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2003年(平成15年) 12月14日 (日) 第9回
品目:ネギ、ダイコン、ミカン

 はじめに浅賀会長よりうれしいニュースが報告されました。杉本青果店さん(足立区)が(財)食品流通構造改善促進機構主催第13回優良経営食料品小売店等全国コンクールで農林水産省総合食料局長を受賞したのです。このコンクールは優良な中小食品店等の経営ノウハウを収集、公開することを目的に開始された事業で、杉本青果店さんの優れた経営ノウハウが高い評価を受けました。表彰式は1月23日東京全日空ホテルで開催されます。

 「八百屋塾で一緒に勉強してきた賜物と感謝しています」と杉本晃章さん。八百屋塾のお店は「みんな元気だね」といわれるように、ことしも学んでいきましょう。

杉本青果店の店主 杉本さん


芦澤先生の講義 野菜のF1の話
 
 F1を最初に実用化したのはアメリカで、植物はトウモロコシです。日本では明治の末に蚕でF1が本格的に実用化され、その後ずっとF1を使用して日本の蚕産業が成り立っていました。F1を作るためには、F1の元になる在来の品種が数多くないといけないのですが、日本の蚕糸試験場はそれらを集めているという意味では世界最高でした。最近は、日本の養蚕業が衰退してしまい、F1の元になる大事な親を維持するのがやっとという状態になっています。

 今、絹は世界の大部分が中国で生産され、次にインドが追いかけています。ですから、西陣織とかいっても、中国産の絹を使わないとどうしようもない状態です。日本は元になるものをたくさんもち、それらを組み合わせてどんなものができるかという蓄積があるのですが、産業としての養蚕がなくなっているので、うまくいかない状態です。
 

■F1第1号はナス

 野菜で一番最初にF1ができたのはナス「浦和交配1号」(白茄×真黒 1924年 埼玉農試)です。「埼交(柿崎茄)」も同時に作られ、柿崎という人がF1を初めて埼玉県のナスの産地に広め、それが第1号になりました。「浦和交配1号」に「浦交」、「埼玉交配1号」に「埼交」という名前を付けて発表されました。そのころの埼玉県の農業試験場は浦和市にあったので、浦和という名前が付いたのです。その後、キュウリ、露地メロン、スイカでF1が育成されました。

 ただ1940年過ぎから戦争が始まり、種苗統制令がしかれたのでF1開発の動きがストップしました。F1にすると3〜4倍も価格が高くなるので、なぜF1と一般の品種とがそれほどに違うのかということで統制されたのです。F1を高く売れなくなり、どこもF1にするのをやめてふつうの品種を売るようになりました。ですから、果菜類のF1の利用は早い時期から発達していたのですが、戦争でいったん途切れてしまいました。

■葉根菜類のF1第1号は「幻のキャベツ」

 戦後、1950年過ぎからまた次々とF1が育成されることになりました。果菜類は全部人工交配でF1をとるので早くからできるようになったのですが、葉根菜類(大根、キャベツ、ネギなど)は人工交配で種をとることはできても、交配一つ当たりの採種率が非常に悪かったのです(大根が一番効率が悪く4〜5粒、白菜でも10数粒)。

 果菜類は人工交配でもまかなえ、10a当たりの栽植本数は非常に少なくてすみ、果実ができるとその中にたくさん種が入っていて1交配当たりの採種量は非常に多いのです。スイカだと栽植本数は100の単位です。

 ところが葉根菜類になると10a当たりの播種量が非常に多く、葉根菜類を手交配でF1をとるのは効率が悪いというので普及しませんでした。10a当たりの栽植本数は大根だと数千本、タマネギだと万の単位です。戦後になると、葉根菜類のいろいろな性質を利用して人の手を煩わさずにF1がとれるという技術が確立し、葉根菜類でも急速にF1の利用が始まりました。

 キャベツの「すてきカンラン」(中野早生×サクセッション 1940年、坂田商会=現サカタのタネ)は戦前に出来上がっていましたが、種苗統制令が出てF1で成り立たなくなったという「幻のキャベツ」です。カタログには出ていますが、一度販売されだけで終わってしまいました。「すてきカンラン」という名前は、有名な野菜学者であった篠原捨喜氏が採種方法を考え出し、キャベツで初めてF1をつくったことから命名されました。戦後までこれの元になったものが残っていたのですが、育種が進み、このキャベツも使われなくなりました。幻のキャベツは葉根菜類のF1のはしりでして、坂田種苗(現・サカタのタネ(株))のカタログには「すてきカンラン」の写真と記載がありました。しかし、そのカタログも今はほとんどなくなり、サカタのタネ(株)でかろうじて保存している程度になっています。

■戦後、F1の開発が進む

 戦後になり、F1の育成方法、特に葉根菜類の経済的に成り立つ育成種が可能になり、次々にF1が出てきました。F1が全く使われないのがキク科の野菜(レタス、ゴボウ、春菊など)です。もちろん人工交配すればとれますが、とても採算ベースに合うような種はとれません。キク科の場合、全部原則として自家受粉です。自家受粉するものはきれいに除雄して、交配しなければいけないのですが、そんなことはとてもできません。

