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2005年(平成17年) 9月11日 (日) 第6回
学習テーマ「国産野菜、輸入野菜」

■芦澤正和先生の話

■バイオテクノロジーについて

 

 7月に育種、8月に採種について話しましたので、今回はバイオテクノロジーについてお話します。
 「バイテク」は大変有名な言葉になりました。バイオテクノロジーの言葉の短縮形ですが、バイオはbio(生物の)、テクノロジーtechnology(科学技術)のことで、それを2つ合わせてバイオテクノロジーといっています。そのまま解釈すると、農業は植物という生物、動物という生物を扱い、科学技術を組み立てて栽培や飼育をしているわけですから、典型的なバイオテクノロジーといえます。しかし、農業のことをバイオテクノロジーというわけではなく、特殊な操作をして新しいものを作り出す技術のことをバイオテクノロジーと呼んでいます。

 バイオテクノロジーに属する技術は、「組織・細胞培養」「細胞融合」「遺伝子操作」と3つあります。

(1)組織・細胞培養  
 植物も動物も細胞でできていて、細胞が集まって組織を作り、さらに器官を作っていきます。その中の最小単位である細胞、組織を顕微鏡の下でメスで切り出し、培地で温度や光を調節して培養すると、新しい植物ができてきます。そのことを「組織・細胞培養」といっているわけです。「組織・細胞培養」はバイテクの中では古典的なもので長い歴史があります。この技術が使われているのは、イチゴ、カーネーション、キクなどです。サツマイモやジャガイモも原々種を作るときにこの技術が使われます。「組織・細胞培養」が特に植物で盛んに使われるようになった一番大きな理由は、ウィルスフリーです。ウィルスが入っていない苗を作るために「組織・細胞培養」、特に組織培養が使われています。

 成長点は植物の先端部にあり、それがどんどん分裂を繰り返して葉や花ができていくのですが、成長点のある部分の組織を薄く切り出し培養してウィルスフリーの株を作るのです。そのときには「成長点培養」という言葉も使います。どうしてそういうことができるのかといえば、ウィルスも、成長点も、ともに分裂して大きくなっていきますが、成長点の分裂するスピードの方が、ウィルスが追いかけてくるスピードよりも速いので、一番外側だけを取り出すとウィルスが入っていないものができるわけです。それを培地の中で培養してウィルスフリー株を作るわけです。
 

 イチゴではウィルスフリー株を作って増殖させ、一般農家に渡す苗ができます。一般に、何回か植えるとウィルスが入ってきますから、また新しいものに戻って作るということをしているわけです。ウィルスフリーを作るとちゃんとしたイチゴができますが、サツマイモやジャガイモはウィルスを広がらせないために、特にジャガイモでは厳しい国家管理をしています。

 10年位前からサツマイモでもウイルスフリーが使われるようになってきました。「組織・細胞培養」はバイテクの中では最も歴史が古く、いろいろなことができるようになっています。これは環境を壊すような変なものができるといって文句をいわれることがありません。元々あるものを元々あるように増やしているだけです。成長点を薄く切り出すときに少し欲張るとウィルスが入ることがあります。カーネーションなどもウィルスフリーの成長点培養の技術を使っています。

(2)細胞融合
 「細胞融合」は、性的に交配できない(和合性がない)遠縁の細胞を融合させ、雑種を作ることです。ある植物の細胞と別の植物の細胞を培地の上でくっつけると全く新しい植物ができるというので大変注目されました。私が専門に研究していたキャベツやハクサイには軟腐病というこわい病気があり、これが出たら防ぎようがなかったのです。ところがイネやムギには軟腐病が全く出ないので、イネの軟腐病に強いという性質をハクサイに取り込めば軟腐病に強いハクサイができるのではないかと「細胞融合」という技術に期待したのですが、だめでした。

 「細胞融合」として有名なのは、ポテトとトマトをくっつけたポマトです。一般の人は上にトマトが実って、地下にジャガイモができると誤解しましたが、実際には上の方になったものはこれがトマトかというような変なもので、下にできたイモはコブ状のものでした。いままで一緒にできなかったもの同士をくっつけるという意味では大変新しい技術でしたが、いまのところ全くどうしようもないという状態です。

