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2003年(平成15年) 7月24日 (日) 第4回
品目:レタス、カボチャ、枝豆

江澤正平先生の講義
 仕入先である卸売市場をよく知ろう。要点と問題点

・卸売市場は、どうして起こったのか。農家が自家用に作って余った野菜をもったいないからと近所に配ったのが始まりで、次に、人が集まるところに定期的に持って行って売るようになりました。それが習慣になると農家の代わりに売ってやろうという人が出てきて商売として通用するようになり、卸という職業ができてきました。そうした店が1店、また1店と増えていって自然発生的に市場が形成されていったのです。

・江戸時代、駒込には東京の市場発祥の地とされる土物市場がありました。また、中仙道、日光街道などの往来が激しくなり、千住市場もできました。信長時代には楽市楽座が長浜にありましたが、徳川家康が江戸に城を構えると人口が増えてきて、米、野菜、魚などを安定供給させなければいけなくなりました。そこで、業者を集めて市場を意図的につくったのが神田市場です。そのときに徳川の人たちが食べるための納所をつくったので、市場用語で値下がりし困ったことを「なやむ」というようになったのです。当時の八百屋さんを伺い知るには江戸資料館に行くとよいでしょう。ミニチュア化された商店の街並みがあり、その中に野菜を並べた八百屋さんがあります。
・楽市楽座では農民は自由に栽培し、それに対して税金はかからなかったのですが、江戸の農民は自分の好きなものを作れず、決められたものを作っていました。問屋もそれぞれ扱う品目と時期が決められ、定められた時期よりも前に扱うと処罰されていました。1922年(大正11年)、神田市場には問屋が200軒くらいありました。

・卸売市場は問屋、仲買で構成されていました。小売商は問屋の店主を旦那と呼んでいて、いまでこそ立場は対等ですが、当時は相当階層が違っていたようです。

・果物は、明治30年代から大正にかけてようやく普及してきました。野菜は明治初めに北海道開拓史ができ、アメリカから多くの種や苗木を導入してカボチャやキャベツを奨励しました。新宿御苑、三田育種場などで研究し、リンゴも100万本以上の苗木の導入が1886年(明治19年)頃まで続きました。明治時代は新しいものが入ってくる時代でした。トマトは1600年頃には渡来していましたが、鑑賞用だったので、大正時代に入ると食用が作られるようになりました。 
・1914年(大正3年)第一次世界大戦、1917年(大正6年)ロシア革命が始まり、1918年(大正7年)に米騒動が起きました。ロシア革命のためにシベリア出兵すると、米が不作というのもあり、米でひと儲けしようと考えた人たちが買い付けをして高くなってしまいました。そういう状況になって米騒動が起きたのです。当時はあちこちで焼き討ち事件があり、神田の佐久間町には米の問屋が多いので、子供のころは「焼き討ちだ〜」などという声をきいて見に行ったものです。

・米騒動をきっかけに、当時は主従のような関係だった問屋と小売商が公設市場をつくろうという動きで団結しました。その時分は東京に市場が36くらいありましたが、野菜は3〜4割、果物は8割以上が神田市場に集まっていました。車を預ける「お茶屋」で、買出し人がいろいろ話をしたのが発端で、野菜と果物の各組合を作ろうとしたのですが、交渉が決裂したときに神田では野菜も果物も買わないと小売商が団結しました。1921年(大正10年)頃に、話がまとまり、組合ができてようやく小売商の地位が確立されたのです。このときにリーダーシップをとった中心人物が大沢常太郎さんで、小売商が団体を組織したのは画期的なことでした。

・食べ物の安定供給を図って、米は1921年(大正10年)に米麦法ができ、その後食糧法になりました。卸売市場法も、米麦法も、市民の生活を安定させようという社会政策からできていました。

・1922年(大正12年)に卸売市場法ができ、神田市場が始まったのは1935年(昭和10年)です。その時分の仲卸は品目別に販売していました。

・世界での卸売市場の経緯を見ても市民の生活安定に必要とされていて、1871年にドイツとフランスが戦争したとき、パリは敵軍に囲まれましたが、パリ市民は市場があったので生活に困りませんでした。卸売市場はそれほどに重要です。

・戦争が始まり、1940年(昭和15年)になると、いままでの中央市場法はストップし配給制になりました。このときには小売商が配給を請け負い、警察署単位に組合を再編成しました。その名残で、現在でも支部の名前は警察署単位の名前になっているのです。

・戦後は配給統制規則をやめ、卸売市場には複数の卸売会社が入り、中央卸売市場法が復活しました。戦後は仲卸がなかったのですが、あとからできました。セリ参加も当初は小売だけで、後から仲卸が加わりました。機能ごとに特化するほうが有効な場合があるので、果物の仕入は仲卸を利用することが多くなっています。

・戦後は、農村の状況も変わり、技術が進歩しましたが、品物がないので売り手市場になり、店に置いておけば売れるという時代になってきました。また、食糧供給不安があるので、野菜の供給を安定させようということで、1963年(昭和38年)には政府が野菜果物の安定を図る制度ができました。