 マメ科の野菜もF1が経済的に成り立つようなF1採種はできないのですが、これらは閉花受粉なので花が開く前に受粉してしまい、F1がとれないのです。キク科の野菜にしても、マメ科の野菜にしても、管理をきちんとしておかないと、他のものとかかりあったものができて品種が雑になるということで、厳しい採種体系がとられていますが、経済的に成り立つF1がとれないということです。

 戦後、急速に発達してきた葉根菜類のF1のはしりになったのが、キャベツ「長岡交配1号」(大峯×サクセッション 1950 タキイ種苗)とハクサイ「長岡交配1号 京都3号×芝罘 1950年 タキイ種苗)です。京都の郊外長岡市にタキイ種苗の農場があり、そこでF1の採り方が確立したので、長岡交配という名前がついています。現在、タキイの農場は滋賀のほうに移り、タキイの品種は長岡交配と言わずにタキイ交配と言っています。特にキャベツの「長岡交配1号」は、アメリカで開催されるオールアメリカンセレクションに出品され、日本で初めて金賞を受賞したので有名な品種です。「長岡交配1号」は経済栽培されていませんが、タキイ種苗では記念すべき品種ということでカタログに掲載しています。

 現在ではいろいろなものでF1ができていて、コマツナ、京菜などもあります。コマツナは現在ふつうに食べられている品種はF1ですし、大変人気が出てきた京菜もF1が出てきています。F1になるのが遅れていたネギでもほとんど全部F1になってきています。小ネギでは「タキイ交配小春」((中国系×九条細)×九条太、1989年、タキイ種苗)、大ネギでは「サカタ交配夏扇一本」(越谷黒系×聖冬一本系、1989年サカタのタネ)が出た後、ネギも急速にF1になりました。やがてふつうに取引されるネギはすべてF1になると予想されます。

 日本におけるF1の歴史は、最初に果菜類、次に葉根菜類になりました。ダイコン、キャベツ、ハクサイ、コマツナなど現在ふつうに食べられ、商品として流通しているものは100%F1であると思って間違いありません。ネギはまだF1でない部分がありますが、これも急速に変わっていくでしょう。

■F1の功罪
 
 F1の功罪は、揃いがよく、収量も上がるし、栽培もしやすいことです。しかし、新しいF1を作り出すには、F1の元になる在来の品種がないとできません。ですから、在来の品種を保存するには、国を含めて、各種苗会社がお金をかけて保存をしているわけです。

 私は若い頃、在来の品種を集めてそれを保存するという仕事をしていました。種苗会社の協力を得ないといけないのですが、当時(約40年前)は種屋さんに在来品種をくださいといっても、快く在来の品種を出してくれました。最近はくださいといってもくれません。40年位前ならば断られても探し出すことはできましたが、最近はF1が大事な財産になり、お金をかけて保存しているので、くださいといっても冗談じゃないという話になります。

 F1を保存する低温貯蔵庫はある程度の大きさで、−20℃で貯蔵しなければいけないので、ある程度資本をもっていて投資できる種苗会社でないとできません。
 それで、一番困るのはニンジンとネギです。採種して自然の条件で出して置いておくと1年ともたないので、そういうものを貯蔵するとなると厳重な管理が要ります。スイカやメロンのような果菜類は温湿度が上下するといけませんが、ふつうの条件下で乾燥させて貯蔵すると20年くらいもちます。そのようなものの貯蔵は、ある意味では簡単です。

 F1を作るためには、F1をとるというための基礎がないといけません。それにもお金がかかるし、元になる品種を貯蔵するにも大変なお金がかかります。国に生殖質保存施設があり、それまでに集められたものが全部保存されていますが、そこには長期保存庫(−20℃)と、供給のための短期保存庫(−0℃)があります。国側の機関は申請があれば必ず出すということになっていて、短期保存庫にあるものを出してくれます。短期保存庫を順番に使っていって先が心細くなると長期保存庫から少量出し、それで増植し、また短期保存庫に入れるということをしています。

 −20℃でよく乾燥して保存しておけば理論的には永久保存ができます。わが国の保存施設は1サンプル(ほんの少量です)につき5000円必要になりますが、アメリカと旧ソ連はこうした施設が発達していてどちらも無料で提供してくれます。日本の場合、審査があり、利用できる能力がないと分けてくれません。

 以上がF1の流れです。現在経済的にF1採種ができるものは全部F1になっています。ネギは最近F1になり始めていて、その前はニンジンでした。ニンジンは現在ほとんど全部F1になっていますが、正月頃に出てくる金時ニンジン、大長ニンジンはF1になっていません。というのも、多大な投資してF1を採種したとしても、種の売れる量がたかがしれているから、F1になっていないのです。

