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2005年(平成17年) 8月28日 (日) 第5回
学習テーマ「ナス、エダマメ」

■芦澤正和先生の話

■採種について

 F
1を採るためには、F1を育成するという仕事と、できたものから種を採る仕事が必要になります。今日は採種のことについてお話します。

 新しい品種を作り出すこと、品種改良することを育種といいます。育種したものから種を採り、農家の人たちに渡すためには、大量の種が必要になります。大量の種を採れるような採種方法をとらなくてはなりませな。

 人工交配すればたいていのものはF
1がとれますが、エダマメでは採算ベースにのる(=大量の種を採る)F1を作ることができません。マメ科とキク科(レタス、シュンギクなど)の野菜は、採種としてのF1はないわけです。

 固定種とF
1の採種の仕方は基本的には全く同じですが、もともとは固定種の種の採り方があり、それをF1の採種が応用している形です。固定種をとるためには、原々々種・原々種→原種をとっていき、一般種子が農家に渡ります。農家の人に種が渡る3〜4代前から元になる種を準備していくわけです。

 原々種の採種方法は昭和の初めにほとんど確立されていました。原々々種が必要となる採種については、日本ではダイコンが厳しくいわれていました。ダイコンは形質に対する要求が厳しく、また、一つの莢に2〜4粒しか種が入っていません。たくさん種を採るためには、かなり元の種を増やしていかなければいけないので、こういう体系をとっています。
 

 なぜこんな面倒なことをするかといえば、農家の人に種を提供し、作ってみて、希望通りの野菜がちゃんと出てこないとだめだからです。収穫したいと思った野菜がとれるような種を確保しなければなりません。

 種の量を確保することと、野菜としての斉一性を維持することは、ふつうは逆になります。斉一性を高めれば高めるほど採種量が減っていくということがあります。この両方を満足させるために、こうした厄介な採種をするわけです。いい種で、たくさん採れたとしても、発芽が悪くてはどうしようもないので、発芽は大変重視されます。

「発芽率」は100%に近いほどよく、「発芽勢」は一般には7日、厳密には3日間に何%芽が出るかということで、あまり発芽がずれるようでは収穫するときに困ります。最近は要求が厳しくなって発芽勢は時間の単位になっています。半日以内には必ず出てくれなければ困るということになってきています。ですから、種屋さんは、発芽率がよく、発芽勢が高いものを揃えるようになりました。発芽勢への要望が特に厳しくなってきた最大の理由は、接ぎ木が増え、発芽がバラバラだと接ぎ木ができないからです。

 種についてはある意味大変難しいことを要求されているわけで、採種をしている人たちは大変気を遣っています。

 なぜこんな面倒くさいことをするのかを、一番分かりやすいダイコンで説明します。

 ダイコンの種を蒔けば全部長いダイコンにならないと困るわけです。でも、戦争直後には、ひどい場合、丸いダイコンやダイコンの形にならない根だけのものなどが出てきました。そのために揃いがいいという斉一性が要求されます。もう一つは種の量を十分とった上で、発芽率と発芽勢がよくないと困るとなります。一般に、斉一性を確保するためには、ダイコンを農家の人たちが作るのと同じような条件で作ってみて、全部抜いて見て歩き、これにしようというものを決め、それを植え込んで種をとります。

 ところが農家の人がダイコンを育てると、ダイコンそのものがある段階を経ると年をとるため、それを植えて種をとろうとすると、株が弱くなり、採種量が少なく種の質も悪いものができてしまいます。一般に、原々々種、原々種を採る時には、生育の進んだもので種を採るので採種量も少なく、種の質も悪くなります。ただし野菜として質は揃っていますから、同じものがとれるようになるのです。

 1本からだけ種をとればいいのですが、人間でも近親結婚をすると不都合が生じるように、ダイコンの場合も小範囲で種を採ろうとすると、勢力が非常に弱ってしまいます。大きいのを作ったつもりなのに大きくならないこともあります。

