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2005年(平成17年) 2月20日 (日) 第11回
学習テーマ「菜花、アスパラ菜、タマネギなど」

江澤先生の話

いままでは農業、植物の話をしてきたが、視点を変えて消費者の話をしたい。今、消費者の動向が変わってきた。一番問題なのは、1990年に生活習慣病の指針が出され、野菜が健康によい、重要な食料だ、ということでキャンペーンをしているが、現実には野菜の消費が減ってきているということだ。農水省でとりまとめた資料で、食べ方が違ってきていることは分かるが、どうやれば増やせるのかということは書いていない。主食であるコメも生産調整をしているが、現在のように生活全体で食べ物が余っているという時代はかつてなかった。生活も男性が働いて女性が家を守るというのが何百年と続いてきたが、1960年頃から女性が仕事をするようになり、経済が発展してきた。
 それにつれて生活全体が変わってきている。かつては大家族で食事していたが、だんだん別々の食事にならざるをえなくなった。家族で食事をすることが少なくなってきている。野菜は1995年くらいには1人当たり120kg食べていたのが、今は100kgぐらいに減っている。核家族になって、野菜の料理の仕方も分からないという若い人がいる。若年層は野菜が嫌いであまり食べない、年寄りも野菜そのものをあまり食べないということで、野菜全体の消費が減ってしまった。

安全性については、特にやかましくなってきているので農家も注意をするようになってきている。健康のためには栄養性も大事である。野菜はおいしく食べないといけない。

野菜の場合、品質のことを皆さんはわかっていない。生産者でも自分の作っている品種がうまいとわかっている人は少ない。氏素性をはっきりさせないといけない。野菜は品種でずいぶん違うから品種別に売ってほしい。

八百屋塾の「食べ比べ」では品種別にしている。うまい野菜は品種で買いたい。品質だけでなく、育て方、育てる時、育てる条件によってずいぶん違う。そういう点でも見分けていかなければいけない。

ブルームレスのキュウリの例でも分かるように、見てくれだけで、まずいキュウリの流通を直すのに十数年かかっている。よいものを大事にしていく。それには、生産者がことしも来年も再来年も作りたいという励みがもてるように、品質に見合う価格(生産のしがいがある価格)を考えていかなければいけない。

うまいものを育てていくのは大変だが、小売屋さんがおいしさをわかっていないといけない。野菜は文化財である。消費者がテレビやラジオなどマスコミを通じて野菜を知っても、おいしさは伝わらない。小売屋さんがPOPに書いていてもわかってくれない。だから、対話で分からせる以外にない。八百屋が消費者に味を伝えていくための伝達員になるとよい。スーパーは人手をかけないから、消費者は自分で商品を選ぶために、野菜をよく知っていなければならない。生協は安全性について配慮しているが、品種のことまでは分かっていない。そうなると、残るのは専門店だけである。味の伝達者は八百屋さんの肩にかかっている。野菜をよけいに食べさせられるかどうかは、皆さんの肩にかかっている。だが、せっかく野菜の味の伝達人というよいポジションを与えられていながら、そのポジションを活かしていないのが現状。

野菜を大事にする先頭に立ってほしい。これが本当の味なのだといえるように、自分の舌を鍛えてほしい。野菜のうまさは商いのうまさである。食べていても飽きないのが野菜であるので、そういううまさをお客に伝えてほしい。野菜のことについて、いつ頃とったらうまいのか、どのような扱いをしたらよいのか、どの品物についても自分が扱っている品物は全部食べているという努力をしてほしい。

 


■東京青果個性園芸室 東海林邦子さんの商品説明
 

菜花は蕾と葉を食べる2タイプがある(千葉 JA安房 180円、京都 JA中央 300円前後、ともに「花かざり」他、栃木 JA安佐、JA全農ふくれん、ともに在来種)。京都は「花菜」、栃木は「かき菜」、福岡は「おいしい菜」の銘柄で産地化している。
 

勝山水菜(福井 JAテラル越前 300円)は在来ナタネ群に属する。地元では勝山を「かっちゃま」という。菜花の栄養価は、カルシウム豊富でゆでてもOK。福井ではおひたしや即席漬けによく用いられる。雪国なので勝山水菜が出てくると春なんだなと思わせる野菜。

オータムポエム(JA新潟)はサカタのタネが開発した。中国野菜の菜芯と紅菜苔の血をひいている。おいしいので売れるのではないかと宣伝したが、始めはあまり売れなかった。個性園芸室が始まってすぐに山形の生産者が売りたいとやってきたが、「売れない」と即答した。そのことがトラウマになっている。昨日も大森近くの店にいったが、1日20売るのが精一杯とのことだった。おいしいのは百も承知だが、すごく売れている店を教えてほしい。