■主な野菜の育種法

 主な野菜の育種法には「F1(一代雑種/人工交配、雄性不稔、自家不和合、雌性系、雄株抜取)」「F2利用」「固定種」「栄養繁殖」があります。

 「F1」とは一代雑種です。
 「F2」を利用したものもかつてはありましたが、手交配による採種が難しく、採種量が非常に少ないもので利用されていましたが、現在ではありません。
 「固定種」は、F1をとれないもの、F1をとっても成り立たないものです。
 「栄養繁殖」はフキ、イチゴ、ウドなどです。
 これでどんな形でF1をとっているかがわかります。
 アオイ科のオクラは96年頃だとまだ固定種が多く、F1(人工交配)は使われ始めた程度でしたが、最近では経済栽培されているものは全部F1になっています。家庭菜園用などに供給される種として出ているのが固定種です。

 F1の採り方としては、「人工交配」をするのは果菜類です。
 「雄性不捻」を使用するのはセリ科(ニンジンなど)、ユリ科(ネギ、タマネギ)の野菜です。
 「自家不和合」でF1を作るのは、ほとんど全部アブラナ科で、最近は「雄性不捻」も利用し始めています。
 「雌性系」と「雄株抜取」を併用しているのがホウレンソウです。

 もう一つはスイートコーンです。スイートコーンは実のつくほうがメスで、先のほうに穂のように花が咲いているのがオスになります。雌株のトウモロコシの先に毛がいっぱい生えていますが、毛の一本一本が実につながっていて、それに花粉がかかってトウモロコシができます。ですから、上のほうを全部切ってしまい、別品種の雄の花粉をかけると、それでとれる種は全部F1になります。その種からみんなが食べているスイートコーンができるということになります。これは「雄株抜取」になるわけです。トウモロコシのF1は日本では全くとらずに、アメリカからF1の種を輸入しています。これは経済的にも引き合うのでアメリカに頼っているのです。日本の種苗会社が向こうのスイートコーンを見てきて、自分のところはこれがほしいというと向こうが供給してくれます。有名なバイカラーもこのようにして入りました。品種の名前を付けるのにも厳重な約束事があり、この品種はこういう名前で売るということで、向こうの許可を得て売るわけです。

 アメリカが困らないのは、日本向けスイートコーンは甘ければいいので市場がバッティングしないのです。向こうの人たちはトウモロコシ独自の風味がなければだめで、ただ甘いだけでは受け付けてくれません。一方、アメリカで普及している品種を日本にもってきても日本では売れないそうです。それで、アメリカ人は、甘いだけの品種を輸出し、「砂糖をまぶして喰えばいい」などと陰口をきいているそうです。

 メロンも日本では糖度をやかましくいいます。しかし、ほかの国の人たちはメロン独特の風味を大切にしています。

 トマトもその傾向があります。トマトのおいしさは「甘酸相和す」という良い表現方法があり、リンゴでもそのように言われています。甘いだけではだめで、酸味がないと濃厚なよい味は出ないということですが、日本はどうしても甘いほうに傾き、うっかり酸味が強すぎると「これはだめ」ということになります。日本とオーストラリアが共同でリンゴの育種をやっているのですが、オーストラリアの人は酸を大事にし、日本では甘さを大事にするのでなかなか意見が合わないという話を聞いたことがあります。しかし、「甘酸相和す」というのは非常に大事なことだと思います。

 ホウレンソウの場合、メスとオスが分かれていて、その間にオスっぽいメスとメスっぽいオスが出てきます。これが連続的に続いているので、完全なメスを作ったと思っても、パッと雄花が出たり、パッとオスっぽい雌花が出てくることがあります。少しでもかかるとF1でなくなりますので、メスとして植えているのをチェックし、だめなものを抜き取るのが大事な仕事になります。これは「雄株抜取」と「雌性系」が併用されるのです。

 人工交配の場合はちゃんと「除雄」し、それに人工交配をしていきます。中には雄花と雌花がきれいに分かれているものもありますが、大部分は人工交配です。日本のスイカは雄花と雌花が分かれているので、「除雄」の必要がなく、袋をかけておいて花が咲くときに花粉をかけます。

 「雄性不稔」は全くオスがだめになって、メスしか生きていない系統があります。それを利用してF1をとるわけです。メスしかできない品種をどうやって作るのか。これは大変な手間がかかって発見された方法で、これとこれを掛け合わせれば間違いなくオスの咲く系統がとれるという方法を利用しています。これもアメリカで発見された技術を日本で応用しているのです。

 「雄性不稔」の利用はネギの仲間に多いが、最近はアブラナ科やウリ科やキク科でも利用しようということが行われ始めています。 「自家不和合」というのは、オスもメスも揃っていて、しかも正常に受粉する能力があるが、花が開くと同じ花の中の花粉では実がならない性質がある。その性質を利用してF1を採種するものです。同じ花のオスだけでなく、同じ株、同じ系統の中の雄花では受粉できないという性質があり、それを利用してF1をとります。