 オレタチは、オレンジとカラタチを細胞融合させて作ったものですが、これもできたというだけで役に立っていません。台木に使うという利用法も実用化されていません。25年位前にこの「細胞融合」という技術が注目されて以来、みんながバイテクの取組を開始したのですが、うまくいきませんでした。

(3)遺伝子操作
 「遺伝子操作」は、細胞内の遺伝子だけを単離し、別の細胞に導入するという技術です。種が違っても遺伝子を取り出して別の植物に組み込み、遺伝子操作をしようというものでした。遺伝子操作では、遺伝子という小さいものを植物に移し、他のものに対しては全く影響を与えずに「病気に強い」とか「除草剤に強い」という性質を入れることができたので注目されました。現在、バイオテクノロジーというと「遺伝子操作」をさすほどに技術としては発達してきて実用性のあるものがたくさん作られています。

 ただ、これに関しては環境問題に関心の高い人たちが、「遺伝子操作をして自然に存在しない遺伝子を入れたものを増やしたり使ったりすると生態系が壊れる」といって盛んに反対運動をしています。アメリカでは非常に多く使われている技術ですが、ヨーロッパでは反対勢力が強く、本格的には使われていません。

 「遺伝子操作」には3つ方法があります。遺伝子は顕微鏡を高倍率にしないと見られないような小さなものですから、遺伝子を扱うのは非常に難しく、まず遺伝子という特殊な性質を見つけ、それを別の植物に組み込まなければいけません。

◇遺伝子を細胞に組み込む
 遺伝子を細胞に組み込むには3つの方法があります。
1.アグロバクテリウム(土壌細菌)法
 アグロバクテリウム(土壌細菌)に遺伝子を組み込み、それをふつうの植物に組み込みます。
2.パーティクル・ガン(遺伝子銃)法
 非常に小さな金属の粒子に遺伝子をのせ、それをガン(鉄砲)でガス状にして打ち込みます。  
3.エレクトロポレーション(電気穿孔)法
 細胞に穴を開け、その穴から入れる方法です。
 
 現在は、アグロバクテリウム法とパーティクル・ガン法が主に使われています。アグロバクテリウムは他の菌を使うので、いろいろな影響を及ぼすのではないかと批判されていますが、パーティクル・ガン法が他に対する影響がないということで注目されています。

■遺伝子の作用を制御する
 もう一つアンチセンス法(遺伝的制御)があります。今までのものは外から遺伝子をもちこんで新しい形質を入れようというものでしたが、アンチセンス法は元々それぞれの植物がもっているものを削り落として新しい性質を作り出そうというものです。トマトは熟すると赤くなり、熟度が進むと腐りますが、その過程の非常に遅いトマトを作り出す研究などが有名です。 

 現在使われているのは、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、綿などで遺伝子操作をした新しい植物ができ、市販されています。その大半はアメリカで作り出され、アメリカで栽培し世界中に輸出されています。日本では遺伝子操作で作り出されたトウモロコシや大豆などに危惧をもつ人たちがいるので、はっきりと明示しなければ輸入できないものがあります。しかし、遺伝子操作したトウモロコシは飼料で、ダイズは油をとるために入っています。

 綿は人間が食べるものではありませんから、あまり問題はありません。ナタネはナタネ油として大部分アメリカから、カナダから少々入ってきますが、厳しく規制されています。トウモロコシ、ダイズにしても除草剤抵抗性と害虫抵抗性のある品種が多く使われています。
 
【会場からの質問】ともかく安全かどうかを知りたい。
 芦澤先生:アメリカでは何も心配は要らないといっています。除草剤に強いとか、虫に食べられるのを防ぐとかで、人間に対しては全く影響がないという考え方で進めています。ヨーロッパではそれでもきちんとやらなければいけないという考え方です。私はあまり心配しなくてもよいという立場です。
 最初の頃は、他の菌を使ってやるからおかしくなるのではないかという危惧がありました。アグロバクテリウムが人間に影響を及ぼすことはさしあたってありません。
 

江澤先生:アメリカから輸入されたダイズ油はバイオで作られたダイズを使っている。問題なのはどういう影響が出るかということが10〜20年経たないとよく分からないということです。遺伝子融合のダイズを使っていませんとはっきり表示している業者もいます。けれども、自分が食べたくない人は食べないというようなことになっていないのです。豆腐を作るために、安全なダイズを生産してもらっている豆腐屋さんもいます。

