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2005年(平成17年) 11月20日 (日) 第8回
学習テーマ「サトイモ、ダイコン、ミカン」

■江澤先生の講義

ダイコン

ダイコンは1000年以上前に日本に入ってきました。ダイコンの産地はヨーロッパといわれますが、ヨーロッパのラディッシュといわれるダイコンと、中国や日本のダイコンと2つの流れが考えられます。ただしエジプトでピラミッド時代の人が何を食べていたのかは分かっていません。中国には紅いのや緑色などいろいろなダイコンがあります。日本の場合も大きいダイコンは20kgぐらいある鹿児島の桜島大根から、小さいのは辛味ダイコンまであり非常に豊富です。
 

 ダイコンとカブは外観だけでは分かりづらく、ある植物学者に見分け方をきいたときにも、タネの入り具合でないと分からないということでした。カブの場合、切れてない葉が多いのですが、ダイコンでもそういうものがありますし、細長い形のカブもあります。ですから、形ではなかなか分かりませんが、食べてみれば肉質が違うから分かります。
 

 カブの場合、20年位前までは関ヶ原を中心にして東の方はヨーロッパカブ、西の方は東洋カブと分かれていましたが、今は相当交雑しています。ダイコンの場合はそういうことがなく、各産地でいろいろなダイコンがあります。

 ダイコンは野菜全体で約1300万トン生産されているうち、一番生産量が多く200万トン以上あります。タクアンなどに加工しているものもありますが、青首といって宮重大根が中心で、尾張の宮重が発祥地です。京都へ行くとカブ型の聖護院大根があります。漬け物にすれば聖護院カブはぬめりが出ますが、聖護院大根はぬめりが出ないのですぐ分かります。京都のダイコンも尾張から入ってきた尾張ダイコンです。

 ダイコンはジアスターゼがあります。野菜にはあくがあって食べにくいものもありますが、ダイコンにはあくがありません。キャベツやナスでもアレルギーが起こる人がいますが、ダイコンは何も当たらないからいいというので、「ダイコン役者」というのです。

・昔は、ダイコンが増量材としておかゆなどに入れられ、食糧難時代には活躍しました。中国でも生のダイコンをかじっている子供たちが往来にいますが、ダイコンは恵まれない人たちにとって重要な食料になります。

・おろし金でうまさがずいぶん違ってきます。また、おろしてから30分以上たつと味が変わってきます。だいこんは葉の方が甘く、先の方が辛いので調理法を考えてください。熱を加えると辛味は少なくなります。わさびとしょうがを一緒にすると、しょうがの方が精が強いのか、わさびの辛味が少なくなります。

サトイモ
 サトイモの原産地はインド辺りの熱帯です。イモは栄養繁殖で、そこで親イモができ、子イモができます。サトイモを4月に植えて10月に収穫する場合、10月の収穫後4月に植えるまで囲わなければいけません。したがって火山灰土の囲いがうまくできているところにサトイモがうまく残っているわけです。

 福井県大野の上庄のサトイモは明治維新前のタネです。岩手には双子芋というイモがあり、県が減反して作らせましたが、親イモから病気をもったものが出てきたりして双子芋が悪くなってしまったそうです。保存がうまくできているところはいいものが残っています。

 土が入ると困るので、中国産は土をとって輸入されますが、それに土をまぶせて国産のようにして売るものもあるので、そのへんは注意して信用のできる産地のものを仕入れてください。そうしないと表示が違っていてお客さんに嘘をつくことになります。

 海老芋は、土のかけ方であのように特殊な形になったときいていますが、京都に行ったら土のかけ具合を勉強してみてください。

 サトイモは親だけ食べる、子供を食べるものがあり、茎でも赤い茎でないとだめです。北陸は茎を9月半ばすぎから酢漬けにして早くから食べさせます。

 サトイモは本物を扱っていただくと違ってきます。

 大別すると、石川早生系統と土垂系統に分かれます。私はイモの中ではサトイモが一番おいしいと思っています。昔、市場ではサトイモの泥を落として小売屋さんは洗ったサトイモを売っていたようです。

 小売屋さんとして考えなければいけないのは野菜の消費が減っていることです。一番大きな原因は野菜の下ごしらえに時間がかかることです。働く女性たちが増えているので、家庭で野菜を食べたいと思っても下ごしらえをする時間がありません。