 同じ系統の花粉では実ができないのですが、蕾の段階だと受精できます。ですから、蕾の段階のときに蕾を開いて、同じ株の花粉をつけてやり、親を維持していくのです。

 この方法は花で分かっていたのですが、これを利用して野菜のF1をとる方法を開発したのが日本生まれの韓国人学者ウ・チョウシュン(禹 長春)という人です。ウさんは日本の試験場に勤務していましたが、論文は評価されるものの当時はなかなか上へ上がれなかった。それをタキイ種苗が引き抜き、採種体系を確立させたのです。戦後、韓国に呼ばれ、韓国の野菜の品種改良の礎を築きました。日本人の母親をもち、日本で生まれて日本で育ったので韓国語は全くできなかったのですが、韓国では大変厚遇され、韓国で亡くなりました。韓国の試験場に行くと立派な銅像ができています。

参考資料「禹長春 (ウ ジャンチュン)博士の生涯」 -角田房子、わが祖国-禹博士の運命の種-、新潮社刊、1990年- という書籍があります。


ネギ ユリ科ネギ(Allium)属

 ネギはユリ科ですが、分類学ではユリ科でなく、ネギ科を作らなければいけないのではないかという動きがあります。

 ユリ科ネギ属に属する植物は非常にたくさんあり、世界中に分布していて、野菜としてだけでなく花としても利用されます。大きな葱坊主の花が咲き、白い色や紫色の葱坊主が花としても利用されます。ネギ属で一番利用の多いのはタマネギとネギで、ほかにニラ、ニンニク、ラッキョウなど。

 モンゴル地方に広く分布するアリュウム・アリタイカム(Allium alitaicum)がネギの元ではないかといわれています。下に小さな球根ができ、それが大変おいしい。モンゴル付近に自生し、ふつうに食べられていましたが、現在は絶滅危惧種になっていて入手困難になりました。私は10年くらい前にモンゴルの山の中に行き、はえているのを見ました。高い山の岩の中にポコッポコッと生えていて、ここへ放牧している馬がそれを食べたくて上っていくのです。人間がとってなくなるだけでなく、馬がとってしまうわけです。

ねぎの解説をする芦沢先生

 これは大変厄介な作物で、高地の寒い所でないとできない。モンゴルは平地が標高1500mくらいですが、平地に下ろしてくると一年でだめになってしまうそうです。非常に貴重な植物なので、採取不許可の種類になっています。しかし、モンゴルの山に住む放牧民たちについていくと、これが山ほど生えているのを見かけることがあります。

 アリュウム・ラモウサム(Allium ramosum)というのは、ニラの原種であろうといわれ、ニラの花と全く同じで、現地の人たちは葉を食べています。

 それから、赤い花をつけるアリュウム・モンゴリカム(Allium mongoricum)と白い花をつけるアリュウム・ポリリズム(Alliumu polyrrizum)は、モンゴルのゴビ砂漠に群生地があります。見渡すかぎり草原で、放牧されている山羊や羊が喜んで食べていました。この地帯に放牧されている羊は羊特有の臭みがなく非常に少なくおいしく、特別なブランド名がつき、高く売れるのだそうです。

 日本の場合はタマネギ、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウというのが主たる作物です。

 ネギには北のほうに分布するもの、南のほうに分布するもの、連続的に南まで分布しているものとあります。一番北にあるものはシベリアにあります。南は東南アジアの辺りまでネギが栽培できます。生態的な特性は大変違い、北のほうにあるものは休眠が深い、南には全く休眠しないものがある。これが連続的に変化しています。北のほうにあるものは、冬になって寒くなると地上部が全部枯れてしまって寝てしまう。ですから、零下何十℃という寒さがきてもクマの冬眠と一緒で、全く動かない。温度が高くなると春が来たというので動き出す。南のほうはそんなことをしなくてもだいじょうぶなので休眠をしないものがあるのです。

 日本のネギを典型的に分けるのは白ネギと、南のほうにある青ネギです。九条ネギの仲間は休眠しません。北のほうにあるネギは寝ぼけるネギもあるし、ちょっと眠るネギもあるし、深く眠るネギもあります。日本はシベリアのようには寒くならないので、シベリアのネギほど深い休眠をするのは少ない。日本のネギは、ほとんど休眠をしない九条ネギと、根深ネギといわれているグループがあります。根深ネギにも加賀群と千住群という2つのグループがあります。加賀群の品種は一番休眠が深く、冬になると寝てしまう。それに近いネギは「一本太」で、太いのが1本出てきて枝分かれしません。加賀群のネギには、「松本一本太」などの名前が付いているものがあります。

 千住ネギは、加賀ネギに比べて2〜3本に分かれます。太さは加賀群の品種に比べて劣りますが、関東では多くの品種ができ、休眠が深いものから浅いもの、分けつが多いものから少ないものまでいろいろあります。
 千住ネギは、おおまかには白と黒があって、さらにこの中に「合」があり、さらにうるさいことを言うとこの中に「合黒」などがあり、これが時期別に使い分けられています。