 芦澤先生:別々のものがかかって偶然できあがったものが数千年の歴史をかけて、片方はナタネ、片方はタカナ、カラシナになってきたという歴史があります。ごく最近ではキャベツとハクサイから作られたハクランがあります。ナタネ、タカナ、カラシナは長い歴史をかけて気に入らない性質を落としてきたので現在のように落ち着いたのです。ハクランはできてから50年位経ちますが、結球しないものもあります。日本ではいろいろ厳しいけれども、アメリカではそんな心配はないといっています。現実には飼料が使われている牛肉、豚肉、牛乳を食べているわけです。特に、油は遺伝子操作したものが入っていないとはいえない気がします。
 
 江澤先生:無農薬で作っていても、絶対的に安全とはいえない。アメリカで20ヵ月以内の牛肉はいいといっても、アメリカの検査がどうなっているかが一番問題。牛肉の会社が全頭検査はできないところに問題がある。肉の場合、肉骨粉を食べた牛がBSEにかかっているかどうかだ。オーストラリアの牛は草を食べさせるからだいじょうぶといっている。肉骨粉がだめだという報告がきたのに日本はちゃんとやらなかったからBSEが出てしまった。今度は1頭1頭検査しているから今の和牛はだいじょうぶだとされている。
 今のバイオテクノロジーの問題は難しい。絶対安全ということはないということを覚悟してほしい。


■輸入野菜(芦澤先生の話)
 

 1975年、今から30年位前は、日本で消費している野菜の1.4%が輸入品でした。後は全部国内産でまかなっていました。ところが、2002年にはほぼ15%が輸入品です。大変輸入が増え、野菜の生産そのものを脅かすほどになっています。野菜もやがて20%になるとみています。
 25年前にはアメリカやニュージーランドが第一の輸入先でしたが、現在では中国が輸入先のトップになり、半分を占めています。

 どんなものが入っているかといえば、減っているのがトマト加工品、酢調整品ですが、生野菜や冷凍野菜は非常に増えています。

 ニンニクやショウガは食べているうちの半分以上が輸入品です。

 輸入の形には二つあります。
 一つはカボチャで代表されるように、日本で作れない時期に外国で作って輸入すること。冬の時期にニュージーランドやトンガ、メキシコなどからカボチャが入ってきていました。

 もう一つは、タマネギのように年によって豊凶がある作物は、凶作の年に輸入されました。
 この二つが輸入の基本的な形で、現在でも変わっていません。

 江澤先生:日本の輸入自由化は1971年で、当時はドルが360円、今の3分の1で買えた。1980年位までにバナナやオレンジが自由化された。東南アジアでも、経済が発展しないときは農業中心に発展する。だが、アメリカなど先進国は農業も盛んだから、安く輸出すると農業生産物が少ない発展途上国の農業はだめになってしまう。それで国際貿易における問題が出てくる。

 農業の場合、虫や病気の問題があるので、植物や動物の防疫があり、病気が入ってこないようにしている。だから、貿易間ではいくつも壁がある。

 日本にはなぜ多く輸入されなかったかというとドルが高かったからで、中国は日本の何十倍も作っていても輸出態勢が整っていなかったのでなかなか輸出できなかった。

 以前は台湾やニュージーランドからの輸入が多かったが、日本で生産されない時期の輸入が中心だった。
 中国に対しては、日本の商社が日本の農業技術を中国に教え、向こうで産地を作って日本に輸出するようにした。ふつうはその国でできたものを輸入するものだが、中国の野菜は、日本人が働きかけてもってきた。だから、日本の需要に合うようなものができている。

 今、ジャガイモはマッシュにした冷凍品を輸入している。キュウリなど漬け物は、中国で漬けて一次加工しているから虫がつかない。輸入の内容がずいぶん変わってきている。ネギなどは国産と中国産では外観で見分けがつかない。しかし、育つ所が違うとミネラル分などの成分も違ってくることが分かってきた。

 韓国でも、ニンニクが中国から大量に輸入されるなど困っている問題がたくさんある。
 国産を守っていくのか。国産の良い点はどこなのか。農家と流通業者、消費者が一体になって考えなければいけない。外観と値段だけで決めていくわけにはいかない。

