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2005年(平成17年) 5月22日 (日) 第2回
学習テーマ「キュウリ、マメ類」

 最初に杉本委員長が挨拶。八百屋塾を見学して感激したという花巻の八百屋さんから礼状をもらった報告と、杉本さんが持参したらっきょうの塩漬けサンプルについての説明があった。杉本さんの店では、高知県のMサイズを4%の塩で10日間漬け込んだものを200円で販売。小皿に山積みにしお客がつまめるようにしている。仕入原価1kg600円のものが1000〜1200円位になる。


江澤正平先生の話

・儲けるのでなく儲かるという考え方をしてほしい。儲けるというのは自分が先であるが、商売は人間関係が大切である。嘘を言ってはいけない。信頼関係がなくなると儲からない。「儲」の字は「信者」と書く。

・品質がいいというと、鮮度がいいと考える。鮮度とは、とりたてのことだが、それだけではない。おいしさを追求すべき。

・野菜の消費が減ってきている。生活習慣病の予防のためにも消費を伸ばそうということで「ファイブ・ア・デー」などの運動が起こっている、1993年に野菜の消費が120kgだったのが今では100kgを割っている。栄養面からみても野菜そのものを食べないといけない。

・野菜には作型がある。同じキュウリでも促成でできたキュウリと、半促成で作ったキュウリでは違っている。春のキュウリと秋のキュウリは当然違う。今、氏素性で商売しているのはメークインや男爵などの品種名で販売されるジャガイモだけ
 

・1組合の出荷でも2〜3種類の品種が入っていることがある。

・野菜の味は、地域、気候、土耕栽培・水耕栽培。ハウス栽培・露地栽培、肥料の違い、栽培方法などによってでずいぶん違ってくる。また、食べる時期や収穫時期によっても違う。早めにとった方がいいのか、中間がいいのか、熟した方がいいのか、その品目によって違う。キャベツは早どりの方がやわらかいが、熟して重くなった方がうまい。レタスは熟すと葉がはがれにくくなり、キク科なので苦みが出てくる。重いよりも軽い方がいい。そうなると食べ頃が問題になる。ホウレンソウは冷蔵ケースに入るよう21〜25cmが規格になっているが、35cmにするとうまい。夏場よりも冬場の露地の方が栄養もありうまさも違う。

・収穫し選果をした後、消費者へ向けて発送されるが、その間の温度管理が必要になる。なぜ必要かといえば、野菜は生きていて呼吸作用があるからで、運搬する間に品物が悪くなってしまう。

・勉強する中心は食べ比べである。お客の役に立つということは、おいしいよ、安いよ、と口先だけでは分からない。野菜を見聞きする情報は氾濫していても、味覚、触覚、口の中の臭いなどの情報は見あたらない。口の中に入る情報は伝えにくく、擬態や擬音(シャキシャキ、パリパリ)ではよく伝わらない。だから、八百屋の口伝ては一番お客に分かる。
・野菜果物の品質の違いは対話の販売でないと分からない。そういう点でみなさんは非常によい地位にいる。

・お客さんには食べた経験で話さなければいけない。いろいろな野菜を食べるチャンスは月に1回しかないので、大事にしてほしい。

・野菜を売る時には調理情報をつける。下ごしらえを面倒に思う人が多いから、簡単でたくさん食べられる料理を教える。みそ醤油、酢、調味料などで作る料理が長続きする。

・子供に野菜を無理に食べさせてはいけない。野菜は自らを守るためにアクを出したりするので、まだ未成熟な子供たちにはあまり好まれない。子供たちにはプランターで野菜を育てるといったことをして野菜に親近感をもってもらうようにすればよい。子供たちが少しでも食べたらほめてあげる。

キュウリ

・旬の変わり目のキュウリを食べ比べて覚えておくことが必要。キュウリのうまさは歯切れが大切。生で食べた時は、水気、ほのかな甘み、臭いなどを見分けること。キュウリは口の中をさっぱりさせてくれるので、おしんこに向く。江戸時代にキュウリがだめといわれたのは苦みが多かったからで、その時分には白ウリが少なかった。味覚・触覚、味(舌で味わう)、臭いと分けてみていくと味を覚える。目や耳と違って味は記憶している。
太いキュウリは煮て食べるキュウリで、これと同じようなものは奄美大島で「島キュウリ」の名前で作られている。

