらい代表的な品種になっています。長なすの「筑陽」は関東にまで需要が伸びてきており、料理も万能なすとしてすすめています。
ごくふつうのなす、「千両なす」の特色は皮がやわらかく、棚もちが悪い、ぼけやすいことです。それに対抗してできたのが「式部」で、どちらかというと、かためで、棚もちがよい傾向があります。
高知の「春鈴」は、「千両」に対抗して作られましたが、それほど差はありません。「白なす」「赤なす」「王昭君」は需要が限られています。なすは消費者側からいえば、焼いてよし、漬けてよし、万能タイプが支持されています。日本では地なすがありますが、漬なす需要が大きく、関西や東北で「小なす」といわれるようなものが出てきています。漬なすは肉質がかたい。また、「王昭君」はもともと台湾の種を日本で作っています。
ピーマン
ピーマンは茨城県が主力です。大型になりやすく、光沢とやわらかさを一つの売りにしています。また、新しい産地として岩手県が出てきています。
グリーン系に対抗してカラーピーマンの需要が伸びています。ふつうは未熟果を収穫して販売していますが、完熟になると赤くなります。イエローももともとは緑色をしています。ピーマンのうまさを評価するには完熟品を食べるとよいでしょう。
アナスタシアの種はロシアのもの。日本で契約栽培して千葉で作っています。
料理法
トウモロコシは甘皮を残し、ラップしてから3〜4分レンジにかけると簡単でおいしい。薄皮を残しておくと、うまみが残せます。
・なすは揚げてめんつゆ(そうめんつゆのほうが薄いのでよい)につけて冷蔵庫に入れておくと、酒のさかなにもごはんのおかずにも合う。
試食
●トウモロコシ
-ゆでる-
1 徳島 JA麻埴郡 甘々娘
2 愛知 JA愛知みなみ 甘えん坊
3 静岡 JA遠州中央 ピーターコーン
4 福岡 JA柳川 恵味
★ピーターコーンの味には慣れているが、ほかの味はもうひとつと感じた。説明しながら売っているが、「甘甘娘」「甘えん坊」は言いづらいし、年配の人が多いので、ネーミングが好きではない。味は年配の人にすればやわらかいので食べやすいのではないか。
★年齢によって「甘々娘」のは受けが違うのではないか。
★「恵味」がよかった。ピーターコーンは見栄えはよいが思ったよりは味はどうか。
★やわらかい系統は味が抜けないので売りやすい。
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徳島 JA麻埴郡 甘々娘
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●なす
-焼きなす-
1 長なす 筑陽 茨城 カルゲン会
2 長なす 筑陽 福岡 JAふくおか八女
★ 最初に食べた長なすはえぐみを感じた。
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右:筑陽 茨城
カルゲン会、
左:筑陽 福岡 JAふくおか八女 |
-煮なす-
1 千両2号 岡山 JA備南
2 春鈴 高知 JA春野
★なすの料理で考えたら千両がよい。春鈴はやわらかすぎる、甘い。
-揚げナス-
1 式部 栃木 JAおやま
2 王昭君 千葉 石毛農園
★「王昭君」はうまいと思った。
★「式部」のほうがおいしかった。「王昭君」は料理によって違う。 |
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王昭君 千葉 石毛農園 |
-塩もみ-
1 白なす 千葉 JAちばみどり
2 赤なす 熊本 飽田
★赤なすは皮がかたい、白なすは違う野菜みたい。
★赤なすのほうが食感的にも味的にもよかった。白なすは違う食べ方のほうがよいかもしれないと思った。
★白なすはシチュー用にと提案している(東京青果)
●ピーマン
-熱湯をかけたもの、揚げたもの-
1 みおぎ 茨城 波崎青販
2 京ゆたか 岩手 石鳥谷
★京ゆたかは子供に向き、みおぎは大人向け。香りのよさ、苦味はみおぎのほうがある。
★なすとピーマンは揚げて甘みそにすればおいしい。若いお客が買っていってどうやってつくるのかをわかるとうれしい。
★湯どおしだけしていると苦味があったが、油で揚げると甘味が出てくる。
-生食(青、赤、黒)-
1 アナスタシアグリーン 千葉 ベジフルーツ
2 アナスタシアブラック 千葉 ベジフルーツ
3 アナスタシアレッド 千葉 ベジフルーツ
★食べられない野菜がピーマン、ピ−マンとしてアナスタシアグリーンは最悪。レッドなら甘い。
★(上記に対して司会者より)どういう味がするのかを頭に入れておかなければいけない。ぜひ努力して食べてください。(司会者
★あまりピーマンは得意な野菜ではないが、ブラックはかなりきつかった。
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アナスタシア 千葉 ベジフルーツ |
●荒井慶子先生
なすは機能性はあっても栄養は乏しい。けれども、独特な肉質をもっています。なすを色よく煮るのには3回はひっくりかえさないといけません。売るときにどのように煮たらよいのかをアドバイスしてください。
揚げびたしはみそをつけるとよいでしょう。
●上原悠子先生
我が家は3世代。とにかくいろいろなものを食べるのが好きです。なすは油とみそに合うし、ショウガやトウガラシともよく合います。しょうゆと酢とごま油を入れると立派な惣菜になります。
ちりめんじゃことピーマンを炒めるとおいしい。また、ピーマンは和風料理にも良く合います。なすは中華風にすると、とてもおいしいのでぜひ試してみてください。
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