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2004年(平成16年) 3月21日 (日) 第12回
修了式

平成15年度の八百屋塾も早いもので、最終回を迎えました。主催者側からの挨拶の後、一人一人修了証が手渡され、その後、参加者が感想を述べ合いました(紙面の都合により抜粋)。
浅賀隆夫本部青年会会長の挨拶
 我々がいかに勉強しなければいけないかとつくづく感じることができました。
 (この後、江澤先生など講師の諸先生や八百屋塾を支えたスタッフの方々にお礼を述べました)。
 
 
市川吉三郎理事長挨拶
 単に青果物を供給するだけではなく、健康に役立つ新鮮な野菜を、自分が舌で味わって販売する。これは素晴らしいこと。八百屋塾で勉強するのは、人生の素晴らしいチャンスだと思います。ノウハウをしっかりと学び、新しい時代に対応するような八百屋さんになっていただきたい」
 
江澤正平先生
 八百屋塾の目標は何か。皆さんが物品販売業から食材店、食べ物屋になるというのが目標です。

 どの仕事でも終点というのはありません。一つの区切り区切りで、いまどのへんまで走っているのだろうということを改めてお考えいただきたい。

 私の注文は、まず嘘をつかないこと。正直にいかなければだめです。

 もう一つの命題としては、儲けるか、儲かるかですが、儲かる商売ということをお願いしたい。それはお客さんの要望に応じてこちらが答えるという仕事です。それはみなさんが買うほうの立場になってみるとわかります。儲けるというのはお金が先です。儲かるというのはお金が後です。商品というのは役に立つ部分とお金の部分と二つ兼ね備えているわけですが、お客さんの立場に立ってみると、やはりお金が後で役に立つことが先です。
 今、野菜で一番問題なのは、おいしく食べるということです。野菜のおいしさというのは、今日食べても、明日食べても、あさって食べても飽きないで食べられる。みそ汁、漬物などにして毎日食べても飽きない、それで量も食べられるというのが一番大事なのです。それから品物だけでなく、食べ方にも問題があります。野菜を調理するのは面倒くさい。そういう面倒くさいものをお客さんに提供するわけです。だからみなさんの知恵を借りたいわけです。みなさんが食べ物屋になるのは時勢に合っています。

 食べ物屋というのは情報だけじゃうまくいかない。皮膚感覚で、食べてみなければわからない。自分が売っているものは全部食べているかどうか。食べ比べをしているということは、八百屋さんが非常によい立場にいるということなんです。自分たちは一番先端をいっているという意識をみなさんがもってほしい。
 食べ物屋になるには、技術をもち、お客さんに具体的に話ができなければいけない。自分の店に並んでいる品物は全部食べてうまいもの、まずいものがあるということを自覚してください。
 
鈴木寛先生
 産地も老齢化が否めない環境で、5〜10年度を考えた場合、間違いなく自給率は落ちます。市場にお世話になって30年になりますが、輸入事情がこんな現実を迎えるとは想像していませんでした。が、やはり生鮮というものの意味、鮮度イコールうまさ、うまさイコール鮮度、というのは今後ともどんなに消費者が変わろうともこのニーズだけは変わらないと思っています。安心安全というのは、慣行栽培であっても当たり前のことであって、何も無農薬、減農薬で作ったから安心安全とは言い切れないわけです。

 新聞の取材を受けたときに、「今の家庭は冷蔵庫が貯蔵庫になっている。適量でいいから毎日買ってその日に食べてくれ、野菜は生きているのだ」と訴えました。皆さん方と一緒になって消費者にそういうことを話していきたい。
 
受講生たちの感想(抜粋)

西沢好晴(城南)
 私は野菜が好きです。食べるのも、さわるのも好きです。八百屋でよかったとすごく思います。
 食べるというのは人が良くなると書いて「食」といいますが、食べるということで健康になっていくのだなと思います。人々が食を通じて健康になるということが私の夢の一つで、その夢を現実に職業としてやっていられるのが幸せだと思っています。
市川純子(城南)
 食べ比べをこんなに豊富にさせていただけるところはない。ベジタブル&フルーツマイスターのジュニアコースを受講したが、すごいスピードで8回が終わって証書がもらえた。それに比べて八百屋塾は、本当に丁寧に、いっぱい食べ比べができたので、ありがたいと思っています。
橋本幾男さん(大田)
 最近は果物のロスを出さないという面で勉強が足りないという感じがするので、これからはそういうことも含めて勉強していっていただきたいと思います。何かあったときには呼んでいただければ、カットのしかたやジュースの作り方は、今度は現物をもってきてやらせてもらいますから、皆さん、頑張ってください。
 

貝塚英子(淀橋)
 主人と二人で店をしていて、今はほとんど年寄りが主体です。少しでもよいから散歩のつもりで毎日来てくださいと言います。私が見本になって、野菜をこれだけ食べれば元気でいられる、肌もきれいでいられると説明します。ここで勉強したことをお客さんに話すことがいい勉強になります。知っているつもりでも、知らないことがいっぱいありました。店の終点がいつかはわかりませんが、もう少し頑張ろうと思っています。
 