 キュウリの多くはカボチャを台木にして育てる。かつては年間100万トン作っていたのに、ブルームレスが主流になって70万トンくらいになってしまった。消費が落ちて大変だといっても、消費者はブルームレスがいいキュウリだとだまされている。良いものは大切にしていかないとまずくなってしまうから、良い品種を大切にすること。JAに対しても言うべきことを言わないと、良いものがなくなってしまう。

 八百屋さんあっての野菜であり、うまいのは私たちが開拓した野菜だよという自負をもってください。野菜には旬がある。その時にたくさん売ってお客さんに喜んでもらう。

マメ類

・豆はインゲン、エダマメ、ソラマメ、エンドウなどいろいろな種類がある。
・インゲンには平豆と丸豆がある。
・今はモロッコなどいろいろ出てきて洋風にもよく使われるが、やはりやわらかくて筋っぽくない方がいい。このごろは臭いが薄くなってきている。
・ソラマメの出荷は昔からみるとあまり多くない。
・キヌサヤエンドウは甘みに使われる。
・エンドウマメは若い人たちにはあまり好まれない。
・エダマメは大豆の若どり。関東では実が入ったものが好まれる。茶豆は臭いがある。


平井美喜雄講師の商品説明

【キュウリ】
 キュウリは旬の夏に限らず、1年中欠かせない商品。最近の動向をみると作業性や収穫状況、高齢化ということで年々生産量も減少傾向にある。特に、8〜9月の産地が減り、施設栽培はほぼ現状維持。
 

5月上旬の東京都中央卸売市場の入荷は全体で2883トン(前年比106%)で、そのうちシェアが40%を超える埼玉産を中心に、群馬、千葉、茨城、栃木の順。

埼玉産はkg122円で前年の80%と単価安。年明け以降低温推移ということで、特に関東産の無加温が出遅れて5月の連休前に一挙に気温が上がりだし、各産地とも大量に出てピークとなってしまった。今後は越冬加温タイプのものが終盤となり、埼玉の無加温とこれから始まる東北、福島産などが徐々に増加する。

 

 

JAひびきの(埼玉)「ハイグリーン21」は、先日、東京青果でトマトキュウリの試食会をした時に、17組合で10品種くらい出品されたが、その中で一番人気があった品種。ここ3年位で伸びている。欠点が寒さに弱く、すぐ収量が悪くなるとか、果形が長くなりやすいといった欠点が若干あるが、色がよくて艶があり、作りやすく正品率も高い、食味がよいということで全国的に広がっている品種である。ただ全国一斉に同じ品種が揃ってメジャーになりすぎてしまうと、天候異変があるとすぐなくなるという意味ではちょっとこわい部分もある。S1200円くらい。

福島・須賀川「T888」(ときわ)。これはハイグリーン21の寒さに弱いという部分に対抗した品種。これは加温タイプのブルームレスだが、無加温タイプは「ときわ21」の品種名で出ている。価格は1300円。

埼玉・昔がえりの会「ハイグリーン21」のブルーム。昔がえりの会は化学肥料を一切使わず、米ぬか丸大豆などを使って栽培している。昨日の価格は1200円。

京都・園部「アルファー節成」(久留米種苗)。京都産のキュウリの多くは「アルファー節成」が多い。色も歯切れもよく食味がよい。これは取り寄せなので価格は1600円と高い。

千葉・井橋農園「フリーダム3号」(サカタ)。イボがないので洗いやすい。皮がやわらかくてシャキッとした歯ごたえがある。浅漬けやサラダによいとされる。

群馬・JAぐんま板倉「YS14(四葉)(埼玉原種育英会) 四葉は本来露地中心で加工用に取り扱われた品種だが、四葉の形を残しつつ水分含有量を若干多めにして改良された。1000〜1100円。

宮城・JA石巻「四川」(カネコ)取り寄せ商品。四葉の形、イボ、歯切れのよさを残しながら、従来の日本品種に近づけた品種。見た目よりも皮が薄く、水分もあり、歯切れもよい。1300円。