◎杉本さん:うちの店では袋から出して結束し、「オータムポエム」でなく、別名の「アスパラ菜」で1日50売っている。内容はいいのだが、名前(ネーミング)がよくない。
 

「ひろっこ」(秋田 JAこまち稲川営農センター、200円弱)は雪の下からとるネギだが、「ひろっこ」が鍋に入っている店がインターネットで紹介されているぐらい。

「のびる」(徳島 JA勝浦 200〜250円。)はツマ物の「彩」をやっている産地のものである。

「ワケギ」はテレビに一番最初に出たときに東京ワケネギというテーマで話をしたら、先輩から「そのワケギは本当のワケギでなく、本当のワケギは東京しかない」と言われ、そのときに広島のワケギを知った。今日は広島のワケギ(向島、三原、尾道「ひろしま3号」他)を試食してみてほしい。

タマネギは葉タマネギ(千葉 健農うまかクラブ白里渋)「ソニック」と愛知の伝統野菜に指定されている新タマネギ(JA愛知知多)「養父(やぶ)早生」。愛知の伝統野菜に指定されている。


この日は、キノコの生産者が、白いエノキと野生のエノキを交配したのをもってきて試食しました。
 

   

生産者 荒井久生さん
有限会社キノコ村 長野市緑町1401 026-234-3600 農場は須坂市

■新潟県津南の生産者宮崎さんがふつうのニンジンよりも3倍は甘い「雪下ニンジン」のPRに来ました。ことしは雪が多いので少し遅れているそうです。

 

◎杉本さん:去年4月に軽トラック1台で宮崎さんに来てもらい、10kgで20ケース完売した。ふかし器でふかして試食させながら3本150〜200円で売った。みなさんの店でもそういう企画があったら協力してください。


試食した感想

ナバナ

*千葉産はかたいし、野菜臭い。かき菜はおいしかった。

*前の人と同じような感想で、千葉は香りが野菜臭い。苦みがある感じ。京都はそれほど野菜臭さがない。食べてみて花の部分は食べやすいが千葉は茎がかたい。京都は全体にマイルド。かき菜のおひたしは、歯ごたえがやわらかく、ほうれん草に比べるとほろ苦さがある。

*千葉は食べやすかった。京都は菜花らしさがあった。かき菜は少し苦みが残った感じがした。売るとなると値段が安いから千葉になる。あとは調理時間などをきちんとPOPで知らせると売りやすい。

*どれを食べてもおいしかったが、栃木のかき菜がおいしかった。勧める人がおいしいと思うことが大事。

*栃木ではかき菜をみそ汁にすると甘みが出ておいしい。栃木や群馬方面に行くと小松菜はほとんど食べず、みそ汁の具として食べる。

◎荒井先生:千葉と京都では京都の方がゆで時間が30〜40秒早い。

オータムポエム
*食感よし。軸も軟らかくておいしい。

*オータムポエムは菜花と違った苦みでおいしいと思った。勝山水菜よりかき菜の方がおいしい。300円出して店で売ろうとは思わない。

*オータムポエムは売っているがおいしい。勝山水菜は初めて食べたがくせがなくておいしい。

*勝山水菜はやわらかい、

◎杉本さん:菜花は根が太いのを選ぶこと。若いうちは軸が太い。どんどん伸びて上へいくほどに細くかたくなる。

*のびるは甘みがあっておいしかった。食感がよかった。

*のびるは甘いだけで本来もつ香りが少ない。ひろっこはもう少し香りがあるとよい。
 
*庄内の袋入りあさつきがなくて、ひろっこを売ったがおいしかった。のびるはみそをつけて食べる人もいる。
 

菜花 千葉
JA安房 花かざり
菜花 京都
JA京都中央 花かざり
菜花 栃木
JA安佐 在来種

勝山水菜 福井
JAテラル福山 在来種
アスパラ菜 新潟
JA新潟 オータムポエム
ひろっこ 秋田
JAこまち稲川営農センター 在来種

のびる 徳島
JA東とくしま勝浦 在来種
わけぎ 広島
向島 三原 尾道 ひろしま3号
葉たまねぎ 千葉
健農うまかクラブ白里 ソニック

   

新たまねぎ 愛知
JA愛知知多 養父早生

   

荒井先生の調理説明

わけぎの酢みそあえの「酢みそレシピ」

A あかみそ 30g  

白みそ 50g  
だし 1/3カップ  
砂糖 大さじ2  
大2  
     
B 大さじ2と2/1  
ねりからし 小1  

今日は京都の白みそに赤みそをまぜた。みそはいいのを使わないとだめ。みそに対して砂糖は30%。

タマネギ
*千葉のわけねぎは適度なぬめり感があって食感がよい。葉タマネギはタマネギの味がした。くせはないと思ったが、買って食べたいという味はしない。新タマネギの方は食感がやわらかくとろける感じ。

*葉タマネギは買ってまでは食べたいと思わない。

*甘さは葉タマネギがあっさり、新たまねぎはねっとりしている。葉たまねぎは葉の先に癖がある臭いがあったり苦みがあったり場所によって味が違う。

*新タマネギは売りやすい。タマネギは血流がよくなる。たくさん食べてもらうことが必要。


キノコ
*キノコは野生も栽培物もおいしかった。アスパラ菜はパスタなどにも料理しやすく扱いやすい。ネギ系は使いづらい。

*焼いた料理の方が香りが強く感じられておいしかった。