 抜いて調べていく中できちんとしたものを1〜2本とればきれいに揃います。しかし、それでは種の採れ方が少なくなるということになります。通常ダイコン、キャベツ、ハクサイなどは最低の単位で100本といわれていて、最低100本位植えて種をとらないと斉一性と勢力を維持することができません。原々種を採る時にも非常に厳しい選抜をし、それで斉一性をきちんと確保すると、次には原種を採ります。

 ダイコンの原種を採るときには、中熟母本から採種をします。ふつう、ダイコンは8月末〜9月初めにまきますが、それよりも遅く9月末〜10月に種をまけばよいのです。そうすると比較的勢力が強いものが出て、それを見て良い母本を選んで植えていき、原種をとるわけです。これだと、斉一性のあるものができます。

 一般に、農家に手渡しする母本を採る時には、本来ならばもっと遅れた時期に採りますが、それからトウが立って花が咲きます。もともと若くてピチピチしている株ですから、種は大量に採れるし、採れた種の質も非常によいということです。種を採る時には3〜4株同じところにまいていけばいいわけです。

 ところが、これをやり損なう、いい加減にすると、なんだこれはというようなものが出てきます。それで、一般農家に渡る種を採る時には、原々種、原種といったところで、質は保持されているので、後は一般採で種を採って良い種を採るということをして種が流通に回ってきます。基本的にはみなこういう考え方です。これが新しく育成される場合の採種体系です。

 それぞれの種屋さんは外国と契約し、ほとんど全部外国で種を採ります。キャベツやハクサイは、きちんと球にならなければいけないので、まず株を見て原々種を採ります。それから球になるものの中から原種を採る、次に球にならない葉があるだけの若いものを植えて種をとる。大体はこういう形です。けれども、元は保証してありますから、これから種をとっても変なものは出てきません。かつてこれがきちんとしていなかった時にはキャベツを作ったはずなのに、一つも玉にならなかったなどということがありました。

 これは固定種の種の取り方です。

 F
1の種の採り方も基本的には同じ考え方です。

 AとBがあって同じ考え方で採種をし、最後にこの種を採るときにAとBを混植して掛け合わせ、種が採れるということです。

 これが採種の基本的な考え方です。大変矛盾した話ですが、ダイコンやキャベツのようなものは片方で雑種性を残しながら、片方で斉一性を保つ、その両方をうまく統一するために、この体系をとっています。少なくても3〜4年前に原々種が採種されているわけです。

 最近F
1を嫌って自分で種を採ろうという人がいますが、そのときにはこれを守らないと採るはずのものが採れないということになります。


■ナス

 ナス科の中には大きなものとしては次のようなものがあります。

 ナス
 トマト
 ピーマン、トウガラシ   新大陸
 ジャガイモ
 食用ホオズキ

 大体は新大陸が原産地で、ナスはバングラディシュ、東インド原産といわれています。

 現在、植物の分類で使われているのは形態分類で、植物の形を見て何科だと分けていきます。一般には、生殖器官でみるのが分類の基礎になっています。花はみんな同じ形をしていて星形をしていますが、花の切れ込みや、色、筋のあるなしなどで分けていきます。日本で見られるナスは薄紫色(単花)、トマトは黄色い花(下房)、ピーマン、トウガラシは白い花、ジャガイモは黄色いトマトによく似た花ですが、観賞用の紫の花もあります。

 最近はDNA解析をしていって調べますが、DNAの解析をしていくと、科が同じかとか、近いか遠いかが分かってきます。科の下は属、属の下は種です。ナスとトマトは属が違うが、科は同じ。ジャガイモはナスと属が同じで種が違う。ピーマンとトウガラシは種が同じですが、その下の段階で違いがあります。ピーマンは辛味がなく、トウガラシはいろいろな辛味があります。