 昔は品種名そのままに「千住黒」とか言って売ってましたが、最近は、特にF1にしてからは、しゃれた名前を付けるようになったので、品種名を見ただけでは何か分からないような状態になっています。
 どちらかというと、北の寒い地方には根深ネギがあり、南のほうにいくと九条があるという分類です。九州から出てくる「万能ネギ」は、「九条細」というネギを九州朝倉の産地が本格的に作り、ブランドとして登録し関東へも飛行機で出荷するようになりました。これが関東へ進出してきたおかげで、関東で細ネギを食べる習慣ができてきたといわれています。

 両方の中間に当たる「越津ねぎ」は愛知県に分布しています。これは上の青い部分も下の白い部分も食べられ、よくいえば万能ネギですが、どちらにも味が及ばないと悪口を言う人もいます。九条ネギと白ネギのちょうど間の地帯につくられています。ネギはちゃんと生態的な条件に適応していろいろな品種があるわけです。
 根深ネギと葉ネギの出荷元とシェアをみると、葉ネギは関西にかたよって生産され、根深ネギは関東にかたよって生産されています。1人当たりの消費量は関東では5kgです。けれども関東で葉ネギのほうは1kg未満で、普及してきた割には少ないのです。関西では葉ネギの消費量が多くなっています。

 統計資料を扱うときに注意しなければいけないのは地域によって普及している品種が違うことです。ヤマイモの10aあたりの収量をみると、地域によってめちゃくちゃ違います。関東は長い大きな山芋を使い、関西は丸芋を使う。これを統計でみると、両方ともヤマイモで分類される。同じことがネギでもいえます。関東のほうが圧倒的に収量が多いわけです。

ダイコン Raphanus sativus

 ダイコンは日本の野菜の王様で、生産量や1人当たりの消費量は現在でも野菜の中では一番多い。1905年(明治38年)の1人当たりの消費量は53.3kgです。現在でも日本の野菜の消費量は100kgを少しこえたくらいなので、当時食べていた野菜はほとんどダイコンだったのでしょう。

 現在は18kgぐらいなので、約3分の1くらいに減っています。生産量も一番多かったときには350万トンぐらいでしたが、現在は150万トンになろうかというところまで落ちています。もちろん作付面積は非常に減っていますが、生産量は作付面積の減少に比べると少ない。これは栽培がしやすく、形質の揃ったF1を作っているので、生産量はその割には落ちないからです。そのかわり昔はダイコンを引き抜いてみるとダイコンになっていないものが相当ありましたが、そういうものがなくなってきました。

 二十日大根もダイコンですし、桜島大根もダイコンで、植物としては全く同じで、掛け合わせるとF1ができます。二十日大根と桜島大根を掛け合わせたときに、えらくス入りの早い桜島大根ができてしまったという話を聞いたことがあります。F1はよい性質同士をくっつけるわけですが、悪い性質もくっついてしまった場合、悪い性質がガバッと出てくるのです。

 赤い色の守口大根を作れないかということでやった人もいたのですが、あっという間にスが入ってしまい、1回やってやめてしまったそうです。

 「ダイコン品種の根形」を調べた人が50数種類を図にしたものがあります。

 日本のダイコンは白いものが多いのですが、東北には横に赤く筋が入るものがあります。ところが世界のダイコンを見ると、白、ピンク、赤、紫、灰色、黄、黒など様々です。黒ダイコンは外側は真っ黒ですが、輪切りにすると中は真っ白、日本のダイコンに比べて肉質が締まっています。貯蔵性が高くて、凍らせさえしなければ12月頃収穫し翌春まで置いておくことができるというものもあります。トウだちも非常に早いものから、トウ立ちの遅いものがあります。ヨーロッパのダイコンの中にはトウ立ちが遅いものがあります。ロシア人学者のブーニーさんが日本に1年半くらい留学してきてダイコンに興味をもち、戻った後、いくつかの品種を売り出しています。家庭菜園では人気が高く普及していますが、ダイコンを品種改良する過程で、蒔いたと思ったらトウが立ってしまうので困ったと言っていました。日本のダイコンの中にもトウ立ちの遅い品種もあります。黒大根は、「これ何?」というぐらい真っ黒です。

 ダイコンは大きいからといって収量が上がるわけではなく、桜島大根や守口大根も10a当たりの収量は多くありません。10a当たりの収量だけをとってみれば、昔の練馬大根のあまり大きくならないものが収量が多い。

 「四十日」は、東京の江戸川辺りで今でも栽培しています。「みの早生」は大事なダイコンだったのですが家庭菜園以外にはなくなってしまいました。「練馬大根」は、中ぶくら、理想、練馬に小分けされますが、中ぶくらはほとんど作られなくなりました。理想はたくわん用大根です。「方領」はどういうわけか曲がるダイコンです。「白上り」は京都で作っていた品質のよい大根ですが、ウイルスに弱いので現在はほとんど作られていません。「宮重」は青首大根の元になったものです。現在は「青首総太」が中心となって育成されています。

 「阿波晩生」は関西でたくわん用のダイコンとして残っています。 「聖護院」は京都のダイコンです。聖護院とはやっかいな名前で、ダイコン、カブ、キュウリ(最近はなくなったが)にこの名前があります。