 最近の外食産業は値段が厳しくなった。だから、端境期でなくても向こうで作らせるようになった。中国でも近年タマネギを作り出した。やわらかさや甘さは水田の裏作で作ったタマネギの方がある。だから、大阪では年内いっぱい北海道のタマネギが販売されないが、これから輸入物が入ってくると、どうなるか分からない。


■平井美喜雄講師の商品説明

 今日は国産野菜と輸入野菜の食べ比べです。1月から半年間みていても輸入野菜が増えています。昨年は台風で10月以降、国産野菜が不足し価格が暴騰したので輸入品が入ってきました。

 東京青果物情報センターの資料によりますと、東京都中央卸売市場の輸入野菜の今年1〜8月までのデータは入荷が6万2565t(131%)、単価はkg170円(82%)、金額106億2700万円(107%)と単価安ですが、数量が多いため、金額も伸びています。ただし7月、8月は6月以降国内野菜の安値基調からか、数量は前年を下回っています。日本全体では1月〜7月までの大蔵省通関統計をみますと、生鮮野菜の入荷は72万4000t(129%)、単価81円、金額589億3400万円(104%)と数量増の単価安で金額が伸びています。
 

 

たまねぎ

 

(1)JAきたみらい(北海道)オホーツク1号(七宝)
 北海道で当初1万3000町歩計画していた時、販売期間を伸ばすという意味で、早出しの部分を広げようとして作られた品種。スーパーキタモミジ・キタモジミ2000の改良形。耐病性あり(8月中〜4月)。2000円。

(2)白瀬(中国)品種不明
 輸入タマネギは1〜7月まで22万5000トン(145%)、kg31円、金額68億9700万円(119%)。中国、アメリカ、ニュージーランドの順に入荷し、輸入野菜のトップを占めています。
 中国産は、ほとんどネットに入ってきますが、ここ数年、日本に入ってから業者が選別し直して段ボールに詰め替えて市場等に出荷しています。中には経費削減のために、現地で選別し、浜で段ボール箱に詰め替えている業者もいますが、いずれにしても業者間の格差が大きい商品です。中国産のタマネギを買うときにはばらつきがあります。中国産は業務用需要が多いのですが、この産地のものは選果もよく、日本産と大差はありません。現地、浜から通関も含めて約1週間で市場に入荷します。(6〜9月)、2L1600円。

   

ショウガ

 

(3)JAやつしろ(熊本)土佐1号
 現在、「土佐1号」という品種が主流になっています。以前は「おたふく」という品種を使っていて、辛味が強くばらつきがありましたが、「土佐1号」は、まろやかで茎の本数が少なく、根に栄養がいきやすいということでこの品種に変わりつつあります。大きさにブレがなく、繊維質も少ない。10〜11月に収穫し、1月に新物(囲生姜)として出荷。4kg3500円。

(4)丸増(中国)近江生姜
 輸入ショウガは1〜7月まで、2万4900t(83%)、単価kg101円(75%)、金額25億2000万円(63%)。数量も金額も減っています。ほとんどが中国産で、他にインドネシア、タイなどがあります。
 価格的に国産と勝負しても単価がとれないという部分がありますが、日本以外の需要量も増えているので現地価格も安くありません。日本国内相場とあまり連動していないのが実態です。5kg1200円

   

にんにく

 

(5)JA富萢(とみやち)ホワイト六片(武蔵野種苗)
 青森県全域がこの品種です。砂地で水はけよく、氷温貯蔵することで鮮度保持し、うまみを持続させることができ、大変品質がよいものです。価格は1kgネット2400円。

(6)東京エクスプレス(中国)上海ホワイト
 中国産ニンニクは1〜7月で数量1万7500t(105%)、単価kg84円(102%)、金額14億6400万円(107%)で中国産がほとんどです。
 今年は国産も含め、大玉が少ない傾向があり、単価も高めの推移になっています。今まで大玉は日本が主力でしたが、最近は日本以外の需要も拡大しているので、マーケットが広がった分、価格高も考えられます。価格は1kg100円。

   

にんじん

 