 ナス属 ナス
        ジャガイモ

 ナスはナス科ナス属です。

 ナスは東南アジアの原産ですが、ナスの元になる、ナスに近いけれどもナスじゃないナスが東南アジアに行くと市場にたくさん出ています。そんなものからだんだんと分化して現在のナスが生まれたのだろうといわれています。ナスは特に東南アジア、東アジアの方で発達していろいろなものがありますが、ヨーロッパに伝わってヨーロッパでは大事な野菜になりましたが、好温性なのでヨーロッパの温暖地、フランス南部からイタリアにかけてはナスのいいものがありますが、日本のものとはタイプが違います。米ナスはヨーロッパ型のナスで、典型的なのはヘタが全然違い、緑色をしています。日本のナスは必ず紫色で、これは決定的な違いです。それだけでなく、ナスは大きさも形も違いがあります。日本人は真っ黒いのを好みます。

 ナスがヨーロッパで発達しなかった理由は、ナスは「好、温 性」で、暖かい条件を好むので、ヨーロッパの北の方では温度が不足し、いいものができず、収量も少なかったからです。南ヨーロッパにはヨーロッパ型、アジアでは東アジアにいろいろなタイプのものが発達しています。日本にもごくわずかに青ナスを使う地帯があり、埼玉県のある地域では青ナスがないと行事が成り立たないほどです。日本のナスは黒が中心です。白い品種もあり、北陸の方には紫色の品種があります。ナスのきわめて特異的なことは、日本にはナスの形がいろいろあって地域によって違うことです。

 小卵
×卵
○中長−長卵 現在の主流
 長     九州はこれ
 大長    北陸・近畿
 丸
 巾着

 卵型のナスはほとんどなくなりましたが、関東が中心でした。

 中長は関西、長ナスは中国・四国、大長は九州地方です。地域的な偏りが非常に強かったのですが、最近は中長より少し短い形に変わり、「千両二号」が全国を制覇しました。中長から長のタイプのナスは関西から中国にあるのですが、関東の卵形を飛び越して東北に中長型があります。北陸・関西には丸があります。東海から関西にかけては中長、さらに南に行くと長・大長という品種分布でしたが、最近は中長型が中心になりました。北陸一円はナスの消費量が日本で飛び抜けて多く、特に新潟県はナス食い県といわれるぐらいナスを食べます。一般的なナスのほか、変わったタイプのナス、たとえば「鉛筆ナス」などもあります。

 かつてハウス栽培がはやった時に、ビニールの種類で着色が変わってくるということが分かりました。ビニールを透過する光線で色が悪くなるのでナスを作る時には上に張るビニールを考えなければいけなかったのです。現在は初めから農業用ビニールが作られていますが、かつては色が出ないという騒ぎがよく起こりました。

 ナスは早熟栽培にいちはやく取り組みました。17世紀、江戸時代末、生ゴミを土に埋め込むと熱を出すので、早く熟して出荷が可能と分かり、ナスの旬は初夏から夏にかけてですが、晩春から出荷できるようにして金持ちが食べていたのです。料亭では小判を出して食べたなどという話があるほどで、奢侈禁止令が出たときに槍玉にあげられました。

 日本人は人より少し早い、あるいは人より少し遅く食べるのが好きで、女房を質に入れても食うという話がありました(これはカツオの話)。

 
 ナスは普通栽培があって、以下のような栽培方法があります。

    促成←半促成←早熟←普通→抑制
 奢侈禁止令が出たときは早熟、温床栽培をしていました。

     障子
    油紙→ビニール
    踏込み→トンネルハウス

 土の中に生ゴミを入れると熱が出るのを利用したのですが、そのうちに馬糞などを埋め込んで発酵させ、その熱を利用して早熟栽培を始めました。温床を作り、障子の板を張って、現在のビニールの代わりに油紙を貼ったものを用いたのです。これがビニールに代わり、ハウス栽培に発達してきました。
 