 「二年子」「時無」は、トウ立ちの遅い大根で、トウ立ちをおさえるのは必ずこれを使います。無理なことをしなくても5月までトウが立ちません。ただしこれは大変品質が悪い、かたい、ダイコン特有の臭さがあるのが欠点です。青首大根を周年作るときに、3〜5月に収穫をしようと思うとトウが立つので、そうならないように「二年子」を掛け合わす。3〜5月の青首大根の品質が非常に悪くなるとわかっているのにトウ立ちを抑えるために利用しているのです。それを改良するのがダイコンの課題です。最近は韓国系のダイコンをトウ立ちの遅いものに使っていますが、これもどうしても肉質がかたく、品質が落ちます。

参考資料 ダイコン品種の根形


橋本さんのみかんに関する話(川崎市)

 佐賀 JA佐賀みどり 鹿島錦
 佐賀 多久  大津4号
 熊本 夢未来 宮川早生
 和歌山 JA紀南 宮川早生 樹熟
 愛媛 日の丸・真穴 南柑20号

 9月に日園連の人から話を聞いたときには、平成15年産ミカンは総生産量115万トンぐらい、外なりがよくて内なりが少ないという話だった。ところが、9月になって猛暑が続き、どこの産地もミカンが日焼けし、外皮がカチンカチンになって中がス上って正品にならないのが結構出た。11月は高温で雨が多くてミカンがだいぶふくらんでしまい、ジュース工場に回っているミカンが多くなった。そこで、12月の話では100万トンいくかいかないかという話をしていました。
 
 愛媛県の代表的な産地で、日の丸、真穴をもってきたが、これらは「南柑20号」。それに佐賀の多久からもってきたのは晩生の「大津4号」。佐賀県の「鹿島錦」というのは、興津早生の枝変わりらしい。和歌山のJA紀南の「宮川早生 木熟」は熟度12度以上あることになっている。熟度があがってくるとヘタの回りがちょっとしなびたような、しわがよったような感じが出てくるのが完熟の証拠だと産地では言っている。

 それから長崎県大西海の「原口早生」のセレクトをもってきました。糖度12度以上だが個選物なので大田市場で仕入れている人でも見たことがない人が多い。5kgで大中小のサイズがあるが、うちがもらっている小は1500円、中大は2200円。鹿島錦は中生として出しているようだが、早生系統等と同じような感じで食べやすい。優等のSが1000円、M1500円、L1800円、2Lが1300円、秀はS1500円、M2000円、L3000円。
川崎市の八百屋、橋本さんのみかんの話
 日の丸は優等Mで4500円、大津4号は「さが美人」で来ていますが昨日の競売で2800円、もうひとつ熊本の夢未来は宮本早生と書いてあるが、興津です。昨日は優等Mで3800円。それと、玉津の南柑20号は2500円、真穴は2700円でした。桜島小ミカンは今日1箱もらってきたが、ふつうはこんなきれいにならず、もっと小さくて汚い。店で売るにはちょっとどうかという感じのみかんです。

 私のところは7〜8年大西海を売っているが、手をかける人は少々天気が悪くてもいいものを出してくる。

 ことしはどこの産地も初荷のときに買えとすすめている。
 
休憩時間に、みかんの品定めをする出席者

 
鈴木先生の話

 ことしの状況は、すべての野菜が前進傾向です。今日は冬野菜ということでネギ、ダイコンです。

 ネギは今現在根深ネギで、この千葉県産のものは東京青果では光のネギといわれるくらい大産地です。これは品種がリュウショウ、特色としては病気に強く、収量がよく、味がよいどちらかというとグリーン系がやや薄め。これが現在主体となっている埼玉、千葉産のメインのネギです。

 それに対して下仁田ねぎは、鍋用で勧めていますが、姿、味も優れているので、別名「殿様ねぎ」ともいわれています。

 京野菜の一つである九条ねぎは青ネギの代表的な品種です。関西はこれが主体で青み部分を食べますが、関東は薬味的な要素が強い。それに対して、尾張の越津ねぎは愛知県と話し合いができ、なんとか入れることができ、個性園芸事業部としても大々的に売っていこうということです。このネギの特色は青い部分も白い部分も食べられ、甘さが非常に強い。ということで、関西の九条ねぎ、尾張の越津ねぎ、それと、茨城県の伝統的なネギ、赤ねぎをもってきました。これは桂村の圷(あくつ)地域が原産地で、「圷ねぎ」「レッドポワロー」という名前でも入荷しています。本物は桂村の一部で昔から作られているものが「レッドポワロー」という名前で出ています(F1と伝統的なものとの違いあり)。

 曲がりねぎ(JA宇都宮)は二度植えするので、土の重さを利用し、上に伸びようとする性質を利用し、うまみを曲がりねぎにしたそうです。市場には曲がりねぎとして入荷し、甘みが強いネギです。
 