 肉だと煮込み用とステーキ用に分けて売っていますが、魚は切り身で売っていて小骨までとってくれます。そこまで考えて販売されています。ところが、野菜の場合下ごしらえをして販売されていません。ですから、八百屋さんはある程度下ごしらえをしたほうがいいと思います。トウモロコシなどはゆでて売れば1日100ケースぐらい売る店もありますが、生のままだとほとんど売れません。ですから、小売屋さんも保健所の許可をとって一時加工もできるような態勢にしていく方がいいし、ますます要望が高まると思います。

 カット野菜の生のものは効率が先になっています。葉を洗ってから切るのならばいいのですが、切ってから洗うと細胞が切れてしまっているので、そこから養分が出てしまいます。また、薬を使ったとしても、時間が経てば菌まみれになってしまいますが、そういうことが分かれば消費者は買わなくなるでしょう。ですから、カット野菜も生のものはたくさん食べられません。食べることと栄養の問題、安全性を考えるとカット野菜の将来性はあまりありません。今は温野菜にしてすぐ食べられるやり方が研究されています。暮れにやつがしらをすぐ食べられるようにして相当成績をあげている人もいますが、各自各様に考えながらやるとよいと思います。

 温野菜を、どういう形で、どういう方法でやればよいかのアイディアはなかなか出てきませんが、すぐやれるのは小売屋さんです。この前もある小売屋さんと話しましたが、ゴボウのやわらかいのはそいで、かたいのは包丁で切っているといっていました。うまいものをこういう形でやればいいですよという対話販売が大事になります。

 食べ物は口に入れた味覚を相手に知らせるのはなかなか難しいことです。味覚は味だけでなく、臭い(フレーバー)、肉質(かたい、やわらかい)があります。3つの問題を考えて分析して総合的にお客さんに説明しなければなりません。自分のベロメーターを高めないとお客さんには分かってもらえません。分からせることが大切です。

 好きなのはどこが好きなのか、どこがきらいか。お客さんと抽象的でなく具体的に話をするということを学ぶ必要があります。八百屋塾は食べ比べをして、うまい、うまくない、また、自分が好きというだけでなく、そのもののもっている特徴はどうなのか。カボチャはネットリするものがいいのか、ホクホクしたものがいいのか。自分が好きなものだけ仕入れるとお客さんを制限することになります。客観的に学ぶ姿勢が大事です。

 それから、ミカンについてですが、温暖化が進み、産地が変わってきています。昔とは変わってきていますから、昔のイメージだけで商品を見ないでください。


東海林講師の説明



里芋は5点もってきました。

1)埼玉・JAいるま野所沢「薄葉」
いるま野農協は「蓮葉」を作っているところと「土垂」を作っているところがありますが、所沢は「蓮葉」。10kg3000円

2)愛媛・宇摩郡「女早生」 愛媛県でも一番東、どちらかというと香川県寄りに土居町というところがあり、その付近でつくられている「女早生」。「蓮葉」の近縁種で、中身も似ていてもっちりした感じのイモです。10kg3500円

3)福井・テラル越前「大野在来」。非常に歴史が古いイモで、奥越地方、越前大野、勝山辺りの在来のイモです。テラル越前という農協があり、そこに「上庄」「大野」「大仏」という3つのブランドがあり、それぞれが同じ農協ですが、きれいなカラー容器に入れてブランド競争しています。(取り寄せなので不明)

4)千葉・「富里マル新」セレベス これはこの時期結構人気がある銘柄です。5kg1500円

5)静岡 JA遠州中央「海老芋」(唐芋) 京野菜と思う人がいますが、ここの海老芋は大正時代に作り方が決まっていて土質に合うということで長い歴史があります。8〜9割がJA遠州中央の芋です。作り方が独特なので他産地がまねできません。仲卸価格3000円