  油紙は和紙に油を敷いて水に強くしたものです。油紙をしまう時にこすると熱が出るので、注意しなければならず、昔は農家でよく火事があったそうです。

 段木に障子をのせ、温度の上げ下げを調整します。障子を1段上げると、空気が入ってきて中の温度が下がるといった仕組みでした。

■エダマメ  

 大豆の若採りをしたのがエダマメですが、どれもこれも若採りしたらエダマメになるかといえばそうではなく、近年エダマメはエダマメの品種として発達しています。大豆には品種として夏の大豆と秋の大豆があり、ふつうエダマメとして使っていたのは夏の大豆です。秋の大豆だとずっと後に収穫できます。

 最近、地方品種として各地の地豆がエダマメとして脚光を浴びていますが、エダマメとして大事なのは、莢の中によい粒が3粒入って、空莢がないということです。それを目標に品種改良されてきました。地方品種として出ているものの中では莢の中の豆の入りがかなり悪いものが多い。うっかり手を入れようとすると地方品種のよさが失われることになります。空莢あるいは1粒しか入っていないものが結構あります。最近エダマメは一年中出てきますが、本来は夏の風物詩だったわけで、しかも、エダマメは枝付きの形で出すのが本来のエダマメで、ビールのつまみにするために莢をとって豆だけをだすのは邪道なわけです。一年中出荷されるようになったといっても、東京市場への入荷を見ると真夏が飛び抜けて多くなっています。

 台湾の高尾に行ったとき、海岸からかなり離れた所でビーチバラソルを立てて作業をしているので見に行ったら、エダマメの莢だけを袋に詰めていました。どうするのかときくと「日本の人が食べるのでしょう」と笑っていました。収穫したものが冷凍されて日本にきているのです。夏は国内産の地豆が大事にされていますが、周年的に利用するとなると海外のものをかなり利用します。 


■江澤正平先生の話
「初心にかえる」

 
・儲けるか儲かるか。儲けは後からついてくる。
 

・消費者がいろいろな意見をいうというけれど、意見だけではものが動かない、お客様と八百屋さんの関係があって、そこで品物が動いていくということを忘れないでずください。

・嘘をつかない、裏切らないというのは、人間関係で一番大事なことです。その前にお互いの信頼感がなければいけません。売り手が情報をよく知っていないとお客様に満足を与えられません。
 

・消費者は必要ないものは買いません。役に立つから買うのです。役に立つということが一番大事です。お客様の要望にこたえられるだけの知識と技能をもっていなければなりません。八百屋塾はそれを得る機会になっているのです。まず役に立つということを先に考えないといけません。儲けることを先に考えると、役に立とうとは考えなくなります。儲けが先だと事故になりやすいのです。企業そのものが社会的な役割をしているわけです。お客さん抜きの八百屋さんの世界はありえません。儲けは信者と書きますが、信用がなくなれば儲けがなくなります。そのへんを考えてください。

・八百屋は少ししか儲からないとよくこぼす人がいますが、まじめで一生懸命やっている人は愚痴を言いません。役に立つということを忘れてお金で商売しているから自分の仕事を卑下してしまうのです。

・役に立つということを生き甲斐にしている若いみなさんの勇気を感じて、私もやりがいを感じています。元気でいられるのは、みなさんのおかげです。社会が発展すればするほど分業が必要になり、役に立つという気持ちが大事になります。私自身もいろいろな人たちに生かされているというのを感じる毎日です。

 初心にかえって、お客様の役に立つことを考えてください。そこに人間としての喜びがあるのだと思います。 


■平井美喜雄講師の商品説明

 【ナス】

今が旬のナスですが、今回の八百屋塾の資料作りのために調べていて、ナスの木が陶芸の分野に利用されていることを知りました。ナスは一年草で、1年で枯れてしまいますが、その木を燃やして灰にし、それを材料に釉薬(うわぐすり)を作り、茶碗や壺などにかけて焼くと、素焼きのざらざらした表面がつるつるのガラス状になり、色も淡い紫色になるそうです