 続いてダイコン。主力は三浦大根で、この品種は、夏つかさです。元来白大根というような売り方で、神奈川の三浦大根が入手できなかったので、千葉県袖ケ浦で作られているものは都大根、別名新三浦で市場に入荷しています。これが代表的な品種です。今の人たちは辛味をきらうので、青首宮重総太りのような甘味の強いダイコンが好まれるようになり、年間を通じて青首系が入ってきています。青首は1kgくらいのL10本入りが好まれています。三浦系は2〜4kgに肥大する特色あるダイコンです。

 加賀野菜の代表格である源助大根は市場性があるというわけにはいかないが、肉質が極めてやわらかく、甘味が強いダイコンです。今日は聖護院大根をオーダーしたところ、聖護院かぶがきてしまいました。せっかくの勉強会なので、あえて今日はもってきました。これは千枚漬の原料になるかぶですが、よい機会なので食べてみてください。

源助大根を手に解説する鈴木先生

 佐賀県の女山という所に有名な赤大根という産地がありますが、今日もってきたのはそういうダイコンではありません。

 各産地ミニばやりだが、手軽さを売りにしたいということで、ミニ大根を売り出したのが根太大根です。これは甘みが強く、ふつうのダイコンとなんら変わらなく売ることができる。こうしたサイズが伸びるかどうかはわかりませんが、ことしは目につくくらいミニ大根が入荷しています。

江澤先生

 関西のネギの食べ方で関東と違うのは、ネギは細かく切ってみそ汁とかいろいろなものに入れる。細かくて薬味的な食べ方が多い。ネギは土地や気候を選ぶ。下仁田ねぎは下仁田で作ったのと、山を下ってきて甘楽富岡辺りや深谷辺りで作ったのと違う、煮て食べると甘いが、生やそばのときの薬味にすると辛くてだめ。

 白美人は土寄せ栽培ではない。まいたところにハウスで灌水ができるようにして作るので、かたいネギでもある程度やわらかくできる。その代わり生で食べるときにはいいが、煮るとあまりうまくない。だから、食べ方によってネギは違う。

 越津ねぎは愛知県では誰でもが知っていて、家庭菜園でもよく作られている。
 下仁田ねぎは産直で売っているのが多く、市場にはあまり出てこない。

 ダイコンでも市場では大きさで値段を決めているので、かたいのや水っぽいのも同じような値段で売られている。うまい大根を作ることが大切だ。今、家庭で1本買ったら食べきれないので、短い大根が出てきた。ダイコンは葉も栄養があるが、葉付き大根を売るときには家に持ち帰ったら葉とダイコンを切り離しておかないと葉に栄養をとられてしまうということを伝えてほしい。
 ダイコンとカブの違いは葉の外観では分からない。ダイコンは品種で売らないとだめ。産地と品種をみてほしい
 そば屋さんに売るための辛み大根も少しずつ出ている。そば屋さんが辛み大根をほしいのは夏場だが、一年中売られるようになってきた。場所や産地によってカブのような形の辛み大根がある。

 ●芦澤先生

これは衛青(エイチン)といったが、日本に戦前から入っていて長野県では支那青大根といって大変珍重して作っていました。大きくしないで食べるダイコンで、肉質が非常にかたく、おろしにすると甘味があり、浅漬けにしてもおいしい。
 日本のダイコンに比べると大変効率が悪く収穫まで100日もかかってしまうので、普及しませんでした。
 中国野菜ブームの頃にもう一度導入され、青長大根という名前で若干増えています。収穫までの日数が長いので高く売らないと引き合わないし、流通のほうへのせるとこんな汚いダイコンということになると思います。
 中国で一般的なのは「露八分」。八分上に出ていて青い品種で、おろし、生、スープ、浅漬けにしてもおいしいが、果肉が非常にかたいので煮るのには不向きです。

 短いダイコンは、一時期葉大根がはやった頃に種屋さんがいろいろ作り、おいしいという評価はあったものの、卸売市場に出したら「なんだ、こんな屑ダイコン」と言われてしまいました。それと収量も上がらなかったので、生産者、卸売会社、両方から嫌われて成功しませんでした。最近は少し見直されているようです。市場が屑ダイコンと思わない必要がありますし、農家にとっても収量が上がらないところを配慮しないとうまくいかないと思います。

 短い大根は試験場や種苗会社はずいぶん長いこと研究してきました。ごくわずかに種は流通していますが、市場に出すという形では出ていません。

 辛み大根で一番有名な品種は京都の「鷹ケ峯」というものがありますが、門外不出のようで種そのものが入手しにくい。ほかに、信州の辛味大根、秋田に秋田しぼり大根(つゆの中に搾る)という辛味大根があります。


食べ比べ

ネギ

群馬 JA碓井 下仁田ネギ
京都 JA京都中央 九条ねぎ
茨城 JAひたちの 赤ねぎ
栃木 JA宇都宮 曲がりなぎ
愛知 JAあいち北 越津ねぎ
千葉 JAちばみどり リュウショウ

*焼く(下仁田ねぎ、曲がりねぎ、越津ねぎ)
*煮物(下仁田ねぎ、赤ねぎ、リュウショウ、越津ねぎ)
 