以上がサトイモ5点。サトイモは比較的天候もよかったので豊作傾向です。

ダイコン

6)千葉・JAちばみどりアグリタウン「福天下 他」 銚子の一般的なダイコンです。600円。

7)千葉・JAちばみどり飯岡「福天下他」 銚子の隣で、品種は同じです。飯岡は千葉エコの農産物になっています。千葉エコ農産物は千葉県の認証品です。これはエコファーマーの認証よりも厳しく、千葉エコはほぼ特栽を満たしています。減農薬・減化学肥料がその地域の慣行的に行われている基準に対して2分の1ということで、これをクリアしています。千葉エコをとると、千葉エコ農業情報ステーションに登録されるのでインターネットで栽培歴等をみることができます。

 実を言えば、この仕組みがなかなか普及しません。エコの方が100円位高いので、市場でもエコではない方をくれという注文が入ります。千葉エコ農産物は事前に1年前の段階から書類を出して認定し県のきちんとした検査を受けていますし、いろいろな仕掛けをしているので、万が一何かあれば県の責任になるわけで、県としても力を入れているのでそのへんを分かっていただきたくてもってきました。600円

8)神奈川・JA三浦市「福ほまれ 他」 三浦の農協は大きいので部会組織になっていて、その中にこだわりグループがあります。これは「カルラディ」ブランドですが、カルシウムのラディシュという意味で、蛎殻などのカルシウムを入れて土作りをしているグループです。いわゆる普通サイズのダイコンが上記3点です。600円

9)千葉・小野沢克之「大蔵系」 大蔵系は七福大蔵を使っています。適期にとらないと難しいということです。800円

10)石川・末広青果「源助大根」 加賀野菜の代表である「打木源助」をもってきました。1500円ぐらい?

11)茨城・健農うまか 品種名不明 ミニ大根としては今年試作的に入っている、葉が長い小さな大根です。1袋40円で15袋入り600円。

 12)千葉・JAちばみどり飯岡「味一番」 この品種はいろいろな農協に少しずつ入っています。煮てみると分かりますが、ほとんど下ゆでが要りません。苦みや辛味がなく、味がよい大根です。600円ぐらいか?


ミカン

13)福岡・JAふくおか八女「博多マイルド」

14)熊本・JA熊本市夢未来「夢の恵み」

15)愛媛・JAにしうわ日の丸「千両」良L2300円、優M3500円、L4200円、秀5kgS3000円、M5000円、L1万円

16)愛媛・JAにしうわ真穴「雛の里」5kgS1500円、M2000円、L2500円

17)長崎・JA長崎西彼「伊木力一番」M3000円前後

18)長崎・JAながさき西海「味まる」M3000円前後

19)佐賀・JA佐賀みどり「さが美人」「ゆたたり」

20)愛媛・JAにしうわ真穴

21)愛媛・JA宇和青果玉津

 

 

22)和歌山・JAありだ

 

 

 真穴の「雛の里」は中にチラシが入っていますが、八幡浜市の真穴地区には座敷びなという慣習があり、長男のところに生まれた長女を祝う行事です。毎年4月2〜3日しか実施しません。ことし見に行ってきましたが、家の中にいろいろな風景を作った中におひな様を飾り、とても立派でした。このときには地域の町おこし的な意味で出店などいろいろな販売がありますので、興味のある方は行ってみてください。

参考出品として、福井県の砂地で作られ、五郎島の後にどうかということで、「とみつ金時」をもってきました。

 


 また、黒大根については、スライスしてサラダにするとよい。

 


江沢先生
 葉付きダイコンを売る場合、できれば葉を切って別々にお渡しするほうがいい。ダイコンはとうがたちやすい。葉つきで売るのはいいが、持ち帰ったらすぐ葉を切ってくださいとアドバイスして売ってほしい。

荒井先生
 葉付き大根の葉がおいしく食べられる方法としては、
葉はなめしにする。苦みがあるのでゆがいて少し水にさらす。その後、ちりめんじゃこと一緒にからいり。茎はさっとゆがいて刻んで根の千切りと一緒に塩漬けにする。かたいところは炊いて、油揚げで煮るとよい。
 


橋本講師のミカンの説明

 いよいよ暮れのギフトのシーズンになってきました。

 今回「味まる」は荏原市場から取り寄せました。真穴の「雛の里」は昨日が初荷でうちも昨年、一昨年とほとんどこれ専門に売っていました。今年は瀬戸内みかんの味がよいので、広島、愛媛、和歌山を中心に扱っています。