貝塚早苗(淀橋)貝塚さんの娘さん
 自信をもってこれがおいしいよという話をさせてもらって、より多くの人においしいものを食べていただければと思っています。
 
中嶋歌子(多摩支所)
 タネの話一つでも世界がすごく広がりました。セロリは根の部分をスープにするとおいしいと言われたので、早速それをスープにしたいと思っていろいろ探すのですが、セロリは1本売りしかされていません。八百屋さんで束で売ってほしいと思いママした。
 組合の仕事をしていて、八百屋さんが少なくなっているので寂しく思いますが、組合の仕事だけでなく、地域というか家庭の中においても八百屋さんが近くになくなると不便です。やはり野菜は家の近くで買いたい、新鮮なものを毎日買いたいというのが消費者の立場だと思うので、家の近くで八百屋さんがたくさんあってほしいと思います。
 組合の仕事というのは、みなさんに情報を伝達することが一つの使命かと思い、こういうところで勉強したことを少しでも役に立つように、私がわかる範囲で皆さんに伝えています。
 

目原英樹
((株)MOA東日本販売)

 食べるということが非常に大事だとわかりました。自分のところの商品を全部食べているかというと、はっきり言って食べていない、耳が痛いというのが私の感想です。お客様を見つめ、商品を見つめ、食べ物を見つめ、食べ物という視点で、生産者、消費者、私ども流通と、3つが1つになれる方法を生みたい、もう一度勉強をし直したいと思いました。
 それと、私どもは、キャベツ、ダイコンという作品名だけで販売してしまいますが、本屋さんのように作者をきちんとアピールしてあげたいということも加えて実感しました。
川 幸生さん
((株)MOA東日本販売)

 私は野菜に関わっているのに、高校生ぐらいまで野菜嫌いでした。学校給食でキュウリが出て、食べるまで先生が帰してくれないということがあったからです。9か月になる子供がいますが、少しでも野菜が食べられるようになったらほめてあげたい。子供の食育について家庭で実践していきたいと思っています。
 それと、いかに自分自身が物売りであったかを痛感しました。ここだけで終わらせず、家庭でも、職場でも、食べるということの実践を通して学びの研鑽をしていきたいと思っています。
飯島有三(一般参加)
 野菜についての知識、食べ比べについて勉強できたのは貴重な機会でした。一つ印象に残っているのは、意見交換の中で、輸入野菜や農薬についてどうやってお客さんに説明すればいいのだろうということについて、八百屋さん同士の間でも意見の違いがあったり、そういったことを真剣に議論している。そういったことを知ることができたのは貴重でした。
 八百屋塾に参加されているような八百屋さんであれば生産者も安心してその商品を任せられる、そういった八百屋さんがこれからも増えていくことを期待したいと思います。
 

野村利実(一般参加)
 お金儲けしようと思ったら、手間暇かけないとだめですよね。そういう意識をもつまでには時間がかかると思いますが、勉強すること自体は損にならないと思います。勉強してそれを生かせば何倍にも返ってくると思います。
谷川正道さん(淀橋)
 なぜその時期の野菜はおいしいのかということを自信をもって伝えていけるようにしたい。(セルフ式の)スーパーなのでどうやってお客に知らせるかといってもPOPに表示するぐらいしかできませんが、引き続きやっていきたいと思います。
 
山本哲生(一般参加)
 町が変わって新しい住人が増えてくると、買い物をするのにお店の人とコミュニケーションをとりたくないという感じの人が多くなってくる気がします。今回この会に参加し、八百屋さんはこれから心が癒される場所になるんじゃないかと感じました。
 どうしてもこれからも出来合いのものが主流になってきて野菜の素材から料理をするというのが薄れてくるのではないかと思います。家庭の中が変わっていかないと難しいなという気がします。
 

中村光志(豊島)
 お客様に商品を説明するにあたってポイントがアドバイスできるようになったり、食べ方が説明できるようになったので、参加してよかったと思っています。
三島和雄(荏原)
 安いものを買って高く売るのが私の主義主張だったのですが、できるだけおいしいものを売ろうというふうに変わってきました。1ヵ月に1回こちらにきますと、一生懸命勉強している人を目の当たりに見て、やはり頑張っている人がいるんだなということでエンジンのまき直しができます。八百屋さんは忙しい、忙しいと言いながらやめていってしまう。それには勉強しないということが一つあると思います。だから、みんなで勉強していかないとだんだん先細りになるのではないかと感じています。
阿部 敏(大田)
 八百屋に生まれましたが、5年ほど八百屋をやめ、他の業界に行っていました。そうこうしているうちに、自分の家は下が店だから、いつも見ていると八百屋ってのもいいなぁ、もう一度やってみようという気になりました。セミナーにきてみたら、みんな頑張っているなぁ、こうやったらもしかしたら八百屋も生き残れると思いました。これから頑張りたいと思います。
 