越津ねぎ (上)曲がりねぎ (下)九条ねぎ 下仁田ネギ

ダイコン

京都 篠ファーム 聖護院かぶ
石川 末広青果 源助大根
千葉 石毛農園 赤大根
神奈川 JA三浦市 夏つかさ
千葉 JA袖ヶ浦 都大根
千葉 JA佐原市 根太大根

*煮物(源助大根、都大根)
*生(根太大根、青首大根、赤大根)
*おろし(根太大根、青首大根)
*漬物(根太大根、青首大根)
 

夏つかさ 赤大根 源助大根


食べ比べの感想

*三島さん(荏原)
 
ネギの食感がだいぶ違うと思った。下仁田はねっとりするところがあったが、ねっとり感がなくて食べやすいネギもあった。食べてみるとわかるが、言葉にすると違いがうまく表現できない。いかに言葉や文字にしてお客さんに伝えていくか。こういう違いを伝えるのが課題だと思った。

*江澤先生
 お客さんに伝えるといっても皮膚感覚を言葉にするのは難しい。店の人たちと、どこがうまい、どこが好きかと話し合うと自分の舌がはっきりしてくる。一番わかりやすいのは食べてもらうこと。人間というのは食べて話しているのか、耳学問で話しているのかは感じてくれる。その感じ方を伝えないといけない。なかなか皮膚感覚でわからせるのは容易なことではない。食べてごらんなさいというのが一番わかりやすい。野菜のおいしさは、たくさん食べても飽きないというのが大切。体のためにも野菜をたくさん食べないといけない。。

*杉本さん
 ハクサイは芯腐れが非常に多い。芯があがって切ったものは、芯がとけてくる。どっしりした芯あがりのよい、見た感じが素晴らしいものがみんな芯腐れになる。芯のあがりが悪いのを買うとくせが出ない。高いものなので気をつけて買わないと失敗する。

*浅賀さん
 私は売上のそばに天気をつけています。1日中雨が降った日が11月は6日ありました。一昨年(2001年)は雨で泣かされた日は2日しかありませんでした。6日も雨で泣かされたのは近年まれなんです。年間降雨量が農作物にも、また私たちの商売にも影響してきています。みかんには表年と裏年がありますが、これも雨が降るなどの気象条件により影響を受けやすい。食べてみればわかるが、雨のことにも注意を払ってみてください。

*橋本さん
 ことしは平成5年の気候に似ていて、夏場に雨が多いので、ミカンがあまりよくない。けれども、意外にいいのがデコポン。デコポンは7〜8月に雨が多いときには、酸の切れがよくなって食べやすい。だから、これからのギフトの商材にはいい。5kg箱優等はス上がりが出そうだが、うちは熊本の3kg秀を売る。化粧箱に詰め直してギフトにすると意外におもしろい商材になる。露地のものも期待できる。

*下仁田は生だと胃に来る辛さがある。根太は甘味があっておいしかったが、おろしにしたときに辛味が出たので不思議だった。ネギも食べ方によってかなり違う。
*ダイコンは料理によって味が変わるのがすごい。煮つけにしたときは都大根がくせがなく食べやすかった。
*ダイコンが安くて苦戦したが、いまも食べてみてカブがおいしかった。うちでは徳島のダイコンを置いて差別化を図っている。イチゴも品種がいろいろ変わってきて何をおいたらよいか悩んでいる

*橋本さん
 あまおうは4年前から出ているが、うちは試作段階のときにななしのごんべえで扱っていた。ことしのイチゴでまずいのは気温のせい。イチゴは花が咲いて40日で収穫するのが一番うまいが、ことしは気温が上がると色だけ先にきていて熟度がきていない部分があり、30日前後できているから酸が強くてうまくない。気温が下がってくると戻ってくるはず。

 特に、あまおうは最初にやった人は技術的に上手だったが、いままでとよのかを作っていてその続きであまおうを作ると少し違うらしい。だから、そのあたりのばらつきが出ている。年が明けるとだいぶよくなってくると思う。あまおうはイチゴの先がとんがっているとだめ。名前のようにもっと丸くならないとだめだ。

 さちのかは肉質がかたくて色が悪いが、おいしい。
 今シーズン柑橘はオロブランコが意外にうまい。
 うちは甘いみかんとうまいみかんと言っている。ぼやけたのが甘いみかん、酸があってコクのあるのがうまいみかんといって売るといわかってもらえる。

*浅賀さん
 八百屋にくる人はおいしいものを求めてくる。おいしくなければ買わない。おいしいものを求めている。


荒井先生の話

 プリントしてあるレシピは築地田村2代目の先生が書かれた本からのもので、絶版になっていて貴重なものです。
 2004年1月20日のNHK「男の食彩」でやるはずです。

 それから大根おろしはおろしがねによって違ってきます。一番よいのは銅の赤のおろしがねです。これが一番水が出ません。


 八百屋塾の取組が女子栄養大学出版部が発行する「栄養と料理」2004年2月号 で5ページにわたり紹介されました。塾生の店として杉本青果店も登場します。塾生、必見!!