 宇和島の玉津は今年極早生のときから食べやすい。5kg特選S1400円、M2300円でした。これはレギュラーですが、産地が心を入れ替え、選果基準を厳しくしたということで極早生のときにすごく人気がありました。
 

ことし九州のミカンはあまり手を出していません。5kg箱の特選を作っている産地が多くなりましたが、と八協なども結構いいです。平均して小玉傾向なので小玉をうまく売っていくといいのではないかと思います。ただギフトの場合、小玉は喜ばれないので、前でおいしい小玉を食べさせ、奥の贈答用で利益をとればいいかと思っています。ことしは干ばつ気味なので平均して味がよい。その中で何に絞り込むかを判断して売っていかないといけません。傷みは少ないと思うのですが、箱で売るときにはたまに出ますから気をつけて売ってください。各市場に入る中で、食味をして自分がいいと思った小玉を扱っていけばいいと思います。私はいいと思うと同じものをずっと扱います。

 広島の自然熟蜜柑は生産者を何人かに絞っていて糖度も14〜15度と高い。真穴はレギュラーがばらつくけれど、「雛の里」は平均していて使えます。ことしは全般的にいいものが出てきています。産地でいいといっても、食べてみないと分からないものですが、今年はどこを食べてもまずいものはないぐらいおいしいです。

JAせとだ 自然熟蜜柑


サンふじをもってきてくれた盛岡商組より説明

  JA江刺市ではリンゴ全体で28万5000ケース出荷予定。そのうち「サンふじ」が10万ケースです。出荷価格は平均価格で6000円ぐらい、高値で1万5000円ぐらい。初せりでは900ケース出荷され、特選28玉(10kg入り)1箱が過去最高額を大きく上回る55万円で落札されました。特選1%、特秀2%、秀10%、ほかの割合です。
 

サンふじ

蜜(ソルビット)の入り具合

フルーツショップたむら(盛岡市)の田村直巳さん。サンふじの現状を説明してくれた


試食した感想

*大蔵系、源助大根はとろけるようなやわらかさがある。
*生で食べたものに関しては三浦のほうがうまかった。辛いのが好き。
*千葉のJAちばみどりアグリタウンのダイコンはまんなかが甘い。しっぽがかたい

*サトイモを3つ食べた中では海老芋がおいしかった。
*サトイモのねっとりさが好きです。
*えびいもの独特な味が好き。セレベスの口にいれるとなくなる食感も好き。

*ねっとりしているものが好きなので、福井の大野在来がおいしいと思った。セレベスや海老芋はとろける感じはするが、少し上品すぎて物足りない。土の香りがする田舎風なサトイモが好き。
*おいしいと思ったのは福井のサトイモ。舌にからみつくようなねっとり感があった。海老芋は日本かぼちゃと同じような感じ。
*海老芋は料理に使っているが、おいしい方のイモだと思った。ねっとり感がある。サトイモはおかず的にあっさりしている愛媛や埼玉が好まれるのではないか。


荒井先生の料理説明
 

調理の説明をする荒井先生

試食用の調理、品目が多いと時間内に終わらせるのが大変

【ダイコンの煮物】
 時間内に煮上がるように1.5cm幅の半月切りにし、50%のだし汁で昆布を加え、煮立ったら弱火で、竹串が通るまで煮る(5〜8分)。

 酒5%、塩分1%弱、しょうゆと塩を加えて10〜12分程煮て含ませました。

 甘味(砂糖、みりん)は加えませんでした。

<例>ダイコンむいて500g、だし250cc
 酒25cc、塩分1%弱(塩 小さじ1/6弱、しょうゆ小さじ1.5)

【サトイモの煮物】
サトイモは皮をむき、塩1%の湯で5〜7分下ゆでをし、ぬめりのあるもおは水洗いして、ざるにとる。

 50%のだし汁で昆布を加え、煮立ったら弱火で5〜8分、竹串が楽に通るまで煮て、砂糖(3%)、酒(5%)加えて5分、塩分1%(しょうゆ、塩)を加えて、さらに5分煮て含ませました。

<例>サトイモむいて500g、だし250cc、酒25cc、砂糖15g(大さじ1と2/3)、塩2g(←小さじ2/5)、しょうゆ大さじ1(塩分3g)