 概況:8月上旬の東京都中央卸売市場のデータでは入荷は1886トン(前年比102%)、kg単価162円(120%)で、栃木、群馬、茨城、埼玉の関東産がメインの入荷になっていて、単価が120%というと高く感じるでしょうが、昨年が安すぎたといえます。

 現在は昨年並の価格になっていますが、昨年の今頃は台風の影響が出始め、価格は上昇傾向でした。今後は気温の低下でもあれば、成り疲れもあり減少する可能性がありますが、消費の低迷もあってすぐには価格は上がらない予想。

1.なす JAはが野 真岡(栃木)「千両2号」(タキイ)
 日本を代表する長卵形品種。長卵形なすでは栃木、群馬、岡山、茨城など主力産地がありますが、関東を中心に東日本での消費量が一番多いのがこの長卵形茄子で、長期安定して作りやすい品種です。6月中〜11月上旬出回り。(1000〜800円)
2.丸小なす JAこまち(秋田)「ぼんてんまる」(渡辺採種場)
 以前は、在来種を使用していたが、2000年頃から、「ぼんてんまる」に切り替えました。しかし、今後は「せきぐちなす」という、もっと歯ごたえのよい品種に切り替わるそうです。浅漬け・天ぷらなど利用範囲が広く、シーズンになると、地元は丸小なす一色になります。7〜11月。(1パック130円位)
3.長なす 常総ひかり八千代(茨城)「筑陽」(タキイ) 
 秀品率の高い品種。当地での栽培は2000年頃からなのでまだ日が浅いが、土地との相性がよく、品質良好なものができているので、今後も有望視される品種です。6月末から10月(500円)
4.赤なす 鈴来青果(熊本)「ひごむらさき」(農産園芸研究所)
 夏場は作りづらく、阿蘇などの高冷地での栽培が主力。大変やわらかく、天ぷら、焼きなす、田楽などなんでもこいという感じのなすです。通常のナスは炒めると色がうつりますが、このなすは調理しても他の野菜類に紫色がうつらないのできれいに仕上がります。夏場は少なく、11月〜翌5月がメイン。(1800円)
5.加茂なす 京都ファーム(京都)「加茂なす」(固定種)
 京都の伝統野菜のひとつ。皮がやわらかく、肉質緻密でヘタに特徴があります。三角形になっているのが特徴です。日が経ってくるとヘタがポロリと落ちてしまうことがあり、それは結構古くなったものと思ってください。1800円。
6.白ナス 船橋農産物(血吾) 「白なす」(自家採種)
 白なすというと、見が白色をしているものがありますが、これは淡いグリーンで米なすのような形をしています。全国各地に点在している品種で、ここでは生産者が毎年自家採種して栽培しています。このなすは油との相性がよく、炒め物、揚げ浸しもおいしく、田楽や天ぷらなどでも彩りがよく調理の仕上がりがきれいです。(1個70円)
7.水なす Nマーク(埼玉)「美男」(渡辺採種場)
 水ナスといっても市場で流通しているのは5種類位あります。泉州水なすとは形が違い、長卵形に近い品種で、味も負けていません。皮も肉質もやわらかく、あくも少なく、浅漬けやショウガ醤油で生でもOKです。へたをとって半分に切って表面に塩を振り、ギュッと1回しぼるだけでおいしくいただけます。6月〜10月。120円。
8.大長なす 鈴来青果(熊本)「黒紫」(中原採種場)
 今までの大長なすに比べ10〜14日早く収穫できる中早生種。松山長なす、庄屋大長などの代表的な品種がありますが、この地域では黒紫という品種に切り替わっています。皮も肉質もやわらかく、九州・四国などでは通常ほとんど焼きなすで食べられています。4〜11月出回り、ピークは6月と11月、赤ナス1800円


【枝豆】

 概況:8月上旬のデータは、数量で1039トン(前年比144%)、kg単価340円(61%)なので、数量増、単価安が顕著に出ています。この時期の主力産地である群馬(393トン、133%)、山形(167トン、206%)、新潟(125トン、236%)、秋田(107トン、153%)と終盤の千葉(109トン、185%)など殆どの産地で数量が増加しています。特に山形産はだだ茶豆の早生種が今年は新規地域に作付増加しましたが、その分がいまひとつ味が乗らなかったともきいています。