石川・末広青果「加賀太成り」(松下種苗)最近、キリンビールのCMでおなじみの加賀太。昭和11年に金沢市の7人の野菜農家が作り始めたのが最初。「金沢節成り」キュウリとの交雑により昭和27年頃今のような形になって「加賀太キュウリ」の名前で出回るようになった。栄養的にも、カリウムが豊富で、皮膚を美しくするといわれる。1800円。

【ソラマメ】
 2月以降の低温の天候で全国的に不作傾向。作況も若干減っていて今は愛媛がほぼ終盤で千葉中心の出回りとなっている。今後は千葉、茨城、宮城産が中心となるが、一局集中にならず、価格も堅調推移。
 

千葉・JA山武郡市「陵山一寸」。ソラマメのL3粒入りの発生比率が高い品種。この品種が鹿児島、愛媛、宮城など暖地から高冷地まで入ってきている。L2000円、Mで1500円。

【ピース】
 

福岡・JA柳川「南海緑」(タキイ)。この品種は、久留米ゆたかという品種とともに、関東では主流の品種になっている。耐寒性が強く、若干ばらつきはあるが、甘みが強いといわれる。特にこれの未熟なものは生で食べても甘い。今後、これのハウス栽培は九州地区中心に早出しということで増えてくるだろう。価格は4kg2800円。栃木産は3000円。

京都・山城「ウスイ」(タキイ)は、京都では米の裏作ということで作り始められた。大粒でやわらかく、甘い。エンドウ豆は連作がなかなかきかなくて5年以上の周期でないとだめなので現在の収穫量は年々わずかになってきている。5200円。

【キヌサヤ】
 キヌサヤは関東中心の出回りだが、来週辺りから福島産が急増しそうで、価格はそれに伴って下げに入る。
 

福島・JA伊達みらい「ゆうさや」(ときた)は低温性に強く、サヤもつきやすく秀品率が高い品種とされている。値段は2000円

【インゲン】
 インゲンの生産量は減少傾向。特に沖縄、鹿児島産の出回り時期は輸入の影響を受けている。沖縄産も以前は6月中旬位まであったが、台風の影響で早出しが減り、他県の出回りが早くなったという意味では5月上旬にはなくなる。販売期間が短くなるということは、集中して価格も安くなる。そういうことで、量はだんだん減ってきている。房州産のインゲンもキュウリ同様、作業状況などから若干減る傾向にある。現在、千葉、鹿児島産の二本立ての入荷になっている。鹿児島産は6月第1週でほぼ終盤になる。千葉は6月に入ると露地が出てくる。ハウス物の減少で露地が増えるまでの谷間の時期なので、価格の下げはなさそう。露地が出てきてピークになるのは6月15〜20日頃。
 

千葉・JA君津小櫃「鴨川グリーン」(みかど品種)は、色が濃く太くなりにくい。ややかためなのか煮るのに従来の品種よりは時間がかかるといわれている。価格はM2300円位。

千葉・JA君津小櫃「ステイヤー」(協和)は「鴨川グリーン」とともに主流の品種。若干太めになりやすいが食味はよい。価格もほぼ「鴨川グリーン」と同じ。市場内で営業のインゲン担当に「明日インゲンください」というオーダーを出したときに品種を指定するのは2割位しかいない。

鹿児島・JAいずみ「ビックリジャンボ」(協和)は、市場ではモロッコインゲンの一種として販売されている。通常のモロッコインゲンと比べるとちょっと細身で長い。やわらかく調理しやすく食べやすい。関東、東北、九州まで今後増えてくる品種になると思われる。昨日の価格は1700円。

【スナックエンドウ】
 呼び方がスナップかスナックかときかれるが、農水省が統一名称としているのは「スナップ」だが、一般名称としてはどちらでもよい。アメリカから1979年サカタのタネが「スナックエンドウ」という名前で、日本、台湾、韓国で専売権を取得して販売を開始したという歴史がある。中国産は年間を通じて出荷されている。ただ残留農薬の問題で、何度か敬遠された時期はあったが、豆類は命令検査になっているので以前よりは末端の流通は広まっている。以前はデパート、高級スーパーは中国産を一切扱わなかったが、徐々に取扱いが回復している。中国産は雲南省で年間出ていて、福建省は9月〜5月、広州で3月〜10月というようにほぼ年間の供給があり、年間需要も高まっている。末端の動きを見ると国産の方が優先的に販売されている。
 