・1970年に政府は減反政策を打ち出し、日本の食が余ってきました。食と農が分かれていることも問題になってきています。

・市場はよいものがあっても大事にしません。農家も卸売会社も食べ物として何を大切にしていかなければいけないのかを考えなければいけない時代に入っています。

 また、小売商は自分が本当に惚れて販売していないから、お客には伝わらない。だから売れないという悪循環です。白菜の「新理想」は非常にうまい品種なのに、出た当時は「いたみやすい」という理由で、あまり売れなかった。おいしい白菜がないかといって卸や小売店が育てたのでなんとか残っていますが、残らずに消えていった品種はたくさんあります。よいものは小売がお客に伝えて残していかなければいけないと思います。卸、仲卸、小売が三位一体といっても、互いに利害関係が生じるので合うはずはありません。それでも、現在は本当の意味の三位一体となって互いが持ち味を生かさないと対応できなくなってきます。

(市場の制度的な話やエピソード等は紙面の都合で省略しました)   


鈴木寛先生(東京青果個性園芸事業部)の商品説明
 
レタス 岩手 奥中山 サクセス
  長野 JA佐久浅間 サマーランド

サクセス

サマーランド

 各産地ともいろいろな品種が導入され、食味を優先、大玉傾向が導入されている。潤沢な入荷が予想される。なた、最近ではベビーリーフが多様化して6種類くらいを詰めたものなどが出回っている。


カボチャ 北海道 JA新はこだて みやこ南瓜
  栃木 JAうつのみや ET南瓜
  千葉 石毛農園 坊ちゃん南瓜

左から 坊ちゃん南瓜、ET南瓜、みやこ南瓜

 ほくほく感を消費者は支持している。みやこはほくほく感のある粉質の特徴をもつが、大きな6〜7玉サイズしかできない傾向があり、作りづらい。そのあたりを認識しておいてほしい。ETかぼちゃは、みやこと栃木の中山かぼちゃのよい点をあわせもつカボチャで、各産地が導入している。坊ちゃんカボチャの特色は電子レンジで調理しやすいことで、食味もよい。


枝豆 千葉 JAちば県北 サッポロミドリ
  新潟 JA越後中央 茶豆
  新潟 JA越後中央 夏の声(茶豆系)
  山形 JA鶴岡 だだ茶豆

左から 茶豆、だだ茶豆、夏の声、サッポロミドリ

 茶豆は見た目は悪く、味にクセはあるが、食べるとやめられないおいしさと言われている。茶豆系が増えてきている。また、山形のだだ茶豆は非常に多く見られる品種だが、JA鶴岡から出すものだけ「だだ茶豆」の名称を付けている。


荒井先生の料理アドバイス 
・カボチャはおしり側から切ると、切りやすい。
・レタスをみそであえると飽きないで食べられる。ちぎったレタスをみそでもめばよいのでとても簡単。
・試食に出したレタスのスープの味付けは、マギーブイヨン、中華クック、鶏がらとホタテ、黒コショウ、それに酒としょうゆ少々を足した。熱湯に入れるとすぐにしんなりと小さくなるので、量を多く食べることができる。今回は湧かしたところに調味料を入れて、火を消してから入れたが、家でするときにはスープ鉢にレタスを入れておき、スープをかけている。味噌汁も同様にできる。
・坊ちゃんカボチャを電子レンジでチンするときには1個ずつしたほうがよい。約6〜7分、小さいのだと5分でよい。
煮物の水はカボチャに対して1%の塩分、酒、しょうゆを加える。野菜もほろよい加減になるとおいしい味を出す。
・中国料理は豆を出してから料理することが多く、枝豆を塩だけで食べるのは日本だけ。

試 食
★感想はいろいろ
・レタスのスープが大好評。
・レタスとみそが合うことにみんなびっくり。
・(野本さんより)枝豆のゆで方は7分くらいが適当。
・(近藤さんより)黒豆はゆですぎるくらいにゆでると甘みが出ておいしい。
・ほくほくしたほうが甘味があって好きという人が多かった。坊ちゃんカボチャは、電子レンジで調理できるので有望。
・(高橋夫人より-講習会で学んだレシピ)坊ちゃんカボチャを電子レンジし、種をくりぬいたところに、ココナツミルク、砂糖、生たまご1を攪拌したものを流し込む。市場の講習会で教わり作ってみたところおいしかった。

参考出品の青果物について(高橋さんより)
・ベビーマンゴーは小さいものは皮をむいて丸ごと食べて種を出すとよい。ことしは人気が出ている。
・新潟の焼きナスというのはやわらかいので、しょうがじょうゆで食べるとおいいい。東京で入っていなかった時期に取り寄せたが、全国に友達を作って各地に埋もれた野菜を知らせていくとよいと思う。

ベビーマンゴー

八百屋塾の高橋さんのお店のアイディアです

高広青果(株)では、季節のこだわり野菜などについてカラーチラシを使いPRしています。制作はご子息が、PCで作成しているそうです。