 今年は天候のせいか、通常反収300kgが今年は350〜400kg位とれたため、数量もいっきに増えたようです。

 今後は東北産地全体に切り上がりは、例年より早そうです。いずれにしても、野菜全般の安値推移にも助長されたとはいえ、近年にないような安値が続いています。

1.JA鶴岡市(山形)白山だだちゃ(固定種)
 一般の枝豆よりも、アミノ酸、糖分が多いといわれるだだ茶豆ですが、毎年種子を選抜しながら良い種だけを残し、作付を行っています。この繰り返しが現在のだだ茶豆を維持しています。昨年の天候不良で、良い種が採れず、早生種だけが増えたということですが、伝統種を維持存続させるのはなかなか難しいようです。8月中下〜9月初め (200円)
2.仁助屋(酒田市)(山形) 白山だだちゃ(固定種)
 ここの茶豆は種子選抜、土づくりにかなりのこだわりを持ち、毎年作っています。今期この種は3日間のみ、その後「庄内3号」が出てきます。(5kgバラ4500円)
3.田子町(青森) サヤムスメ(雪印)
 莢が大きめで実入りよく、色もよいのが特徴。田子自体も土づくりにこだわっています。8月下旬〜9月上旬。180円。
4.JA白根市(新潟) 小平方茶豆(固定種)
 もともとは明治後期に山形県鶴岡からもってきた「だだちゃ豆」が改良されてきた品種。黒崎町の小平方(こひらかた)地域で栽培されているので、黒崎茶豆という名称で出ています。今年は鶴岡産がいまいちで新潟産茶豆の方がおいしいという話があります。110円。

■佐藤直樹さんの商品説明

長岡野菜ブランド流通消費部会会長
長岡識菜会 会長より長岡伝統野菜の説明

 

長岡で作られている「長岡巾着なす」は水をほとんどやらない栽培方法をとっていて、さわるとものすごくかたく、どっしりしていて、食べてもかたい品種です。ふかしなすにすることが多いのですが、若い人はあまり食べません。ショウガ醤油、わさび醤油をかけて食べる人もいて、県外に出ている人はこれが食べたいといって帰郷するそうです。若い人向けにとろけるチーズをつけてグラタンにしたり、トマトベースにナスを入れたりして調理している店もあります。ことしは巾着まつりというのがあり、テレビでも取り上げられたので、長岡でも料理屋さんでよく使われ、いい値段が出ました。20個入りで1個100円ぐらいです。

 「長岡梨なす」は浅漬けにします。リーフレットに漬なすの作り方が細かく書いてあります。
 

長岡梨なす

かぐらなんばん

 「かぐらなんばん」は、7月後半から10月いっぱいまで出回りますが、食べきれないので塩漬け、甘露煮などにします。赤く変色しますが、真っ赤になったかぐらなんばんも出てきます。真っ赤のものと青いものとを味比べすると、赤い方が甘みがあり、辛味がやわらかくなってものすごくいい味が出ます。


■食べ比べ

ナス

焼きなす(茨城の長なす、赤なす、大長なす)
*焼きなすは茨城の長なすはいつも食べているのと同じ。赤なす、大長なすはうまかった。
*赤なすは初めて食べたが甘みがあった。くずれていたので歯ごたえがあればもっとよかった。大長なすは味がぼけていていまいち。
*地元が四国で長なすをよく食べているので懐かしい味だった。
*長なすの方が果肉の歯ごたえがあっておいしかった。赤なすも甘みがあっておいしいが、大長なすは淡泊でねっとりしていておいしくなかった。
*大長なすは食べ方が違うとおいしくない。地元ならではの食べ方をしないとだめ。