荻野正浩(北足立)
 野菜を扱うようになって丸2年です。婿養子に入り、この業界にきました。元から野菜はあまり好きなほうではなかったので始めはついていけなかった。八百屋塾にきて少しずつお客さんとコミュニケーションがとれるようになりました。お客さんのほうも「おにいさん、どう」と言ってくれるようになりました。ここに誘われたときには、1回で大変だなと思って乗り気ではなかったのですが、来てよかったと思いました。
高沢直治(北足立)
 2〜3回目あたりから意識のレベルアップというか、いままで八百屋をやっていて考えられなかったことを自分の中で発見できて、これは八百屋の生き残りのヒントになるという、いいことばかり、メリットばかりが分かり、一生懸命勉強させてもらっています。これから生き残るためにこういうセミナーはすごく必要だと痛感しています。
石塚 巌(北足立)
 商品の食べ比べ、江澤先生、芦沢先生のお話を自分の知識とし、知識をどんどん吸収し、それを知恵に変えまして自分の販売に生かしていきたいと思います。また、私には3人の子供がいますが、子供が勉強しない。なぜかと思ったら、自分が勉強をあまりしないので、勉強しないのだと気がつきました。来年度も商品の食べ比べ、新商品の紹介などをやっていただければと思います。
 

荻野保宏(北足立)
 今年度一番印象に残ったのはイチゴの食べ比べです。あまおうは確かに甘くておいしかったが、若い人向けに甘みと酸味のバランスがいいものを販売するように心掛けました。
片野達也(北足立)
 親の経験が基準になって商売の方針や店の方向性が決められてしまう。親主体で進めていく商売の中で先細りという状況です。知っていることも知らないことも勉強しましたが、親に言われると素直にできないことが、八百屋塾で言われると素直にできるということが数多くありました。
佐藤信二郎(神田)
 分からないこともたくさんあるし、自分が覚えたものと皆さんが話しているものと違う場合があるわけです。八百屋塾に出るようになって、皆さんが言っていることと自分の言っていることの確認ができるようになったのは本当によかった。また、食べ比べをして商品の味の違いが分かるようになったこともよかったと思っています。
 

澤井 勉(神田)
 こちらに来て、「野菜のプロになれ、専門店になれ」という話を聞き、あらためて自信がつきました。橋本さんからアドバイスを聞き、それを買うようにしたところ、ことしから箱単位でリンゴが売れるようになりました。先輩に貪欲に聞いて店で実践し、それがお客様に喜ばれるような店にしたいと思っています。
根岸 正行(神田)
 基本の部分がわかっただけでもかなり勉強になってよかったと思っています。
 自分の担当はフレンチのレストランなので、こだわっている店が多い。おいしいものが何かと分かっていないとだめで、もっていくたびに味見して自信があるものをもっていくのですが、それをしないと売れないと思います。
宍戸三郎さん(淀橋)
 何年か八百屋塾に参加し商品知識の勉強にはなっていますが、果物の橋本さんのように、ぼくらにないものを実行している人の話を聞くのはとてもためになりました。
 また、杉本さんのアイディアと実行力、これが備わらないといくら勉強しても生き残っていけない。お客さんがあそこに行けば何かあるのではないか、行ってみたら確かにそうだったといって本当のお客さんになってくれるというヒントがあって、本当にスゴイなと感じました。
 

宍戸順子さん(淀橋)
 私は果物を担当しているのですが、ことしは橋本さんから果物の話が聞けてとてもうれしかったです。この3年間で野菜のことがだいぶわかるようになって、お客さんもわざわざ野菜売場のほうから私のほうまできて聞いてくださるようになりました。これからもいろいろなことを勉強していきたいと思います。
野本要二さん 役員
 八百屋をして42年目になりますが、30年前に江澤先生に食べ比べをしなければいけないということ、おいしいものを売っていかなければいけないということを教わって、まだ勉強を続けています。私は見栄えがよくなくてもまだ露地のホウレンソウを売っています。食べておいしいほうを選んでいます。それをお客さんに伝えます。そのときにゆでて、食べさせながら、売るのが本当のこれからの八百屋ではないかと思います。40年勉強してますけど、まだまだ勉強です。成功した八百屋さんがなぜ成功しているか。いつも八百屋のことを考えています。八百屋というプロの商売にいかに長い時間携わっているかが勝負だと思います。一緒に勉強していきましょう。
杉本晃章さん 役員
 この八百屋塾で勉強したことを来期も続けていきますので、さらに磨きをかけ、消費者のみなさんといい商いをしていくことを切に期待します。私はうちの店でこんな看板をつくりました。こういうのを飾るということは、これに恥じない、これに見合った勉強をしなければいけないということです。
 

  調理を担当してくださる荒井慶子先生(右)、上原悠子先生(左)