(7)丸米(北海道)「向陽2号」(タキイ)
 根形は肩の張りがよく、尻部分まで太りやすい。根の割れが少なく、揃いがよく、色も鮮やかな紅色。市場性はよい方で全国的にも多い品種です。毎年北海道の気温が高い傾向があり、今年も高温のためか8月下旬から9月上旬までは品質があまりよくなく、肥大不足で、細く伸びる傾向があります。2L2200円。

(8)橘貿易(中国)
 輸入データの数字で、にんじん単独の数字ではなく、カブも一緒に入った実績ですが、数量7万900t(263%)、単価kg42円(92%)、金額30億(242%)と中国メインに、オーストラリア、台湾、ニュージーランド、アメリカなどからあり、数字は伸びています。
 今までは、この時期北海道産が多く、輸入は市場としても呼べない状況がありましたが、北海道産の肥大不足から、特に業務用は細いのはだめなので、業務用関係の引き合いが多くなっています。2L1000円。

   

ねぎ

 

(9)JAつがる稲垣(青森)元蔵(武蔵野種苗園)
 この品種は埼玉の篤農家で鈴木元吉氏が、冬ねぎとして耐寒性強く、色、収量が低下しないことを目標に育成した品種。2L1600円。

(10)エイショー(中国)
 輸入ねぎは1〜7月まで、数量4万600t(132%)、単価79円(96%)、金額31億9100万円(127%)と中国産がほとんどで全体的に数量が伸びています。産地は浙江省、上海地域で12月末〜2月上旬、山東省が6〜11月、福建省が1月下旬〜5月一杯。日本に来る8割以上は業務加工向けのバラ出荷が多く、市場向け比率は少ないが、為替レートの問題と日本市場の安値推移から業者としては厳しい環境になっています。
 品種は元蔵と長宝という中国の品種と思われ、収穫から約10日目くらいの販売。周都市、中国の浜から最短で6日目販売。

   

生しいたけ

 

(11)カネボウ(福島)KB2010(カネボウ)
 しいたけの国内生産の約25%がカネボウ方式という菌床栽培。菌床栽培の50%のシェアーを占めている日本を代表する生産システムとして定着。柄が短く傘色は明るく、厚肉饅頭型。秀品率高い。価格150円。

(12)ワタリ(中国)香(ドンコ)135菌
 輸入しいたけは1−7月まで、1万2460t(91%)、単価kg202円(100%)、金額25億2200万円(91%)とほとんど中国産で数量は減少しています。日本の販売単価の安値傾向と為替レートの問題などからか、日本向け輸出量を控える傾向があります。業者も価格維持できるような数量を市場へ回しているとも考えられます。また、中国国内消費の増加と日本以外の諸外国への増加も考えられます。5kg1500円。

   

ブロッコリー

 

(13)JA佐久浅間小沼(長野)ピクセル(サカタ)
 ピクセルという品種は90日前後で収穫できる栽培適応性の広い早生品種です。値段はL15玉で2500円。

(14)東京青果貿易(米国)パトリオットかマラソン
 輸入ブロッコリーは1〜7月で3万4400t(82%)、単価kg150円(104%)、金額51億5100万円(85%)で、アメリカ、中国の順になるが、アメリカが減少し中国は増加傾向にあります。
 パトリオットは夏に強く、マラソンは形状がドーム型で日本型に似ています。サリナス・サンタマリア中心に4〜12月に出荷され、アリゾナから12〜3月に出荷されます。輸送の間は0.1℃で設定され、日本の冷蔵庫も同じ設定温度で保管します。収穫して約2週間で日本着。通関に2日かかり市場へは最短で16日目、最長でも収穫から1ヵ月以内で消費されています。価格10kg38玉3300円。


■食べ比べ

(1)タマネギ(炒め、生)
*炒めた方は中国でも国産でも大差がない。今年は春先に中国産を売ったが、お客には受けがよかった。大田市場に入っている中国産でむき玉があった時に何回か売ったところ、業者関係にはゴミが出ないから喜ばれた。生はどちらも辛味が強かった。
*中国産の生は辛すぎて食べられなかった。
*炒め物には中国産が甘みがあり、臭いが強いので向く。生は中国産が辛い。

(2)しょうが(生スライス)
*中国産は辛味が強く、国産の方が食べやすい。
*どっちも辛かった。スライスで食べたのは今回が初めてなので、すりおろしたほうが繊維質が分かると思った。
*中国産は辛い。