薄く煮含め(加茂なす、白なす)、蒸したもの(長岡のなす)
*白ナスは船橋に出ていて、今は1個10〜15円ぐらいと安い。だが、ふつうのお客様はあまり知らない。米ナスよりもおいしい。
*白なすは油の相性がいいので、味がしみこみやすい。だしの味がよく、先生の煮方がよく、おいしかった。
*白なすは初めて食べたがおいしかった。仕入れてお客さんにも説明して広めたい。 
*白なすは歯触りがよくおいしかった。江沢先生からいいお話を伺った。

塩漬け(丸こなす、水なす、長岡の梨なす)
*梨なすおいしかった。
*梨なすが甘みがあって一番おいしかった。秋田のはあくがあった。
*梨なすが抵抗なくいやみがなかった。水なすはえぐみのにおいが残った。

荒井先生より
★秋田の丸なすはもう少し漬け込んだ方がおいしい。梨なすは現地で漬けたものをもってきてくれたので、その違いが味の評価に出た。
★白なすは菱形に切って炒めた。皮がしっかりしている。
 

試食用の材料を調理中

試食の準備完了

◎蒸したなすにみそかけ(巾着なす)
*巾着なすは食べやすかった。
*蒸しなすはおいしかった。
*変おいしかったです。

エダマメ
*鶴岡、田子、白根はやや味が落ちる、鶴岡は香りが落ちると感じた。
*香りは鶴岡、香りと味の特徴は仁助屋がある。

(江沢先生より)
私は山形や新潟産がおいしいと思うが、感じる人によって違う。だからそこのところを味わってほしい。におい、味、食感。かたさなどに分けて考えるといい。味を覚えていることが大事。

■食べ比べの枝豆の茹で方

1.枝豆の莢は、ただ、もみ洗いしてザルにとります。
2.枝豆の重量の100%の熱湯に 湯に対して0.5%の塩を入れます。
3.枝豆を入れ(湯の量はぎりぎりひたひたです)、蓋をし、再沸騰まで強火、火を弱め、3分タイマーをかけます。様子を見て、程良く茹で上がっていたら、ザルに取り出します。
4.すぐあおりながら枝豆の重量の1%の塩を振ります。


■茄子の煮物

1.茄子はヘタを落とし、縦半分に切り、皮に斜めに4〜5ミリ間隔に包丁目を入れます。
 注)味がしみ込みやすいように、大型のナスは6等分位に切ります。包丁目を入れてから、切れ目を入れないこと。くずれます。 水に10分さらします。ザルに上げ。水気を切る。
2.茄子を鍋に並べて(重ねたくないですが)、茄子の重量の30〜40%のだしを入れます。落とし蓋(またはアルミホイルで少し穴をあけます)をします。沸騰したら約5分弱火で煮ます。
3.5%の日本酒と砂糖3%を入れます。2〜3分煮て、日本酒5%としょうゆ(塩分で1%弱)を注いで10分位煮ます。全体で20分弱、あと、含ませておきます。
 

調理の説明する、荒井先生


 注:家庭で4人分位ずつ煮る場合は、初めからだしと調味料で合わせて煮立てた中に茄子を入れ、初め皮目の下、5分位して切り口で上にし、また、4〜5分経ったら、皮を上にして5分程煮て含ませるときれいな色目と姿に仕上がります。
 

茄子 こぶりのもの 300g(正味量)  
だし 1カップ 200cc   
砂糖 大さじ1 9g 甘み ナスに対して4%
みりん 大さじ1 18cc(砂糖3g分)  
大さじ3    
しょうゆ 大さじ 1 1/2 (塩分4・5g) 全体の塩分は1.5%

参考出品
 

エレガントサマー(食用)
茎専用のサツマイモ。生でサラダ、天ぷら、ゆがいて炒め物、きんぴら。葉も炒めて食べると美味。

緑色のトマト「グリーンゼブラ」、中身が黒いトマト「ブラック」は癖のない味、黄色いトマト「レモンボーイ」