台湾・日宏貿易「奇珍88」(台湾産)。台湾産は4kg入って800円。

福島・JA伊達みらい「ホルンスナック」(サカタ) 現在、福島のハウス物が中心だが、市場入荷の福島産は今は少なくなってきている。来週より出始めてピークは6月に入ってからになる予定。
中国産の影響もあるかもしれないが、全国的に需要が増えた。サヤエンドウよりは収穫、選別が楽だということで産地は増えている。簡単においしく料理できるとして消費が伸びている。1kg1500円。
九州産は1.5倍の量が出ている。

【砂糖エンドウ】
 

現在は露地物が終盤になっている。産地は静岡、愛知がほとんど。生産者の高齢化のために減少傾向にある。これを扱えるのは固定客がほとんど。軽く火が通る程度で簡単においしく食べられるが、まだ消費者の認知度がいまいちか。静岡・JAとぴあ浜松「砂糖エンドウ」(豊橋種苗)はハウス11〜4月、露地4月中から5月、2000円。


【参考商品1:アピオス】
 

青森・グリーン情報、別名ほどいも。根の節部が一つ一つネックレス状につながって地面に広がっている。畑に柵を入れないとどこまでものびていくというので作りやすいのかもしれない。形が西洋なしに似ているので西洋なしのアピオンからアピオスとつけられたそうだ。
 栄養価が高い。同じ土物のジャガイモと比べると、鉄分は4倍、繊維は5倍、タンパク質は6倍、カルシウムは30倍というほど驚異的な野菜であるといわれる。どちらかといえば健康食品で、インターネットで高値で多く販売されている。それだけ栄養価がある。1日20〜30g位食べれば十分とされている。100g130円でネットと比べるとかなり安い。ただし期間が6月一杯あるかどうか。個性園芸室で扱っている。

【参考商品2:ファーベ】
 

ファーベはヨーロッパでよく食べられている。カイワレで有名な村上農園が千葉の1軒の農家と契約しハウス栽培をしている。特徴は生で食べるが、薄皮をむかないとえぐみが強い。ゆでたものも皮をむいて中を食べる。珍しさ、希少価値ということで栽培されている。チーズとワインと合う。

【参考出品3:ミニキュウリ】
 

つまものに使うモロキュウリはふつうのキュウリの若どりだが、これはミニキュウリ用に作った小型のキュウリ。産地には品種を教えてもらえない。えぐみがなく、甘みがよく、皮がやわらかいという特長がある。1パック130円位で販売。

 ここで野中さんから質問。産地は「ハイグリーン21」をどの程度統一しているのか。他の農家が「ハイグリーン21」でないものを作った時にJAで分けているのか。

 これに対して、現状ではどの産地でも2〜3種類の品種は多少まざっているとの回答があった。それはJAの信用問題ではないかと江沢先生。
         
 仕入れにあたっては次のようなアドバイスがあった。
・サンプルに出ている箱をよく見る。
・おいしかったと思う生産者のナンバーを記録する。
・同じ品種でも地域、生産地の条件によって違う。6割は品種の責任、2割は生産地、2割は生産者の作る技術。


 この後、試食して、いろいろな感想が述べられた。

 荒井先生から「塩もみの塩分は全部1%にした。しみこんでいかないのが京都の『アルファー節成』だった」 「砂糖3%、しょうゆと塩が塩分1%弱、ぎりぎりの薄味で煮た。粉末のだしなので、塩を控えた。最初にだしで煮て10分、砂糖と酒少々(5%)を入れて3分、砂糖がしみてから塩、しょうゆを煮汁に加えて煮た。煮含めるのが大事」とのアドバイスがあった。

調理方法の解説をする荒井先生(中央)

短時間での試食の準備は段取りがすべて