(3)にんじん(煮た)
*北海道産は風味も味もよくておいしい。色は中国がぼけている。
*香り、風味は国産がよいが、食感は両方同じ。
*中国産は青臭いような気がした。鼻に抜ける香りがあった国産の方が甘くてくせがない。
*中国産の方が食感がいい。国産の方がやわらかでやさしい味がする。
*見た感じと色合いが全然違う。水分も国産の方が多いし、やわらかい。輸入物は皮がかたい。国産の方がおいしいが、中国産は届くまで時間がかかっているからだろう。

(4)ネギ(さっと煮た)
*中国産はネギの枚数が少ないような、まきが少ないような気がしたし食感がかたかった。味付けが同じならば国産の方がおいしい。うちでは中国産も売っている。
*中国産は食べてもやわらかいが甘みが感じられない。国産は歯ごたえはあるが甘みがあり、国産の方がおいしいと思った。
*以前中国産長ネギを買った時は、芯があってかたくて食べられなかったが、今回食べ比べても差がないので食べられると思った。中国産は外よりも中がやわらかく甘みがあった。日本産は全体に甘みがしみている。中国産はまずいネギだという意識がなくなった。
*江澤先生 おいておくと外皮はかたくなる。春先の坊主知らずなどは1枚むくとおいしくなる。

*中国のネギは納めで使うが、冷蔵庫に入れておくと品質が低下しない。出荷する時に何かしているのか。日本のネギは腐ってきたり、曲がったりするのに、どうしてか。

<沢田さん(サカタ)の回答>
 

 基本的にはネギも光にそって曲がる。収穫した後、冷暗所においておけば変化はしない。ネギはひっくり返して保管するとよい。ネギを保管する時には、畑にあった状態にするため、必ず立てること。光の方向に向けないという保管技術を知っておくとよい。輸入物が薬を使っているということはなく、そんな経費を使っていては引き合わない。遠隔地へ輸送するので長持ちする品種を選んでいるのだと思う。

 国内のネギの産地は南北に長いので春ネギ、夏ネギ、品種が違う。どの産地からきているのか。夏ネギの時期に冬ネギを作っていれば、間違いなく辛いか、かたい、このへんは販売のプロとして商品ごとの特性は頭に入れておいてほしい。ネギを買ったが、かたかったとお客から言われた時にきちんとフォローができるか。品種についての知識にこだわり、品種を常に頭に入れてほしい。
 
*中国でどんな処理をしているかに関心がある。うちはなるべく扱わないが、どこへきけばよいのか。
 
<沢田さん(サカタ)の回答>
 農水省の植物防疫だろう。昔は防腐剤を入れたが、それを入れると日本では商売できなくなっている。減農薬、エコの部分は中国も真剣に考えている。一般消費者の厳しい状況は分かっているので、気を遣っている。

<江澤先生>
 中国でどんな処理をしているか。仕入先にきく必要がある。卸を通じて輸入元にきいてもらえばいい。

(5)しいたけ(焼く)
*国産は歯ごたえがない。
*香りは中国産が強いが、食感は中国産がやわらかい。歯ざわりは日本の方がよい。味は比較できなかった。
*福島の方が肉質、味ともによい。菌床よりは原木の方がいいので、物足りなかった。

(6)ブロッコリー(ゆで)
*長野は少しかたい。口に入れた瞬間かたかった。かんでいると甘みが出てくる。アメリカは茎も房もやわらかさがあり、甘みがあり、臭みもなく、アメリカの方がおいしかった。
*国産はいくらか味がいいと思うけれど、輸入物もまずくはない。秋になると国産の方がおいしいと思うが、今の時点ではあまり差がない。国産を売りたくなるが、素人目には分からないのではないか。輸入物は来るまでに時間がかかっているから、日持ちさせるために工夫しているらしい。
*国産はやわらかで甘みがある。アメリカ産は臭いがあったような気がする。
*しっかりしたものが好きなので、うちの店では国産を売っている、アメリカ産はあまりおいしくない。
 


飛騨特産の宿儺(すくな)かぼちゃ(写真)、むかごなどが参考出品された。
 
宿儺(すくな)かぼちゃ、かなり大きい 中は普通のカボチャ風 むかご